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「なされた」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現

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敬語「なされた」の意味

私たちが普段お店などで耳にする「いかがなさいますか?」「どちらになさいますか?」「どうなさいましたか?」の「なさい」は「なされた」の変形です。ビジネスの場では他にどんな使い方をするのでしょうか?ここでは、敬語の「なされた」の意味や使い方を例文を紹介しながら解説します。

ちなみに「なされる」の意味をWeblio辞書では次のように説明しています。

なさ・れる[3](為される)
( 動ラ下一 ) [文] ラ下二 なさ・る
[動詞「なす」に尊敬の助動詞「れる」の付いたものから。現代語ではおもに連用形のみを用いる]
①動詞「する」の尊敬語。「ー・れます」 「何事を-・るるぞ/狂言・目近籠骨」
②(補助動詞)動詞の連用形に付いて、また、「お…なさる」「(御)…なされる」の形で、尊敬の意を表す。「もうおやすみー・れました」「このたびは御栄転ー・れ、おめでとうございます」「一行が到着ー・れました」

https://www.weblio.jp/content/%E3%81%AA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B

なす(為す)の意味は?

「なす」の意味は、・作り上げる・状態を作る・築き上げる・何かの行動をする・別の状態に変える、などです。

「なされた」と「なされる」の違いは?

「なされた」は「なされる」の「る」が「た」に変化してます。助動詞の「た」には、・過去・完了・存続・確認、の意味があります。

「なされる」と「なさる」の違いは?

「なさる」と「なされる」は同じです。「なさる」は動詞の「なす」に助動詞の「る」が付いたものです。「る」は自発・可能・受け身・尊敬、の意味があります。「なされる」→「なされた」と「なさる」→「なさった」は同じ変化の仕方です。用例としては、

・先生は来年ご結婚なされる予定です。=先生は来年ご結婚なさる予定です。

・先生はご結婚なされたということです。=先生はご結婚なさったということです。

敬語「なされた」の例文

用例としては、

・お元気がないですが、どうかなされたのですか?

・京都へはご旅行なされたのですか?

などです。

その場にいない人を敬う

「なされた」は、話し相手に対しての敬語と、そこにいない人物に対する敬語としても使います。例えば、

・先生がご結婚なされたことを知っていますか?

・師匠がお食事をなされた席です。

などです。

敬語「なされた」の使い方

「なされた」の使い方は、正式には「お(ご)…なさる」と使います。

用例としては、

・先生は来年結婚なされる予定です。→×

・先生は来年ご結婚なされる予定です。→○

です。

敬語ではない「なされた」とは?

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敬語ではない「なされた」は、動詞の「なす」に受け身としての助動詞「れた」が付いた場合です。

例としては、

・報告がなされた会議       

・彫刻がなされた壁

などです。

敬語の種類

敬語は、尊敬語と謙譲語と丁寧語の3つがあります。

・尊敬語とは、相手やその人の物や行動に対して敬意を示す言い方です。

・謙譲語とは、自分や自分の行動に対して、へりくだった言い方をします。そうすることで相手を高めるという表現法です。

・丁寧語とは、丁寧な言い方で相手に敬意を表現する方法です。語尾に「~です」「~ます」を付けた言い方です。

尊敬語と謙譲語は主に目上の人に使いますが、上司やビジネスでのお客様の場合は相手が年下でも使う場合があります。丁寧語は相手を問いません。

敬語の使い方

3種類の敬語の使い方の例文をいくつか紹介します。

尊敬語の例文

尊敬語の例としては、

・明日はご参加なされますか?

・師匠がおっしゃいました

・いつ頃いらっしゃいますか?

・お酒は召し上がりますか?

・先生が来られました

などです。

謙譲語の例文

謙譲語の例としては、

・明日は参加いたします

・師匠に申しあげました

・あさってお伺いします

・お酒をいただきました

・1時に参ります

などです。

丁寧語の例文

丁寧語の例としては、

・明日は参加します

・師匠に(が)言いました

・あさって行(来)きます

・お酒を飲みました

・友人が1時に来ます

などです。

二重敬語とは?

二重敬語とは1つの単語の中に同じ種類の敬語が二つ以上入っていることをいいます。一つの単語の中に同じ種類の敬語は一つです。

例としては、

・「社長様」は間違いです。→「社長」だけでいいです。「社長」と「様」が尊敬語です。

・「拝見させていただきます」→「拝見します」です。「拝見」と「いただき」が謙譲語です。

・「おっしゃられる」→「おっしゃる」が正しいです。「おっしゃる」と「れる」が尊敬語です。

・「ご覧いただきました」のように尊敬語(ご覧になる)と謙譲語(いただく)は種類が違うので一つの単語の中に一緒に使ってもOKです。

・「お召し上がりになる」や「お伺いする」などは定着してしまったため、今日では誤りではないと考えられています。「召し上がる」と「お~なる」、「伺う」と「お~する」が二重になっています。

連結敬語とは?

