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「言われた」の敬語表現での使い方とは|例文や注意点についても解説

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上司への報告や目上の人との会話など、言葉遣いに気を付ける必要のある場面で「言われた」と表現したい時、どのような敬語を使うのがふさわしいのかよくわからないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、「言われた」が持つ複数の意味や使い方について、例文を交えて解説します。

また、「言われた」を類似する別の言葉に置き換えて敬語表現にする方法や間違えがちな言い方、注意したいポイントなども具体的に紹介しますので、この記事を読めば「言われた」の敬語表現を適切に使えるようになるでしょう。

「言われた」の敬語表現はビジネスシーンでもよく使われる言葉です。正しい敬語表現をマスターしたい人は、ぜひこの記事を読んでみてください。

「言われた」の意味

「言われた」という言葉は、「誰それが言われた」という尊敬の意を表す表現と、「誰それに言われた」という受け身を表す表現の、二通りの意味に受け取ることができます。

ここで、学校で習ったことをおさらいしてみましょう。「言われた」という言葉を品詞分解すると、「言わ/れ/た」と分けられます。

  • 「言わ」:動詞「言う」の未然形
  • 「れ」:助動詞「れる」の連用形
  • 「た」:過去の終助詞
このように、尊敬と受け身の両方の使い方ができる助動詞「れる」が入っているため、「言われた」は二重の意味合いを持つ言葉となっているのです。

「言われた」の敬語表現での使い方・例文

「言われた」は、主語や意味合いによって敬語表現の加え方が異なります。

ここからは、4つのケースに分けて使い方と例文を紹介します。「言われた」をどのように変化させると相手や場面に合った敬語表現になるのか、チェックしてみてください。

受動形で使われる場合

自分が相手から何かを言われた受け手である場合、「聞く」の敬語表現を使うことで適切に表現することができます。

受け手が主語となり、目上の人や上司などから言われたことを表す時は、「聞く」の敬語表現である「承る」や「伺う」を使いましょう。

例文
  • 「A部長から、E社への営業経過、進捗を報告するように承りました」
  • 「E社のD部長から次年度の●●に関するコンペが予定されていると伺いました」
なお、「了解した」という意味合いも含むなら、「了承しました」というのも可能です。

能動形で使われる場合

相手を主語とした能動形の文脈で「言われた」を使うと、こちらは尊敬の表現として使ったつもりでも相手に受け身表現と誤解され、失礼な言い方だと受け取られてしまう可能性があります。

能動形の文脈で使う時は、「言われた」の「言う」を適切な敬語に換えて相手への敬意をしっかり伝えましょう。

「言う」の敬語表現には、尊敬語の「おっしゃる」があります。能動文で相手が話したことを表現する場合は、シンプルに「おっしゃった」や「おっしゃいました」を使うと良いでしょう。

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例文
  • 「A部長が、E社への営業を積極的に行うよう、私におっしゃいました」
  • 「E社のD部長が次年度の●●に関してのコンペに参加するようおっしゃいました」

命令の意味で使われる場合

「言われた」を、何かを指示されたというような命令の意味合いで使うこともあるでしょう。その場合は、命令を表す表現の「言い付ける」を活用します。

主語が命令者の時は「言い付ける」の敬語表現として、尊敬語の「仰せ付ける」を使います。一方、命令を受けた人が主語の時は、受け身の表現である「言い付かる」の敬語表現「仰せ付かる」を使ってください。

例文
  • 「D部長は、また新たにご用命を仰せ付けくださいました」
  • 「D部長より仰せ付かったご用命に関して、ご報告があります」
少し構えた態度のような印象を受けるかも知れませんが、ビジネスシーンでは使いやすい表現です。「言い付け」「申し付け」「仰せ付け」と名詞のまま応用しても良いでしょう。

指摘の意味で使われる場合

「言われた」は、指摘されたという意味で用いると、相手に対して反発の気持ちをもっているかのような印象を与えてしまうことがあります。

誤解を招かないためにも、指摘の意味で使う場合は否定的なニュアンスを含まない「指摘する」に言い換えた上で、適切な敬語に変換しましょう。

「れる/られる」「お・ご~になる」といった尊敬語を付けて、「ご指摘された」「ご指摘になる」などとすると相手を立てる敬語表現になります。

また、受動の文では「ご指摘いただく」という表現が使いやすいでしょう。相手に言われた通りに対応した、という報告も丁寧な言い回しにできます。

例文
  • 「ご指摘いただいた通りに資料を修正し、あらためてお送りいたしました」

「言われた」を敬語表現で使う時の注意点

「言われた」を使う時は、それが尊敬語なのか受け身の表現なのかを区別し、シーンに合わせて敬語表現を織り交ぜたり類語に置き換えたりして、適切な表現にする必要があります。

ここからは「言われた」の敬語表現を使用する上で気を付けたいポイントを5つ紹介します。間違った表現や印象を悪くする言い方にならないように注意して使いましょう。

二重敬語に注意する

「言われた」をより丁寧に表現しようとして、「おっしゃられた」という言い方をしたことのある人はいませんか?

