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「務める」の敬語表現・務めるの使い方と例文・別の敬語表現例

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「務める」の意味は?

「務める」は「つとめる」と読みます。「つとめる」と読む漢字は、他にも「努める」「勤める」「勉める」など、同じ読み方でも使われる漢字が異なる言葉があります。実はこれらは漢字によって意味が違います。

本題である「務める」の意味は、「役割や任務、職務などを引き受けたことに対して力を出すこと」を表しています。「親の務め」「部長を務める」「リーダーを務める」「司会を務める」など、引き受けた役割、役職を頑張ること、責任を果たすことを意味します。

つまり、「務める」は「職務をまっとうする」ということだと覚えておいてください。「務める」の「務」は、「職務」の「務」だと捉えれば覚えやすいです。

「務める」と「勤める」の違いは?

上述したように、「務める」は「役職につく、役目を果たす」という意味になりますが、同じ読み方で漢字が違う「勤める」はどのような意味になるのでしょうか。「勤める」は「会社に勤務すること」です。その他には「仏道に励む」という意味でも使われています。

つまり、「勤める」とは「職場に勤務する」「会社に所属する」など、「職に就く」ことを意味しています。「務める」の方は「ある役割を受ける」ということですので、「務める」と「勤める」では意味が大きく異なります。

「務める」と「働く」の違いは?

では「働く」の意味はなんでしょうか。「働く」とは「仕事をすること」ではありますが、大きな意味で捉えると、「ある目的のために、それを達成するために行なう行為・作用すること」です。

したがって、「働く」は「目的達成のために動いていること」で、「務める」は「役割を引き受けること」です。「働く」は「動いていること」そのものを表すのに対し、「務める」は「役職に就いていること」を重点とした語り方になります。このように少しニュアンスが異なりますので、ご注意ください。

まずは敬語について復習しよう!

この記事では「務める」の敬語表現についてご説明していますが、その前にまずは敬語の基本的な内容についてお話します。基礎の部分が分かってないと応用ができなくなりますので、これを機に「正しい敬語」について理解を深めていきましょう。

学校で習った内容なので、すでにご存知の方もいるかも知れませんが、復習がてら目をお通しください。

敬語は大きく分けて3種類!

まず、敬語には3種類に分けられます。大きく分けて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つです。

「尊敬語」は相手を敬う表現のもので、目上の方の動作を表す際に用いられます。一方、「謙譲語」は自分を下にして間接的に相手を高める言い方をする敬語で、主に自分や身内の動作を表す際に用いられます。

その他にも、目上の方に対して述べる際に使われたり、(聞き手)読み手に敬意を表したい場合にも謙譲語が使われます。そして、「丁寧語」は文末に「です」や「ます」がついた一番馴染みのある敬語です。

この「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」には使い方や表現の仕方など、それぞれのルールがあります。このルールが守れてないと、正しい敬語表現になりませんので、しっかりルールを覚えてください。

尊敬語のルール!

上述したように、「尊敬語」は目上の方の動作を表す場合に使われる敬語です。なので、目下の人の動作の場合には「尊敬語」は使えません。

尊敬語で表現するには、「型に当てはめるもの」と「決まった言い回しのもの」の2つのタイプがあり、「お(ご)~なる」が尊敬語の「型」です。例を挙げると、「お越しになる」「ご覧になる」などと表現できます。その他にも「料理をなさる」「ピアノをされる」など、「~(さ)れる」「なさる」を用いても尊敬語の表現になります。

「決まった言い回しのもの」に関しては、覚えるしかありません。「言う」が「おっしゃる」、「来る」が「いらっしゃる」、「食べる」が「召し上がる」など、元の語の原形をとどめていない尊敬語表現はいくつかあります。数はそこまで多くはないので、これを機にぜひ覚えてみてください。

謙譲語のルール!

「謙譲語」は自分を下に置くへりくだった表現の敬語で、主に自分や身内の動作について、目上の人に向けて述べる際に用いられます。この他にも「バスが参りました」のように、話を聞いてる人(読んでる人)に敬意を表す場合にも謙譲語が使われます。

謙譲語で表すには尊敬語と同様に、「型に当てはめるタイプ」と「決まった言い回しのタイプ」の2種類があります。謙譲語の「型」は尊敬語と少し違って「お(ご)~する」で表現します。たとえば、「お伝えする」「ご連絡する」などが挙げられます。この「型に当てはめるタイプ」は、目上の人に対して述べる場合にしか使えません。目下の人に向けて使わないようにしてください。

一方、「決まった言い回しのタイプ」には「参る」「伺う」「申す」などがあり、これも尊敬語と同様、覚えてしまうしかありません。数もそんなに多くはないので、身構えなくても大丈夫です。頑張って覚えてしまいましょう。

丁寧語のルール!

