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「おかげで」の敬語表現
この「おかげで」という言葉の敬語表現には実にいろいろな言い方がありますが、多くは「おかげさまで」や「ご尽力の陰で」などと、その言葉の表現そのものを変えた上で表現される「言い換え表現」によって相手への敬意として認められます。
「おかげで」という言葉そのものを敬語表現に置き換えようとしてもむずかしいため、その文章や口語表現における「おかげで」という言葉に「敬意を示す言葉や表現」をつけ添える形で相手に伝え、「自分は自力ではなく他力によって守られた・助けられた」という意思表明をします。
「おかげで」の敬語での使い方
・あなたさまのご尽力の陰で、わたくしどもの会社は経営難を免れました。
・この度は精力的なご支援のおかげで、わたくしどもの会社経営も安泰いたしました。
・彼のおかげで、今のわたしの生活が成り立っております。
・おかげさまで、毎日を精一杯に暮らすことができております。
このように「おかげで」という言葉はそのまま使う場合でも、その文脈全体を敬語表現として形容する際には一般的に敬語として認められます。
敬語の種類
尊敬語は「目上の相手への敬意を示す、主にビジネス上では一般的に多く認められる敬語表現」で、謙譲語は「相手と自分の立場や関係性を問わず、話者が自発的に立場や姿勢を低めて相手への敬意を示す敬語表現」として認められます。
そして丁寧語は「不特定多数に公示する丁寧な言葉遣いによる敬語表現」で、尊敬語や謙譲語を使う際にも、そのどちらの表現でも認められるポピュラーな敬語表現としてあります。「です・ます調」の表現がとくに有名でしょうか。
「おかげで」は基本的に謙譲語表現
「おかげで」という言葉そのものが、すでに自分の実力を謙遜して言う表現となっていて、そのためこの「おかげで」という言葉はビジネス・日常生活を問わずに、多岐に渡る場面において使用されています。
「おかげで」の漢字表記と詳細な意味
「御陰で」という言葉の基本的な意味合いには「他から受ける力や影響を、自分のための力に変えて成功に導く」という表現があり、この意味合いでは「(寄らば)大樹の陰」などの言葉に認められる「助力される・恩恵を受ける」という背景が強まります。
上記の「影響力」という意味合いを引き合いにして一般的な表現では、「○○のおかげで△△になってしまった」などと「迷惑を受ける表現」にも転用して使われることがあり、両者の意味合いの違いはその文脈や内容の背景によって見定めなければなりません。
メールでの「おかげで」の使い方
・先日は○○さまのおかげにより、大変なご成功を収めさせていただくことができました。
・おかげさまで、わたくしどもの事業も安泰です。
・貴社さまのご尽力の陰によりまして、誠に感謝申し上げる所存にございます。
・ご進展の陰におきまして、弊社ともども常々よりご繁栄をお慶び申し上げます。
このように少々お堅い内容の敬語表現になりますが、「おかげで」という言葉は「○○の陰で」や「○○のお力添えによりまして」などといった別の表現によっても、相手へきちんと敬意を示せる敬語表現として認められます。
上司や目上の人への使い方
・この度はおかげさまで、わたしにとっても大変貴重な経験とすることができました。
・○○さまのご支援のほどを、誠に感謝申し上げます(ご支援のおかげで)。
・○○さまのご尽力によりまして、わたくしどもの今後の成長へつなげることができました。
このように上司に対する敬意を念頭に置き、「おかげで」という言葉をそのまま使うか、または別の言葉に置き換えて表現する場合でも一般的な敬語表現として認められます。
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書き言葉での使い方
この場合でも、基本的にこれまでお伝えしました「おかげで」の敬語表現でかまいません。「おかげで」をそのまま使うか、「おかげさまで」や別の言葉に置き換える表現で相手への敬意を示して下さい。
・○○さまのご尽力によりまして、この度は大変感謝しております。
・おかげさまで、何事もなく過ごすことができました。
・○○さまのご支援のおかげで、わたくしどもの生活もようやく安泰いたしました。
「おかげで」を敬語表現するときの例文
・○○さまのご支援の賜物によりまして、わたくしどもの会社の運営も繁栄を遂げることができました。
・弊社の成功は、貴社さまの寛大なるご助力による賜物であると自負しております。
・おかげさまで、わたしどもの息子もようやく受験を終えることができました。
・○○企画さまのおかげによりまして、この度の進展を果たすことができました。
・寛容なるご助力と、常日頃より承りましたご高配を持ちまして、わたくしどもの会社運営もようやく羽を広げることができました。
・彼のおかげで、わたしの生活も安泰しました。大変、感謝いたしております。
「おかげで」を別の敬語表現に置き換えておき、文中でさらに相手への敬意を示す敬語を含めておくことで、一般的に認められる立派な敬語表現になります。
おかげさまでなど
「陰」という言葉の意味
この「陰」という言葉には「○○の後に続く」という尊敬の念も込められてあり、「わたしもあなたの後ろをついて行き、あなたのされることに習って成功を収めます」といった尊敬と謙譲の2つの意味合いと姿勢が認められます。
「おかげで」の別のお礼の意味の敬語表現例・類義語
・○○さまのご尽力をお受けいたしまして、誠に感謝申し上げます。
・○○企画さまのご支援の下(もと)、わたくしどもの会社も発展を期させていただきます。
・貴社さまのご発展の賜物をいただきまして、誠に感謝申し上げます。
・あなたさまのお力添えによりまして、わたしどもの成長につなげることができました。
・貴社さまのご助力をもちまして、わが社の進展へとつなげたいと考えております。
・○○さまのご助言をいただき、今後の発展へとつなげてまいります。
・度重なるご配慮の下、誠に感謝申し上げます。
このように「おかげで」という言葉は「○○から得た力・影響・配慮・助言・支援」などの意味合いをもって表現されるため、その言い換えの言葉には実に多く認められます。
「おかげで」の英語表記の意味
「おかげで」の英語表現と意味(1)
・Thanks to get precious information, we could have been helped.
「貴重な情報を譲渡していただいたおかげで助けられました。」
・He had been helped by making circle which was due to advise.
「ご助言の賜物とする環境のおかげで、彼は助けられました。」
・Thanks for your cooperation, so our business was succeeded.
「ご協力のおかげで、わが社も成功を収めることができました。」
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「おかげで」の英語表現と意味(2)
・They had been lost success because of uneven circumstance.
「バランスを崩したおかげで、彼らは成功しませんでした。」
・This certificate will be authorized thanks to the permission of the specific agency.
「この証書は特定機関の許可のおかげで認可されることになります。」
・Thanks to the special lodging, our lives have been restored.
「特別なご高配のおかげで、生活が安泰いたしました。」
「おかげで」の正確な意味と敬語表現の用例をマスターしましょう
「おかげで」という言葉やその敬語表現は、主にビジネス用語として認められますが、日常でも対話する際にはかなり多くの場面で使われている日常用語としても認められます。それほど多くの場面で使われている「おかげで」という言葉だからこそ、その正確な意味合いや用法を把握しておく必要があります。
日本語をはじめ言葉というのは、何度も実際に使っていくことによって自然と身についていきます。その実践的な学習を日頃からしておくことで、「おかげで」の正しい敬語表現も自然とできるようになるでしょう。