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「してしまった」の敬語表現は?
「してしまった」の敬語表現をするためには、まずしっかり意味を理解しましょう。また、使う目的や状況、相手によって言い回しが変化します。正しい使い方が出来ていないとマナー違反となりますので、注意が必要です。
後悔
「してしまった」は、後悔・残念な気持ちを表す意味を持っています。「寝坊したら時間に遅れてしまった」、「疲れていて笑えなかった」といった使い方があります。
敬語表現においては、相手に対して申し訳ないという気持ちをより強く表現する場合などに用います。
済ませた行動
「してしまった」は、基本的に動作とワンセットで用いられます。そのため、「済ませた行動」として用いられることが多い言葉です。「読んでしまった」や「終わってしまった」といったように使います。
敬語表現においては、済ませた行動を報告するときなどおいて、丁寧に伝えたいときに用います。
予想外の結果
「してしまった」は、残念や後悔といった感情を意味する言葉です。そういった感情は「不本意な結果」に対して生まれるものが多く、そういったことから「予想外の結果」に対しても用いられることがあります。
敬語表現においても、予期しない結果を報告する際に用いられる言葉です。
「してしまった」の敬語での使い方は?
敬語の種類
敬語には、大きく分けて「尊敬語・謙譲語・丁寧語」があります。それぞれ使う相手が異なり、それに合わせて言葉の言い回しが変化します。正しい使い方をするために、まずは敬語の種類をしっかり理解しておきましょう。
尊敬語
尊敬語は、目上の人やお客に使用する表現です。相手を敬い、立てる時に使用しましょう。「してしまった」の「して」は、「する」に分類される口語です。そのため、尊敬語において「する」と同じ言い回しに変化します。
そのため、「してしまった」の尊敬語における言い回しは「なさった」「された」となります。ただし、動詞の組み合わせによって不自然になってしまうので、失礼のないようにある程度の改変が必要です。
謙譲語
謙譲語は、自分を下げることで相手を立てる表現です。尊敬語と同じく目上の人などに対して用いる表現ですが、「自分を下げる」という点が大きく異なります。
このようなことから、「してしまった」も自分がへりくだった表現に変化します。よって、謙譲語において正しい言葉は「致した」になります。
丁寧語
丁寧語は、尊敬語や謙譲語と同じく目上の人に対して用いる表現です。しかし「上品に喋るときに使用する」ことを目的としているので、相手を立てたり、敬いたいときは尊敬語や謙譲語を使用するよにしましょう。
「してしまった」は、丁寧語では上品な表現に変化します。そのため、「してしまいました」といった表現になります。
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使い方
「してしまった」は冒頭に触れたとおり、「なにかしらの行動によって起きたトラブル」に対する感情などを表現します。そのため、「動詞+してしまった」が基本の形となります。
また、「してしまった」は「する」に分類される言葉です。そのため、尊敬語や謙譲語に変化するときは、「する」の言い回しを参考にしてください。そのままでは別の意味になってしまうので、使いたい目的に合わせて改変が必要になってきます。
メールでの使い方
「してしまった」は動詞の組み合わせによって多少言い回しが変化します。メールにおいては、文章が不自然にならないように丁寧語を駆使しましょう。簡潔でわかりやすい内容でまとめるのが、基本的なマナーです。
また、尊敬語を用いる時は「なさった」「された」の使い分けに注意してください。どちらも意味合いは同じですが、文法的には「なさった」の方がより尊敬した表現になります。使用する相手を確認して使用するようにしましょう。
ビジネスでの使い方
「してしまった」はビジネスにおいても多く用いられる表現です。日常的な会話から接待など幅広い分野で使用されるので、目的に合わせてしっかり使い分けできるようにしておきましょう。
基本的に「してしまった」はアクションに関して用いられる表現です。動詞と組み合わせるのが基本の形ですから、決して難しいものではありません。動詞はそのままで、「してしまった」を適切な言い回しに変化させるようにします。
