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「演繹法」と「帰納法」とは?読み方や注意点などについて紹介

更新日:2024年06月22日

帰納法も演繹法も見慣れた言葉ではあります。しかし、読み方も不確かで、使い方に関してはよく分からない方が多いようです。本記事では読み方や由来、使い方について説明しています。読んでいただければ、使いこなす良いきっかけになるでしょう。

演繹思考法はスタートの前提を間違えてしまうと、そこから導出される結論も間違ったものになってしまいます。

スタートとなる前提を間違えないようにするためには、基礎となる前提やルールを疑うことで間違いを防ぐことができます。

そのためには前提の正しさを絶えず疑い、「本当に正しいのか」と問いかけをすることが有効です。

前提に出てくる「普通」「当たり前」などの言葉に気をつけて、誰にとって普通なのか、どこで当たり前なのかと問いかけをします。日常会話やニュースなどでも、情報の正しさや、根拠に注意を払うことで、論理的思考は鍛えられます。

演繹思考においては、前提と各事象を正しく結びつける必要があります。しかし、演繹法は筋が通っているように見えやすく、論理がつながっていないことを見落としやすいと言えます。

そこで、結論から前提まで、遡ってみると筋が通っているか確認しやすくなります。

ロジックができたらそれを人に話して、説得力があるか確認してみることも非常に大事です。

日常触れる情報の前提を常に疑い、推論の過程が正しいか確認し、得られた結果を発信することで演繹法は鍛えられます。

帰納法とは何か

帰納法も数学や国語で使われ馴染み深い言葉だと言えます。

論理学は演繹、帰納、仮説形成(アブダクション)の3種類の論理的推論に分けられます。そして、帰納法はそのうちの一つです。

その中で、帰納法とは多くの事例の中からそれぞれの事例が持つ共通事項を抜き出し、それらから結論を導き出す手法です。

統計的結論を求める時にも使われ、大量のデータによる結論は大きな納得感を得られます。

また、帰納法のそれぞれの事象から始めて、普遍的な法則を導くという手法は自然科学との相性が非常に良いと言えます。

帰納の読み方とは

英語のinduction(インダクション)を訳した、帰納の読み方は「きのう」です。

inductionはラテン語のinductio(インドゥクティオ)に由来します。それは「中へ」の意味を持つ接頭辞「in」と「導く」の意味を持つ「duco」というラテン語の動詞から派生していて「導入」の意味を持っています。

論理学的に、具体的な事象から普遍的な概念を引き出すという意味を持つ、古代ギリシア語のinductioがラテン語で定着したと考えられています。

つまり、下位概念である具体的な事例を、上位の普遍的な概念に引き上げ(昇華させ)議論の次元を上方へ導く論理形式と言えます。

帰納法の考え方

帰納法は様々な事象や実態から導かれる結果や傾向を、まとめ上げ結論とする論理的な推論作成方法です。そして、聞く人の多くが納得感を持つことが重要とされています。

複数の実例や証拠の共通点から結果や傾向を推論するため、実例や証拠の中に一つでも推論に合わないものがあると、論理は破綻します。また、共通点から推論を導く道筋に論理の飛躍がある場合も帰納法は成り立ちません。

経験に基づいた法則や統計的手法によって、得られた自然科学の結論も常に正しいとは限らないのです。他にも結論はありえますし、人によっては別の結論になります。

定義を決めて大多数の人が納得すれば、何も問題はありません。帰納法はこうした要素を持っているのです。

帰納法の注意点

帰納法では複数の事象の中に共通する事項を見つけ出し、それらの傾向を考察し結論や推論を引き出します。

その時できるだけ多くの情報経路と事象があると、偏っているという印象を持たれず、聞く人に納得感を与えます。

前提となる事実や一般論に誤りや偏りがあると正しい結論を導き出すことができませんので、前提が正しいことを十分に確認してください。

論理的な飛躍があっても正しい結論を得ることはできません。強引な結びつけを行っていないか慎重に確認する必要があります。

説得力は、正しい前提と筋道のしっかり通った論理展開によって産み出されます。

演繹法と帰納法を使い分けてみよう

帰納法と演繹法は共にいろいろな場面で有効に利用できることが分かっていただけたと思います。

帰納法は営業や生産における調査の統計的結果を重視し、それをもとに推論し結論を出すことに向いています。調査結果から論理展開をして結論を出す時、帰納法は有効でしょう。

それに対し、演繹法は前提の原理が正確であることが求められます。新しい製品を開発する時など、実績の上に新たな情報を積み上げる時、演繹法は有用でしょう。

このように、帰納法と演繹法は使用方法が大きく異なりますが、併用することももちろん可能です。状況に合わせて、帰納法と演繹法の長所を利用し、使い分けていきましょう。

初回公開日:2022年09月22日

記載されている内容は2022年09月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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