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地鎮祭とは
地鎮祭では、建築現場中央の四方に吉竹を立て、しめ縄をぐるりと張り巡らします。その中央に清砂を盛り、祭壇を設けて、お神酒と洗米1合、塩1合、海の幸、山の幸などを備えます。式は神主のお祓い、祝詞奏上、玉串奉奠の順にすすめられ、最後に全員でお神酒をいただいて終わります。
儀式に用いる祭具、供え物などは、ふつう神主や工事関係者側が用意してくれます。ただ、建築主側が供え物などを準備する場合や、地方による決まり事もあるので、事前に確認しておきましょう。
地鎮祭の後、周りの住民の方に、手土産を持ってご挨拶に回ります。できれば施工会社の人と一緒に回ると良いでしょう。
地鎮祭の挨拶回りのマナー
この時にメモ用紙を持参することをおすすめします。同じような家が並んでいた場合どの家が留守だったか忘れやすく、留守宅を記録しておくと便利です。また挨拶の際に「あちらの〇〇さんのお宅にも顔を出した方が良い」といった情報が得られた場合にも役立ちます。
のし
不在時の対応
工事前のご挨拶は、工事中に騒音や工事車両の通行などでご迷惑をかける可能性があることをあらかじめお伝えするのが目的です。その後のご近所付き合いのトラブルを回避するためにも、早めに再訪します。
しかし施主側とご近所側のそれぞれで、仕事の都合や各家庭の生活リズムの問題からどうしてもご挨拶ができない場合があります。そのようなときは現場を取り仕切る施工会社の人に代理で挨拶をして頂けないか相談してみましょう。
あるいはご挨拶の一筆を添えた挨拶品をドアノブにかけておいたりポストに投函することとなりますが、引越し時に再度挨拶に伺う旨を書き添えておくようにします。なお、長期不在の可能性がある場合の手土産は食品以外のものにします。
挨拶の範囲
できれば施工主も同行して連絡先なども伝えておくと、工事に関するトラブルや問い合わせにもスムーズに対応できます。
地鎮祭後の挨拶の例
施工主「(インターホン越しに)こんにちは、建築会社【企業名】の【名前】と申します。このたび近くで住宅の新築をすることになりましたので、ご挨拶に参りました。実際に住まわれる【施主】さんと一緒に伺いましたので、よろしければ直接ご挨拶させていただけますでしょうか」
ご近所の方「はい、少々お待ちください」
施工主「(直接)お忙しい所申し訳ございません。【企業名】の【名前】でございます。こちらは実際にお住まいになります【施主】さんです」
施主「はじめまして、〇〇頃越してくる予定の【名前】と申します。よろしくお願いいたします」
ご近所の方「こちらこそ、よろしくお願いします」
施工主「私から簡単に工事の予定をお話させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。(工事着工の挨拶状を見せながら)【工事の概要】【工程】となっております。工事期間中騒音や車の通行など、なにかとご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。何かございましたら、こちらに記載しております【連絡先】にお問合せください」
施主「工事期間中はご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。それから、小さな子どもがおりまして、いろいろとお騒がせすることもあるかと思いますが、重ねてお願いいたします。(手土産を差し出して)つまらないものですが、ご挨拶の印にお受け取りください」
施主が伝えなければならないこと
施工主が伝えなければならないこと
留守の手紙
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■施主からの挨拶状
〇〇様(表札などからもお名前がわからない場合は、近隣の皆様へ、とします)
このたび【住所】に家を新築することになりました【名字】と申します。