丁寧語は一番馴染みのある敬語かも知れません。文末に「です」や「ます」「ございます」が付け加えられたものになります。例をあげると、「こっちです」「あそこにペンがあります」「おはようございます」などが挙げられます。

基本的には、丁寧語は誰に対して使っても問題はありません。が、ビジネスシーンにおいては、丁寧語より尊敬語や謙譲語で表現するのが好まれます。なので、文法的にも、使い方のルールとしても間違ってはいなくても、ビジネスシーンでは尊敬語か謙譲語で表現できない場合にだけ丁寧語を用いるようにしましょう。

「務める」の敬語表現はどうすればいい?

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では、本題の「務める」の敬語表現についてご説明します。

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があり、それぞれの表現方法が異なりますので、3つに分類してご説明します。

尊敬語だと「お務めになる」

尊敬語で表したい場合には「お務めになる」と表現します。これは尊敬語の「型」である「お(ご)~なる」に「務める」を当てはめたもので、表現方法としては分かりやすいでしょう。

上述したように、尊敬語は目上の方の動作にしか使えません。「お務めになる」という主語のない文章を見ただけで、「自分より立場が上の人が何かの職務を引き受けたんだな、その職務を頑張るんだな」ということが伺えます。

ですので、この尊敬語は「目上の方」が務める場合にのみ使える敬語なので、「目下の人」が務める場合には使わないように注意してください。

謙譲語は「務めさせていただく」「務めております」

「務める」を謙譲語で表現する場合、「お(ご)~する」の「型」には当てはめません。当てはめてみてもいいですが、「お務めする」というちょっと違和感のある文章ができてしまいました。

そもそも「お(ご)~する」というのは、動作の向かう先が目上の人の場合に用いられます。「お伝えする」「ご連絡する」のように、「伝える」「連絡する」などの「誰に○○する」という「行為をする先」に「誰か」がいる場合に使えるのが「お(ご)~する」の「型」です。

ですが、「務める」に関しては「(誰が)○○を務める」と、ただその人の状況を述べてるだけに過ぎません。「務める」という動作の先に「人」がいないので、「型」に当てはめることができません。

「務める」に限らず、このような「型」に当てはめられない場合、「~させていただく」を使って表現します。

「~させていただく」の使い方に要注意!

「務める」を謙譲語で表現すると「務めさせていただく(いただきます)」ですが、この「~させていただく」の表現は使い方が少し限定されますのでご注意ください。

「~させていただく」は「~させてもらう」を謙譲語で表現したものになります。「させて」の部分に「相手に許可を求める」意が含まれており、そのことで恩恵を受ける場合に使われます。「早退させていただけますか」が良い例で、これは「相手に許可を求めること」と「恩恵を受ける」の両方を満たしています。

また、「はい、喜んで参加させていただきます」や「病院に行きたいので遅刻させていただけますか」などのように相手に許可を受けた場合や、相手から許可を受けたい場合にも「~させていただく」が使えます。

以上のことから、「務める」に限らず、相手に許可を求める必要がない場合などは「~させていただく」の表現は不適切なのでご注意ください。

許可を表さない場合は「務めております」

たとえば、自分の役職を述べる際に「務める」を使って表現することがあります。この場合には「務めております」と表現しましょう。「おります」は、「いる」の謙譲語「おる」と丁寧語の「ます」が組み合わさってるものなので、正しい敬語表現です。

自分の役職を述べる際に「部長を務めさせていただきます(いただいております)」と表現するのは不適切です。役職を述べるているだけなので、相手の許可は必要ありません。このような場合には「部長を務めております田中です」などと表現しましょう。

上述したように、相手に許可を求める、許可を受けたい・受けた時だけ「させていただく」と表現します。

ですので、このような役職を述べるだけで「許可」が必要ない場面においては「務めさせていただく(いただいている)」ではなく「務めております」と表現しましょう。

丁寧語だと「務めます」

「務める」の丁寧語は、文末に「ます」を付け加えたらいいだけなので「務めます」になります。過去形なら「務めました」です。

「務める」の敬語の使い方は?