「してしまった」は表現が幅広いので、マスターすることで会話も豊富になりますからしっかり使えるようにしておきましょう。
「してしまった」を敬語表現するときの例文
「してしまった」は、独特な意味を持っています。そのため、敬語表現する際も意味に沿った使い方をする必要があります。それに併せて、例文を幾つか紹介していきます。
ミス
「してしまった」「予想外の結果」に対して用いられる表現です。この予想外の結果には、「ミス」も含まれます。そのため、尊敬語の場合は「社長がミスをなさった」といった表現になります。どんな状況でも相手を敬う表現にすることを忘れないでください。
謙譲語の場合は、自分がへりくだった表現であることが基本です。そのため、例文としては「期限が迫っていることに焦って、ミスを致してしまいました」といった表現になります。
最後に、丁寧語はできるだけ上品な文章になるように意識しましょう。例文としては「自分の遅刻が原因でミスをしてしまいました」となります。丁寧語は「です・ます」を使うのが基本です。
うっかり・思わず
「してしまった」は「うっかり・思わず」といった際にも用いられる言葉です。尊敬語の場合は、「先輩はうっかり待ち合わせ場所を失念されたようだ」といったような例文になります。
謙譲語の場合は、「うっかり拝借致していました」といったように使います。「つい・うっかり」といった不本意な結果であることを伝える表現をするように意識してください。
丁寧語の場合は、「思わず笑ってしまいました」といったように使います。動詞によって、「です・ます」が変化するのでできるだけ上品な文章を心がけましょう。
ついなど
「してしまった」という言葉を用いるとき、「つい」が使われることも多くあります。尊敬語の例文としては「お客様はつい予約した時間を忘れなさっていたようだ」といったように使用します。
謙譲語では、「悪いことと知りながら、つい知らないふりを致しました」という例文になります。丁寧語においては、「つい間食をしてしまいました」といった使い方になります。
「してしまった」の別の敬語表現例
「してしまった」はミスや後悔について表現するときに用いる言葉です。そのほかにも、似たような意味を持つ言葉がありますので、状況によって使い分けていきましょう。
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失礼なことをしてしまった
「してしまった」ことに関して自分に非がある場合、お詫びの気持ちを込めた文章をつくります。例えば「この度は大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません」といった文章のように、最後はしっかり謝罪の言葉を添えるようにしましょう。
失念していた
失念は「うっかり、つい」といった意味があります。そのため、「してしまった」と似たような意味を持っている言葉であり、組み合わせて使用することもあります。
敬語表現においては、「失念しておりました。申し訳ございません」という文章になります。「おりました」を用いることでより丁寧な表現になることから、昨今では多く使われる言い回しとなっています。
「してしまった」の言い換えの敬語
「してしまった」というのは、ニュアンス的に余り良い意味を持たない言葉です。特に敬語においては、そのまま使用してしまうと相手に不快感を与えてしまう場合がありますので注意しましょう。
別の敬語表現例としては、「してしまった」を省略する方法があります。例えば「連絡を遅れてしまいました。すいません」という文章を変換すると、「連絡が遅れましたこと、大変お詫び申し上げます」という例文になります。
文法だけでなく、簡潔な文章を心がけることでより丁寧な表現をすることができます。
「してしまった」の敬語表現をマスターしよう!
今回は、「してしまった」に関する敬語表現や使い方について解説しました。私たちの生活において馴染みのある言葉ですが、その独特な言い回しゆえに尊敬語や謙譲語に変化するのが難しい言葉です。
しかし、使うパターンが決まっているので、一度覚えてしまえばそんなに難しい表現ではありません。また、使用する頻度も決して少なくありませんから、しっかりマスターしておきましょう。
まずは意味をしっかり理解して、場面に合わせて尊敬語や謙譲語に合わせて使い分けるようにしましょう。