本日地鎮祭を済ませ、平成XX年XX月より平成XX年XX月までの間、新築工事を行います。工事期間中、○○様にはご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
工事開始に先立ちましてご挨拶にお伺い致しましたが、お留守のようでお会いする事が叶いませんでした。甚だ失礼とは存じますが、書中にてご挨拶申し上げる次第でございます。
完成後には改めてご挨拶にお伺いいたします。宜しくお願い申し上げます。
平成XX年XX月XX日
施主 【氏名】
連絡先 【電話番号】(あるいは 「ご連絡いただく際は、工事概要の看板の連絡先に
ご連絡いただけると幸いです」)
■施工主からの工事着工の挨拶状
工事着工のご挨拶
このたび、【施主】様からご新築のご下令を賜り、XX年XX月XX日から着工の運びとなりましたので、ご挨拶にお伺いいたしました。工事期間中は細心の注意を払い、安全を最優先に心掛けますが、騒音やホコリ、工事関係車両などご迷惑をおかけする場合もあろうかと思います。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご協力お願いいたします。また都合により日・祝日にも作業を行う場合がありますが、重ねてよろしくお願い申し上げます。
※お留守の場合この書面でのご挨拶にさせて頂いておりますので、何かご質問等ありましたらお手数ですが下記の担当者までご連絡下さいます様お願い申し上げます。
・基礎着工予定日 平成XX年XX月XX日から約XXヶ月間
・棟上げ予定日 平成XX年XX月中旬頃
【社名】
【電話番号】
【現場担当者名】
地鎮祭の挨拶回りの品物
粗品
また施工主側が「粗品」を用意してくれる場合もあります。粗品の中身は、大抵の場合、白地に施工会社名が入っているタオルか、名入れ無しの白タオルです。
手土産
お菓子
具体的には煎餅・焼き菓子類が無難といわれています。少量でも価値が伝わりやすい有名ブランドの商品や、煎餅でもコーヒー・紅茶にも合うおしゃれなデザインのものがどのような方にも喜ばれるでしょう。例えば、坂角総本舗のゆかり、赤坂柿山の慶長、麻布かりんとの詰め合わせ、菊廼舎の富貴寄、シェ・リュイのプティ・フール・セックなどがおすすめです。
地鎮祭の挨拶回りの範囲
最近では施工主側から「こちらで対応するので同行しないでよい」と言われることもあるようですが、新築の場合は最初のご近所づきあいとなるので、挨拶には施主が同行するのが望ましいです。事前にどのような人が住んでいるのかを知る手がかりともなり、施主側にも大きなメリットがあります。
建替の場合はご近所の顔をすでに知っていることも多いですが、新築以上に挨拶は重要です。ただし、地鎮祭後よりも前、解体工事前の挨拶がおすすめです。解体工事では、大きな音や振動、ホコリなどが発生し、洗濯物を外で干せなくなる、車にホコリがつく、家族に喘息の人がいた場合にご迷惑をおかけする可能性がある、など様々なトラブルの原因が考えられます。最低でも解体日程の連絡は事前に行います。
集合住宅では原則的に住民が地鎮祭に参加することはなく、地鎮祭後の挨拶を考える必要はありません。一方で中古で購入した人が入居前に改築をする、老朽化に伴いリフォームをする、といったような場合に類似の挨拶が必要です。特に壁抜きや床の張替えなどがある場合は大きな音がしてトラブルの要因になりますので、管理組合、両隣、音が響きやすい上下階にご挨拶をしておきます。
地鎮祭後の挨拶回りはご近所トラブル回避に役立ちます
挨拶回りの際には、施工主・工事担当者とともに「向こう三軒両隣+裏側」を基本に工事・その後の生活でご迷惑をおかけしそうなお宅に伺い、工事スケジュール、連絡先などを告げ、工事中の迷惑を詫びます。不在宅には再度訪問する、施工主に再訪を依頼する、手土産を添えて手紙を置いてくる、のいずれかとします。再訪が必要なお宅がわからなくならないようメモを持参します。
持参する手土産には「御挨拶」または「粗品」の表書き・蝶結びの水引ののしをかけます。手土産は生ものを避けたほうがいいでしょう。
誠意をもって丁寧な挨拶回りをしておけば、その後のトラブルの回避にもつながります。