「おっしゃられる」は二重敬語であり、正しい敬語表現とは言えません。

二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を二重に使ってしまうことです。「おっしゃられる」は、「お・ご~になる」という尊敬語が入っているにもかからわず、同じ尊敬語の「れる」も重ねて使われているため二重敬語になります。

「言う」を敬語で表現したい時は、シンプルに「おっしゃる」を使いましょう。

敬語の区分と助動詞の用法を間違えない

「言われた(言われる)」には助動詞「れる・られる」が入っています。この助動詞の用法は混同されやすいため、間違えないように注意しましょう。

尊敬の意味で使う「れる・られる」は、敬語の区分でいうと尊敬語にあたり、「言われる」はそのままで敬語として成立します。

一方、受け身の意味で「れる・られる」を用いると「言われる」は単に受動の行為を表す言葉になるため、目上の人にはそのまま使うことはできず、敬語表現をプラスして使用する必要があるのです。

尊敬なのか受け身なのか、用法をしっかり区別して使用することも大切ですが、「言われた」は紛らわしい表現になりがちなため、普段から「おっしゃった」などの表現に置き換えて使う習慣を付けておくと良いでしょう。

受け身の場合は尊敬語にはならない

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受け身の表現は、他者から何かしらの動作を受けることを表すものです。

「○○さんから(私が)言われた」のように相手から何かをされた受け手が主語となるため、そのままでは尊敬語にはなりません。受け身で使う場合には敬語表現を加える必要があることを忘れないようにしましょう。

日本語では主語を省略する言い方が珍しくないため、受け身かどうかわからない時は、主語が誰に当たるのかを意識してみると判断しやすくなります。

受け身で使うと印象が悪くなる

「言われた」を受け身表現として使うことは用法的には間違いではありません。しかし、使い方によっては自分の印象を悪くしてしまう可能性があることに注意しましょう。

例えば、誰かからの言葉や指示を受けて何か行ったことを報告する時、「○○さんから言われたから●●しました」というような表現を多用すると、自発性に乏しい印象を与えてしまうことがあります。

また、「~された」という受け身の表現は、相手がしたことに対して何らかの不快な気持ちや被害者意識を感じた時に使われることもあるため、ビジネスの場で使うと相手に誤解されマイナスイメージを抱かせてしまう場合があるでしょう。

ビジネスシーンでは言い換えるのが賢明

仕事の報告や会議、メールや電話など、「言われた」という言葉を使用したくなる場面はよくあります。しかし、前述の通り、この「言われた」という言葉には、尊敬の意にも受け身の表現にも受け取れる曖昧さがあるため、使い方が非常に厄介です。

特にビジネスシーンにおいては、誤解を生むような表現は避けた方が無難でしょう。相手から言われたことを「言われた」とそのまま表現するのではなく、別の言葉に言い換えるのが賢明です。

例えば、「指摘された」「要望があった」「依頼された」など、より具体的な言葉にすると伝わりやすくなります。そして相手を立てる敬語表現を加えて「ご指摘いただいた」「ご依頼を受けた」などとすることで、相手に対する敬意を示すことを忘れないようにしましょう。

「言われた」の敬語としての使い方を理解して正しく使おう

上司へ報告する場面など、ビジネスシーンにおいて「言われた」の敬語表現を使うことはよくあります。

「言われた」や「言われました」をそのまま使うと、敬語なのか単なる受け身の表現なのかが曖昧になってしまい、意味が正しく伝わらなかったり、敬語が正しく使えない人だと誤解されたりする可能性があります。

過剰に格式張った言い方にする必要はありませんが、「言われた」を正しい敬語で彩って報告してみることで、相手に良い印象を与えることができるでしょう。

「言われた」の敬語表現の使い方をマスターして、目上の人との会話やビジネスの場でぜひ活用してみてください。

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