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「おばあちゃん」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

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「おばあちゃん」の敬語での使い方

「おばあちゃん」という言葉を聞くと、懐かしい気持ちになったり悩み事があっても「大丈夫だよ」という声がどこからか聞こえてきそうな、理屈では言い表せない不思議な安心感のようなものを感じる方も多いことでしょう。

日本語の「おばあちゃん」には私たちを温かな気持ちにさせるものがあります。「おばあちゃん」の敬語表現とはどんなものでしょうか。また使ってはいけない場合とはどんな場合でしょうか。ここでは「おばあちゃん」という言葉について詳しくみていきます。

「敬語」をさらっとおさらい

一般的には日本語の敬語は「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の三つに大きく分類することができます。

①尊敬語(そんけいご)
目上や立場が上の人に使い、相手を立てる時の敬語です。
■尊敬語を使った表現への変換例
・自宅はどこですか。→お住まいはどちらですか。
・彼の父親の職業は何ですか。→彼のお父様のご職業は何でしょうか。

②謙譲語(けんじょうご)
自分がへりくだることで相手の立場を上げる時に使われる敬語です。
■謙譲語を使った表現への変換例
・言いにくいのですが、その日は行けません。→申し上げにくいのですが、その日はお伺いできません。

③丁寧語(ていねいご)
丁寧な言葉遣いをする時の敬語です。
■丁寧語を使った表現への変換例
・明日行くつもりにしている。→明日行くつもりにしています。
・皿を並べてください。→お皿を並べてください。

「おばあちゃん」の尊敬語としての使い方

上で確認したとおり、尊敬語としての敬語の「おばあちゃん」は相手や第三者のおばあちゃんであるケースがほとんどです。「おばあさま」「おばあちゃま」などが相当します。その他、身分の高い人たちが自分の祖母を呼ぶ時にもこの呼び方をすることがあります。

「おばあちゃん」の謙譲語としての使い方

謙譲語としての敬語の「おばあちゃん」は自分のおばあちゃんであるケースがほとんどで「祖母(そぼ)」がそれに相当します。

「おばあちゃん」の丁寧語としての使い方

「おばあちゃん」よりも丁寧な響きが高い敬語には「おばあさん」があります。「おばあちゃん」は親しい人との会話の中やメール、メッセージで使用することが多いのに対し、「おばあさん」となると会話を行う者同士の距離感が少し大きくなります。またお知らせなど公の文書の中でも「おばあちゃん」よりは使われることが多くなります。

また言葉は受け取り手の解釈次第で印象が変わるため、相対的なものでもあります。ですから高齢の女性に対して憎しみや嘲りの気持ちをこめて「ばばぁ」と言ったり、孫が親しみをこめて「ばーば」と言ったりすることがありますが、こういう言葉と比較すれば「おばあちゃん」は「ばばぁ」や「ばーば」の丁寧語ということもできます。

メールでの使い方

活字にすると敬語を使わなくてはならないような気になりますが、親しい相手ならメールの中でも「おばあちゃん」で十分です。「おばあちゃんによろしくね」「おばあちゃんのご病気が少しでもよくなりますように」と書いて問題はありません。目上や距離のある相手へのメールや、少し改まった文章の中では「おばあさま」と書きましょう。漢字では「お祖母様」「御祖母様」と書きます。

「おばあちゃん」を敬語表現するときの例文

尊敬語として

①専務のおばあさまが亡くなられましたので、専務は今日のミーティングに出席されません。
②あなたのおばあさまは100歳を過ぎて健康でいらっしゃるそうですが、健康の秘訣は何でしょうか。
③(小さい子供に)そのお洋服、おばあちゃまに買ってもらったんですって。とても可愛くて似合っていらっしゃいますよ。
④おばあさま、今日は寒くて天気も悪いので体を冷やさないように、このひざ掛けをしていてください。

謙譲語として

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①私の祖母は厳格な家で育ったため、子供や孫に対してもきちんとしたことを求めました。
②あなたさまからのお労りの気持ちを、祖母に申し伝えます。
③これは祖母の遺品です。私の宝物のひとつです。

※「おばあちゃん」が言葉の一部を構成しているような場合はこの限りではありません。例えば敬語でも「私はおばあちゃん子だったので、小学校の授業参観にも祖母が来てくれていました」のように使います。

※また「祖母」は謙譲語以外に第三者でも事実を記載する時などに用いられます。「彼は母方の祖父が世界的な指揮者で祖母が有名なピアニストだという音楽の才能を引き継ぐ家系に生まれました」のように使います。

丁寧語として

①家族の病歴の欄には、あなたのご両親とおじいさん、おばあさんの分を書いてください。
②自分のおばあさんの名前をメールのパスワードにしている人はたくさんいます。
③2年ぶりに帰省したら、母がいろいろと体の不調を訴えて急におばあさんになっていたので心配しています。

「おばあちゃん」の別の敬語表現例

他人に「おばあちゃん」と言っていいの?

