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敬語「ご案内」の意味
①道順やその場所について知らない人を導いて教えてあげること
②その場所を知らない人に説明して見せて回ること
③物事の詳細や様子を知らせること
④取り次ぐこと
⑤内部の様子を知っていること
⑥客を招待すること
⑦文書の内容、官庁で書き写したもの
⑧内容や事情を尋ねること、明らかにすること
「ご案内」と「御案内」の違い
しかし、これは公用文であり一般的な文書では「ご」でも問題はないとの見方もあります。より正式な文書では「御案内」にされた方が良いケースもあります。
敬語「ご案内」の使い方
敬語の種類
尊敬語は聞き手や話題の人物の行為などについて高める効果のある敬語です。話し手よりも話題の人物の行為などが上位であるときに使われます。
謙譲語は自分をへりくだって言うことで相手を高める効果のある敬語です。主に行為の主体が話し手で、聞き手が行為の客体である場合に使われます。
丁寧語は「です」「ます」「ございます」を付けて丁寧な表現をすることで相手を敬うことができる、わかりやすく使いやすい敬語です。
使い方
案内する側
基本的な謙譲語の表現では「ご案内します」もう少しへりくだると「ご案内いたします」の敬語になります。さらに文書やフォーマルな言い方は「ご案内申し上げます」を使います。
「ご案内させていただく」はシーンにより使えますが、謙遜し過ぎてかえって失礼な印象を与えてしまうこともあります。
案内される側
相手に視点を置いた尊敬語の表現では「ご案内くださる」となり、自分に視点を置いた敬語は「ご案内いただく」になります。
離れた位置から
メールでの使い方
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タイトルでの「ご案内」
文中での「ご案内」
謙譲語を使うときに、さらに改まった文面にしたいときは「ご案内申し上げます」と書くと格好が付きます。
敬語「ご案内」の例文
ご案内する
さらに丁寧語の「ます」を付けると「ご案内します」になります。自分が案内することをへりくだって言うことで相手の位置を高められます。
「ご案内します」を使った例文は次のようになります。
「美術館までの行き方をご案内します」
「システムのご利用方法をご案内します」
ご案内いたす
例文は次のようになります。
「手続き方法をご案内いたします」
「弊社の山田が、お客様をご案内いたします」
ご案内申し上げる
非常に丁寧ですが仰々しい印象もあります。日常でそこまで相手に言うのは違和感があります。ビジネスやフォーマルなシーン、目上の人への手紙などで使うのが相応しいでしょう。
例文は次のようになります。
「年末年始の営業についてご案内申し上げます」
「新春フェアにご案内申し上げます」
ご案内いただく
行為の主体は相手にあり、「案内」に「ご」を付けて「ご案内」の尊敬語の表現を前半部分でしています。後半に「いただく」の謙譲語を付けることで、相手に案内してもらうことによって恩恵を受ける自分をへりくだっています。「自分側」からの視点で表現した敬語です。
例文は次のようになります。
「お忙しいところご案内いただきまして申し訳ありませんでした」
「会議室までご案内いただけますか」
ご案内させていただく
「させていただく」の表現は一般的な謙譲語としては仰々しく過剰な敬語表現になります。普通の謙譲語は「ご案内します」「ご案内いたします」で充分です。丁寧過ぎる敬語表現は、かえって相手を不快にし失礼に当たることもあります。
相手側に無理を言って案内させてもらう場合には、相手に対し恐縮して「ご案内させていただきます」の使い方はできます。
例文は次のようになります。
「お時間がない中恐縮ですが、簡単にご案内させていただきます」
「まだ未完成でご迷惑をおかけしていますが、途中までご案内させていただきます」
ご案内くださる
例えば、事前に案内をお願いして引き受けてくれていた場合は「ご案内いただいた」が相応しい敬語です。案内をお願いしていないのに、相手側の厚意で案内してくれた場合は「ご案内くださった」が相応しい言い方でしょう。相手主体の行為であっても謙遜して「ご案内いただいた」の言い方もします。
「いただく」はしてもらった自分に視点を置き、「くださる」はしてくれた相手に視点が置かれます。
例文を見てみましょう。
「丁寧にご案内くださいましてありがとうございました」
「学校の様子をご案内くださりありがとうございました」
「ご案内」の別の敬語表現
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ご招待
「展示会にご招待くださりありがとうございます」
「パーティーにご招待いたします、ぜひお越しください」
ご紹介
「私の町の図書館をご紹介します」
「新校舎をご紹介します」
「ご案内」は正しい敬語なのか
例えば「ご案内するので、こっちに来るように」の文では「ご案内」だけが敬語でおかしな言い方になっています。「ご案内いたしますので、こちらへお越しください」のように全体を敬語に変換します。
文書で「○○のご案内」とする場合は、「ご」を付けているため敬語として丁寧な文になっています。当たり前のように「○○のご案内」は使われていますが、案内をする側が「ご案内」と書くのは、謙譲語が付属していないと違和感があります。案内するときの決まった型として捉えた方が良いでしょう。