「務める」の敬語表現は、尊敬語だと「お務めになる」、謙譲語だと「務めさせていただく(いただきます)」、丁寧語は「務めます」だと説明しました。

では、この敬語表現をどのように使ったらいいのか、使い方について詳しくお話します。

基本的な使い方のポイント!

「務める」に限った話ではありませんが、使い方のポイントは、目上の動作を表す場合には尊敬語で、自分(身内)の動作について目上の方に向けて発言する場合には謙譲語を使います。

つまり、上司やお客さまなどが「務める」場合には「お務めになる」、部下や同僚が「務める」ことを先輩や上司に対して述べる場合には「務めさせていただく(いただきます)」「務めております」を用います。

丁寧語の「務めます」は誰に対して使っても基本的には問題ありませんが、ビジネスシーンにおいては目下の人に向けて使いましょう。

ビジネスシーンではできるだけ尊敬語と謙譲語で!

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「丁寧語のルール」でも述べましたが、ビジネスシーンにおいては、上司などの目上の方に向けて丁寧語で述べるのは極力控えましょう。丁寧語だけで話ししてしまうと、「上司に向かってなんて口を聞くんだ」と不快に感じる方もいますので、尊敬語や謙譲語で述べることを心がけてください。

中には尊敬語でも謙譲語でも表現できない語もあります。また、年齢が近い親しい先輩などには、かしこまった表現より丁寧語の方が親しみがあるでしょう。こういう場合にのみ丁寧語を用いるようにしてください。

上司やあまり交流のない先輩などには、できる限り尊敬語か謙譲語で表現し、そのどちらにも該当する語がない場合にのみ丁寧語を使うようにした方が無難です。

メールでの使い方は?

メールに限らず、文字に起こす書面などに関しては、堅苦しい表現やかしこまった言い回しの方が好まれます。ですので、できる限り尊敬語か謙譲語で表現するようにしましょう。

「務める」の敬語は、メールにおいても基本的な使い方は同じです。上述しましたが、目上の方が何かを「務める」ことを表したいなら尊敬語で、自分や身内が「務める」行為をするなら謙譲語で表します。

ですので、メールなどの書面においても、上司やお客さまの動作なら「お務めになる」、自分や身内が動作することを目上の人に向かって述べるなら「務めさせていただく」「務めております」と表現します。

「務める」の敬語を使った例文!

「務める」の敬語を使った例文をいくつかご紹介します。

「司会を務める」の例文!

「司会を務める」に関する例文は以下のとおりです。相手に許可を受けたいニュアンスを含んでいる時や、許可を受けた場合などには「〜させていただきます」と表現します。

「本日、司会を務めさせていただきます山田です。どうぞよろしくお願いいたします」

「はい、承知しました。明日のイベントの司会は、私が務めさせていただきます」

「リーダーを務める」の例文!

「リーダーを務める」の例文をご紹介します。上述しましたが、役職を述べる場合は「〜させていただく」ではなく、「務めております」と表現することがポイントです。

「Cグループのリーダーを務めております。以後お見知りおきください」

「企画部部長を務めております伊藤です。何卒よろしくお願い申し上げます」

「私が課長を務めております斉藤です。この度は誠に申し訳ございませんでした」

ただし、相手の許可を受けた場合などは、「させていただく」を使って表現します。以下、例文です。

「この度、班長を務めさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします」

「ありがとうございます。喜んでリーダーを務めさせていただきます」

敬語「務める」を他の語に言い換えると?

「務める」の敬語を他の語に言い換えるとどうなるでしょうか。考え方としては、「務める」の類語を敬語表現すればいいだけです。

「務める」とは、任務や職務を引き受けることなので、「役割を果たす」「任務を遂行する」「就任している」と同義です。なので、これらを敬語表現します。

尊敬語だと「役割を果たされる」「任務を遂行なさる」「就任されている」、謙譲語だと「役割を果たさせていただく」「任務を遂行いたします」「就任しております」などと表現できます。丁寧語は「ます」を付けるだけなので、「役割を果たします」「任務を遂行します」「就任しています」です。

このように、「務める」の類語を敬語表現することによって、他の語に言い換えることが可能です。

正しい敬語で印象UP!

「務める」の敬語表現について理解を深めることはできましたでしょうか。

目上の方の動作では「お務めになる」、自分(身内)の動作を目上の人に向けて述べる場合には「務めさせていただく」「務めております」、丁寧語では「務めます」になります。

正しい敬語が使える人は周囲からの印象が良くなります。印象が良くなると、仕事や人付き合いが円滑に回るようになりますので、ぜひ正しい敬語を身につけて印象UPを図ってください。

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