日本語の「おばあちゃん」には、大きくふたつに分けて
①自分の親の母親を表す場合
②高齢の女性を表す場合
があります。これまで主に①の場合について見てきましたが、②の場合については使用に気をつけたいところです。

自分とは全く血のつながりがない赤の他人である高齢の女性に対して、どういう呼び方をするべきなのでしょうか。誰がどう見ても「おばあちゃん」と呼ばれるにふさわしい高齢に見える人でも、本人はどう感じているかはわかりません。いつまでも若くて綺麗でいたいというのは多くの女性の願いでしょう。知らない人から「おばあちゃん」と呼ばれてひそかに傷ついている人もいないとは限りません。

最近は孫からでも「おばあちゃん」と呼ばれることに抵抗を感じる女性が多くなりましたが、自分の祖母や、他人でもお互い関係がはっきりしていて本人が「おばあちゃん」と呼ばれても大丈夫だとわかっている場合のみに使いましょう。

では他人で高齢の女性には何と言えばいいの?

知り合いの女性の場合

基本的には名前でお呼びするのが最も無難です。名字に「さん」を付けて呼びましょう。少し距離が縮まってきたら下の名前に「さん」を付けてお呼びするのもよいでしょうし、本人にどう呼んでほしいかを尋ねるのもよいでしょう。相手のほうから「おばあちゃんと呼んでね」と言われる方もいます。

知り合いでない女性の場合

英語では女性を呼ぶときには幼児から高齢者まで「Ma’am」と言えばいいのですが、日本語ではそれに相当する言葉がないため、知らない高齢の女性をちょっと呼び止める時などはどのように言えばいいのか困ってしまうことがあります。

そんな時は「奥様」と言うのが最も無難でしょう。「奥様、ハンカチを落とされましたよ」のように使います。お店のご主人がお客さんを呼び止める時などは「ちょっとおかあさん、これ見ていってくださいよ」と言うのもよいでしょう。

話題の中で高齢の女性のことを言いたいときには「あちらのご婦人が(女性が)」と言うとよいでしょう。「あそこのおばあちゃんが」と言うのは失礼に当たりますし、では敬語ならいいかと「おばあさん」「おばあさま」を使うのも同じく失礼に当たります。自分はそんなこと気にならないわと言う方もいるでしょうが、「自分が気にならない=相手も気にしない」ではありません。

子供扱いはNG

親しき仲にもエチケットありと言います。いくら親しくても自分の祖母でない場合は言葉遣いにも気をつけましょう。親しさ=くだけた言葉遣いと考えていると、高齢の女性に不快な思いをさせることがあります。老人ホームの入所者や病院で入院していて他人のお世話や看護が必要な方たちの声の多くに、「赤ちゃんのように扱われて悲しい」と言ったものがあります。

老人ホームの入所者や病院で入院している高齢の女性は、私たちのおばあちゃんではありません。「おばあちゃん」という言葉も問題ですが、「おばあちゃん、お着替えしようね」「今日はご飯を全部食べて偉かったね」など幼児に対して言うような言葉は、高齢者の自尊心をひどく傷つけます。高齢者には常に敬意を持って接したいところです。言葉は常に意識や行動とつながっています。

英語での「おばあちゃん」

自分のおばあちゃん

英語に「grandmother」と言う言葉があります。これが日本語の「祖母」「おばあさん」に当たります。英語に敬語はないと言われますが、フォーマルな文の中や、距離のある相手との会話の中で使われることが多く、敬語的表現であることは間違いありません。

これに対して「おばあちゃん」に相当する英語の表現がいくつかあります。「grandma(グランマ)」はよく耳にすることでしょう。その他にも「nanny」や「gran」 や 「granny」などがあります。これらはとても砕けた表現の仕方です。

他人の高齢の女性

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言うまでもなく、grandmother、granmaなど身内に使う言葉は他人には使いません。感覚的には日本語と同じように考えてください。「高齢の」「歳を取った」を表す「old」は敢えて入れる必要はなく、「the lady」で十分です。呼びかける必要のあるときには前述のとおり、「ma’am」を使います。

「おばあちゃん」の他の敬語表現

「おばあさん」とはどう違う?

「おばあさん」は「おばあちゃん」の丁寧語で、「おばあちゃん」に比べると尊敬の度合いが少し増しますが、その分反対に距離感が出てしまいます。話し手との間に親密さを感じさせない印象を持った言葉です。

おじいちゃんの敬語表現

尊敬語としての敬語では「おじいさま」「おじいちゃま」のように使いましょう。親しい相手や友人の間では「おじいちゃん」と言っても問題はありません。メールなどの書き言葉で漢字を使う場合には「お祖父様」「御祖父様」のように書きましょう。

謙譲語としての敬語では「祖父(そふ)」と言いましょう。メールなどの書き言葉でも同じです。親しい相手や友人の間では「おじいちゃん」と言っても問題はありません。

丁寧語としての敬語では「おばあちゃん」の例と同様、「おじいちゃん」も丁寧語になり得ますが、それよりもさらにフォーマルに言いたい時には「おじいさん」がよいでしょう。

敬意を持って接すれば不快な響きにならない

「おばあちゃん」の敬語表現についてご紹介してきましたが、さまざまな敬語表現も「誰が」「誰に対して」「どんな時に使うか」によっては敬語どころか、反対に知らず知らずの間に高齢の女性に不快な思いをさせてしまうことがあります。敬語は言葉だけを敬語にすればよいものではありません。常に相手に対して敬意を持って接すれば、言葉による誤解は防げることがあります。
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