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「ご請求」の使い方
「ご請求」の意味
ここでは、金銭の支払いや物品の受け渡しの方の「請求」にスポットを当てます。名詞の前に「ご」や「お」を付けると相手に敬意を表せますが、「請求」は尊敬すべき相手ではありません。丁寧に上品に言い表すことはできるので、こちらの意味でしょう。
語法的には合っていますが「請求」自体が相手に支払わせる行為なので、上品というには違和感があります。「ご請求」の前後の文によっても意味が変わってきます。マナーとして「ご」や「お」を正しく付けて失礼のないようにしましょう。
ご請求の例文
「代金をご請求いただかなくても、もうすでに振り込んであります。」
「ご請求先の住所を教えてください」
「タダでいいですよ」「いえ、ご請求なさってください」
「こちらにご請求ください」
「ご請求内容のご確認をお願いいたします」
「ご請求」の敬語
ご請求
「弊社がご請求した費用の明細を見てください」この文は自分の行動に「ご」を付けているので不自然です。「弊社」は自分の会社つまり自分のことであり、自分の行動を敬って「ご」を付けてしまうのは相手に失礼です。マナーを疑われます。
「御社がご請求する金額はこちらですか」この文は相手の行動を敬い「ご」を付けているので敬語として成り立ちます。同じ使い方の文も見てみましょう。「ご注文ありがとうございます」「ご旅行はいかがでしたか」相手に敬意が払われていて会話もスムーズです。
「ご請求」の謙譲語
行為が自分の側にあり行為の及ぶ相手がいる場合、相手を立てて自分より上位に置くことで相手を敬うことができます。「請求」するのは自分であるため、この表現が成り立ちます。文の形としては「ご~する」「お~する」になります。
同じ使い方の文を見てみましょう「こちらにご案内します」「ご連絡いたします」どちらも行為は自分の側にあり、相手にへりくだって言うことで敬意を表すことができています。
後半の謙譲語「申し上げます」に対して「いたします」はどうでしょうか。「いたします」は「する」の謙譲語のため間違ってはいません。外部の人にかしこまって言うなら「ご請求申し上げます」の方が丁寧で良いでしょう。
ご請求書
「ご」を付けるのはおかしい?
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謙譲語だから「ご」を付けてOK?
美化語だから「ご」を付けてOK?
請求される側にとって、支払うという行為は良いものではありません。「ご」が付いていることで請求者の配慮を感じます。ですが「ご」を付けても付けなくても、どちらでも良いでしょう。捉え方によってどれも考えられます。
ご請求金額
「ご請求金額」の「金額」ついて見てみましょう。「請求金額」は値引きや消費税、送料などを足したり引いたりして最終的に出された金額であり、実際に支払ってもらう金額を指します。
「ご請求金額」は支払う側にとっては重要な項目であるため、請求書では目立つように大きく書かれていたり、明細の後の一番下に書かれています。
ご請求額
「額」は「全額」「半額」「差額」など1文字付くだけで意味が違ってくるので「ご請求金額」とはっきり書きましょう。会話では「ご請求額」で通じますが正式な書類では避けてください。
ご請求先
請求する側からお客さんのことを「ご請求先」と呼ぶのであって、間違っても自分で自分の側を「ご請求元」と「ご」を付けて言わないようにしましょう。
ご請求ください
「請求」の頭に「ご」を付け、「ください」を続けて付けることで相手への要望を表現することができます。形は「ご~ください」「お~ください」となります。同じ使い方では「ご覧ください」「ご連絡ください」「ご準備ください」となります。
「ご請求」と「御請求」
日常では「御」は画数も多くどこか仰々しいので、やわらかい印象の「ご」や「お」を使う人もいます。会社では「ご」や「お」の方が読みやすく、丁寧語としてくっ付いているだけなので特に問題はありませんが、正式な文書では「御」を使った方が良いでしょう。