敬語連結とは、それぞれを敬語にして接続助詞の「て」を間にはさんでつなげた言葉をいいます。これは「二重敬語」にはなりません。

例としては、

・「ご覧になっていらっしゃる」は、「観る」→「ご覧になる」(尊敬語)と「いる」→「いらっしゃる」(尊敬語)

・「お越しになっていただく」は、「来る」→「お越しになる」(尊敬語)と「もらう」→「いただく」(謙譲語)

などです。間に「て」を入れてつないでいます。「拝見させていただく」は二重敬語です。少し区別が難しいですが、「拝見」と「させていただく」で成り立っている言葉です。この場合の「て」は接続助詞ではありません。

「なされた」の別の敬語で表現するには?

「なされた」の類語は「された」です。どちらも「なす、する」の敬語です。敬語としての尊敬の度合いは「なされた」の方が高く丁寧な言い方です。

用例としては、

・先生は来年ご結婚なさる予定です。=先生は来年ご結婚される予定です。

・どちらになさいますか?=どちらにされますか?

です。「なさる」は「なさりますか?」だと古めかしい言い方になってしまうので、「なさいますか?」に変化させた方が現代語としてはふさわしいです。

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なされたい

「どうなされたいですか?」は尊敬語です。「どうなさりたいですか?」や「どうなさいますか?」もおなじです。

「~なされたい」と言う時は、「ご注意なされたい」や「慎重になされたい」などの使い方をします。「注意して下さい」や「慎重にして下さい」という意味で、古めかしい言い方です。「なされたし」などとも言います。現代でほとんど使いません。

なさったなど

「なさる」という尊敬語は、「なさった」「なさって」「なさらない」「なさります」などの使い方があります。

用例としては、

・「先生がご結婚なさる相手の方」

・「先生がご結婚なさった相手の方」

・「お父様、お食事なさって」

・「お気になさらないで下さい」

・「先生がご結婚なさります」

などです。

命令の言い方の「なさい」

「~をしなさい」「~なさい」という言い方は命令語です。「おかえりなさい」や「おやすみなさい」を目上の人や偉い人に言う時に、語尾に「ませ」を付けると丁寧な言い方になります。「おかえりなさいませ」や「おやすみなさいませ」、また「いってらっしゃいませ」のように、「ませ」は挨拶の言葉の語尾に付けることでより丁寧な表現になります。

「なされ」とは?

「~なされ」という言い方があります。現代ではほとんど使われませんが、時代劇などで耳にします。「~なさい」の古めかしい言い方です。「お入りなされ」や「こっちに来なされ」などの言い方をします。目上の人や偉い人に言う時には「~なさい」の時のように語尾に「ませ」を付けて丁寧な表現に変えます。「~なされませ」または「~なされまし」です。

現代で使う場合は、目上の人に「お帰りなさい」という時により丁寧な表現方法として「お帰りなさいませ」などと言います。

「なされた」の類語の敬語

「なされた」の類語の敬語は「なさる」や「される」です。類語や他の敬語を使って言い替える例をいくつか紹介します。

・「先生はご結婚なされました」

・「先生はご結婚なさいました」

・「先生はご結婚されました」

・「先生はご結婚あそばしました」

・「先生は既婚者になられました」

・「先生は夫(妻)におなりです」

※「あそばす」は主に女性が使う言い方です。「なされる」よりも尊敬度の高い言葉です。

動詞の変化の仕方

「なされた」は「する」の尊敬語ですが、他の動詞の変化の仕方を紹介します。

・「言う」→「おっしゃる」

・「来る」→「お越しになる」「いらっしゃる」「お見えになる」

・「行く」→「いらっしゃる」

・「食べる」→「お召し上がりになる」

・「見る」→「ご覧になる」

・「聞く」→「お聞きになる」

などです。

シンプルな敬語を使おう

尊敬語は目上の人に使う言葉ですが、現代では家庭で使われることはほとんどなくなりました。今日、尊敬語や謙譲語を多く使うのはビジネスマンや店員など仕事の場です。特に会社で上司に対して使う場合は、緊張して二重敬語になってしまったり、間違った敬語を使ってしまうことに気を付けなければいけません。

間違えないためには、なるべくシンプルな言葉を使うように心掛けましょう。文法や理屈で考えると難しく感じてしまいます。文として暗記をしてしまった方が間違える心配がないので安心です。

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