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「見当たらない」の敬語表現
「見当たらない」の敬語は「見当たりません」です。「資料が見当たりません」「お探しの本はこちらの本棚には見当たらないです」などの使い方をします。
丁寧語
「見当たらない」はどんな場面で使うか
預かっていたものを失くしてしまった場合や、自分が責任を持って保管しておかなくてはいけないようなものが見当たらないという場合には「失くした」の敬語である「失くしてしまいました」など、自分に責任を置くような言い方をした方が丁寧です。
探してくれと頼まれたとき
「ないです」、あるいは「ない」の敬語である「ありません」というより、「見当たりません」と言った方がよいです。
探している人がいる以上、見た範囲にはないだけで「ない」ということはなかろうと考えられるためです。
間違った番号で電話を掛けた時に「その電話番号は存在しません」ではなく「現在使われておりません」というアナウンスが流れるのも同じ理由からです。
あるはずの物がないとき
「見当たらない」という場合、現状、そのものは失われていることになりますが、「自分の責任で失くしてしまった」というような自責のニュアンスや反省のニュアンスはありません。「おかしいな」「ちょっと何処かへ行ってしまっているようだ」というような軽い意味合いの言葉です。
「見当たらない」の敬語での使い方
「見当たらない」は、あるはずなんだけれど、今のところ目に付く範囲にはないようだ、という意味です。相手が探している以上、その探し物は存在はしているはずなので「見当たらない」の敬語「見当たりません」と言うのが適切です。「ない」の敬語「ありません」では不自然になります。
預かっていたものが何処かへ行ってしまった、という場合は「見当たらないです」というと無責任な印象を与えるので「失くしてしまった」など、自分に責任があるような言い方をした方がよいです。
敬語の種類
敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があります。尊敬語は相手の動作や相手の物を敬語にするときに使い、謙譲語は自分の動作や自分の物を敬語表現にするときに使います。丁寧語は相手にも自分にも使います。「見当たらない」は状況を表す言葉ですので、尊敬語や謙譲語の形で敬語にすることはできません。
使い方
「お探しの資料は見当たりませんでした」「鍵はリビングには見当たりません」「いつも使っていらっしゃるペンは、デスクの上には見たりません」などの使い方をします。
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メールでの使い方
「お探しの番号の会員カードは見当たりませんでした。もう一度ご確認いただけますでしょうか」「ご指定の電話番号では登録が見当たりませんでした」「ご指定頂いたデータを確認しましたが、お伝えいただいた名前のフォルダが見当たりません」などの使い方をします。
「送って頂いた画像が見当たらないので一度送って下さい」などの使い方はしません。「誤って消去してしまったようですので、申訳ないのですがもう一度送っていただけませんか」と書きます。初めから添付されていないから見当たらないのであれば「添付されていないようですので、もう一度送っていただけますか」などの書き方の方が丁寧です。
ビジネスでの使い方
相手が探しているものが見つからない場合には「ありません」ではなく「見当たらない」というのが適切です。
「見当たらない」は上司に使っても良いか
「キーケースを落としたんですが」「お探ししたのですが、店内には見当たりませんでした」などの使い方をします。
「見当たらない」の別の敬語表現例
「資料が机の上に置いてあるはずだから見て欲しい」などの指示を受けて「なかった」という場合は、「見当たりません」とだけ言うと「机の上は見た」ということが伝わらないので、「机の上にはありません」「机の上を見ましたが、見当たりません」などの言い方をします。
確認できません
自分が失くした場合の「見当たらない」の敬語表現
自分が管理しているものではなくても、「あることは知っているが、あると思っていた場所になかった」「探せば見つかると思う」というような場面では「見当たらない」という言葉を使いたくなることがあります。
そのような場合は「見当たらないです」というのではなく、「お探しのものを見たことはあるのですが、私の管轄ではありませんので詳しいことをすぐにお応えすることはできません。確認いたしますのでお時間をいただいてもよろしいですか」などと、状況をできるだけ正確に伝えるようにしましょう。
「見当たらない」を使いこなそう!
「見当たらない」は探し物をしている相手に一緒に探して欲しいと頼まれて探したが見つからなかった、というような場面で使うのが適切です。「存在はしているはずだ」「見た範囲には無い」というニュアンスのある言葉だからです。
「見当たらない」の意味を押さえて使いこなせるようになりましょう。