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「お気に召す」の敬語表現
「お気に召す」は敬語の種類の中では尊敬語に当たる言葉のため、自分に対しては使う事ができません。相手に対して使う事ができる敬語表現です。具体的に挙げるならば、「お気に召しましたか」というように、相手に対して使う事は可能ですが、「お気に召しました」と自分が気に入った事を伝える際に使用する事はできません。
そもそも「お気に召す」という敬語表現は、どのような意味を持つのでしょうか。基本の意味と言葉を分解した際の意味を理解しておきましょう。
気に入るの意味
相手が気に入った様子である事を言葉にする際、あるいは見せた物や贈った物を気に入ったか確認する際に使用される事が多いです。
例えば、目上の人に対して贈り物をした場合、気に入っていただけたら嬉しいという気持ちを伝える際、「お気に召していただけたら幸いです」というように使われる事があります。疑問系で尋ねるならば、「お気に召したでしょうか」というように使われる事もあります。
好むの意味
一見、同じ意味のように感じますが、「気に入る」と「好む」では少々ニュアンスが異なります。「気に入る」はある特定の物に対して強い思いを抱いているのに対し、「好む」は漠然と良い印象を持っている言葉になります。簡単に言ってしまえば、「好き」の強さが「気に入る」の方が強いです。
しかし、基本的に同じ意味である事や、「気に入る」という意味で使われる事が多いため、「好む」は「気に入る」の付け加え、あるいは小さなニュアンスの違いとして考えて良いでしょう。
「お気に召す」の敬語での使い方
また「お気に召す」は「気に入る」の意味で使用されることがほとんどですが、その使い方は多岐にわたります。メールにおいて頻繁に使用される「お気に召す」や、ビジネスシーンでよく耳にする「お気に召す」を確認し、今後自らも自然に使えるようにしておきましょう。
敬語の種類
まず「お気に召す」の「お」の部分は、敬語ではよく使われる表現方法です。その言葉をより丁寧な言い回しにするために使われる言葉で、「お」の他にも「ご」が用いられる場合もあります。しかし、ここでは「お気に召す」であり、「お」の代わりに「ご」が用いられる事はありません。
続いて「召す」です。この「召す」という言葉自体にもさまざまな意味がありますが、「お気に召す」の場合は補助動詞としての役割を担っており、付けた言葉の尊敬語の意味をより強める働きがあります。したがって、丁寧な敬語表現である「お」と尊敬語を強調する「召す」を用いる事で、尊敬語の役割を果たしています。
使い方
例えば、相手が特定の物を気に入ったかどうかを確認する際には「お気に召しましたか」というように尋ねる事があります。また、相手が特定の物を気に入った様子を見て安心したという事を伝える際は、「お気に召したようで安心いたしました」というように使われる事もあります。
あくまでも尊敬語のため、目上の相手に使う言葉です。間違っても自分に使う言葉ではないため、注意しましょう。ちなみに「気に入る」の謙譲語は基本的に存在しません。
メールでの使い方
またビジネス以外の場で目上の方にメールを送る場合には、「お気に召していただけたでしょうか」というように、贈り物をした際に気に入っていただけたかどうかを尋ねるような内容で用いられる事もあります。
ビジネスでの使い方
また、尊敬語の中には社内で使用する事は好ましくないといわれる言葉もありますが、「お気に召す」の場合はそのようなことはありません。したがって、上司に対して使っても問題はありません。
「お気に召す」を敬語表現するときの例文
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続いて「お気に召したでしょうか」という使い方です。「お気に召されましたでしょうか」という言い方をする事もありますが、こちらは「召す」という敬語表現に加え、「ました」という丁寧表現がプラスされています。より丁寧な言い方のように聞こえますが、少々くどい印象を持たれてしまいがちです。したがって、「お気に召したでしょうか」という使い方が好ましいでしょう。
「お気に召す」の別の敬語表現例
尊敬語ではありませんが、「気に入っていただく」という敬語表現も可能です。「気に入る」に「いただく」という謙譲語が付け加えられた形です。こちらも「気に入る」という意味を持ちながら自分を謙った言い方となるため、敬語表現として使用する事ができます。
「お気に召す」は二重敬語なのか
「お気に召す」という言葉自体が敬語表現(尊敬語)であるため、これに敬語表現の1つ「られる」という言葉を付け加えてしまうと二重敬語になってしまいます。したがって、「お気に召す」という言葉は正しい敬語ですが、「お気に召される」という言い方に活用してしまうと二重敬語となってしまうため、注意が必要です。