cms-import-tapbiz-wp

「奢る」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例・返し方

[allpage_toc]

「奢る」どう使っていますか?

「奢る」という言葉は、ビジネスパーソンのみならず、学生や小さいうちから慣れ親しんだ言葉なのではないでしょうか。さて皆さんは、どのようなタイミングでこの「奢る」という言葉を使っていますか。

つい使ってしまいがちなこの言葉ですが「奢る」にはどのような意味があるのでしょうか。また軽い印象を受けがちですが、敬語表現として目上の人や上司や先輩に対して使うことはできるのでしょうか。

この「奢る」に足しては、あまり良い表現と考えていない人も実は少なくありません。社会人として、相手に不快感を与えないような「奢る」の使い方、ほかの「おごる」との違い、敬語の表現、正しい言い換え方について、改めてこの機会に確認しておいてください。

「奢る」の意味

そもそも「奢る」と言いますが、どういった意味があるのでしょうか。辞書によると「奢る」の意味は
① 分不相応の、度を超えたぜいたくをする。
② 自分の金銭で人にごちそうする。振る舞う。
となっています。

①は「口が奢る」「奢った生活」など、あまり良いイメージを与える言葉ではなく、多くの人が日常的に使うのは②の意味が多いでしょう。

「奢る」と「驕る」「傲る」の違い

「おごる」聞くと、やはり食事などをごちそうする、と言う意味で使ったり、受け取ったりする人が多いですが「おごる」には「奢る」以外の「おごる」もあることをご存知でしょうか。

「驕る」もしくは「傲る」と書いて、「奢る」と同様「おごる」と読みますが、その意味合いは違うもので「自らの権力、地位、財産や才能などを誇り、思い上がった振る舞いをする」と言ったものです。

威張(いば)る、付け上がる、高ぶる(驕り高ぶる)といったものと同じニュアンスのネガティブな印象の語句です。相手に対して高圧的な態度をとる、という意味ですので、前述でご説明した「奢る」とは全く違う意味であると言えます。

「奢る」の敬語表現

「奢る」シーンでよく見かけるのは、やはり先輩や上司などの目上の人間が、部下や後輩へ食事や飲み代を負担するシーンであるでしょう。「○○部長のおごりですか?」など冗談めかして言えてしまうような人懐っこい性格の人もいるでしょうが、なかなか目上の人に敬語でなく砕けた口調で話すのは気が引けるという人も少なくないでしょう。

しかし社会に出ると「奢る」「奢られる」場面というのは頻繁に遭遇します。そんな時「奢る」は敬語としてどういったらよいのか、いざそのような状況に遭遇したときに困らないように「奢る」の敬語的表現を頭に入れておきましょう。

奢ってもらった場合の敬語表現と例文

【丁寧語】

「奢る」自体をあまり良い言葉と捉えていない人の中には「驕る」「傲る」と混同してしまっている人も多いです。そのため「おごる」という言葉自体が良くないニュアンスのものとして認識されてしまっています。しかし「奢る」自体は「自分の金銭で相手にご馳走する」の意味合いですので必ずしも良くない言葉とは言えません。

そのため近い年の先輩や、仲間内同士の会話の中では、奢って「もらう」の部分を「いただく」という敬語にして、「奢る」をそのまま丁寧に「奢っていただく」とすることも特に問題ではありません。

【例】
・「先日の飲み会は○○先輩に奢っていただきました」
・「本当に奢っていただいてしまってよいのですか?」

ただし部分的に敬語になっているとはいえ、どうしても軽い表現となってしまい、堅い雰囲気の場面や、かなり目上の人への敬語、文語表現などには不向きですので使う相手やシチュエーションには気を付けましょう。

【尊敬語】

より丁寧に「奢ってもらう」を表現するにはどのようにすればよいでしょうか。食事や飲み代など、食べ物を奢ってもらった際の敬語表現として一般的なのは「ご馳走」を使った言い回しでしょう。「ご馳走」とは豪華な料理という意味の他に「食事などを出して客人をもてなすこと」を表します。

「~していただく」「~いただく」「~になる」などの表現方法があり、その場や前後の文脈によって使い分けます。また食事に誘われた場合などは「お招きいただき」などとする事で「奢ってもらった」ことを暗に示す敬語の使い方もあります。

【例】
・「先日の○○ではすっかりご馳走になり恐縮です」
・「○○部長にご馳走いただきました」

また食事以外のものの場合は、その時々でふさわしいものを選びます。「カラオケ代を奢ってもらって」→「カラオケでも楽しい時間をありがとうございました」などとし、直接的な表現を避けるのも日本的な方法と言えます。

奢る場合の敬語表現と使い方

【謙譲語】誘う場合

[no_toc]

では反対に人に「奢る」場合はいかがでしょう。自分の行為を表現する場合に使う敬語の手法は自分自身の動作を下げて言う「謙譲語」です。そもそも目上の人や上司などに奢るというシーン自体があまりないシチュエーションとも考えられますが、無いとも言えませんので、念のため知っているようにしましょう。

前述の「ご馳走」を使って「ご馳走いたします」「ご馳走します」は確かに敬語として間違ってはいませんが、かなり直接的な表現のため、言われた側としては少々引っかかる表現となってしまっています。

目上の人へ食事を奢るシーンとしては「お礼」や「お詫び」のシチュエーションが多いでしょう。相手が遠慮しないように注意しながら、下から許可を得る形で誘うのがベストな文句と言えるでしょう。

【例】
・「先日のお礼にお食事を差し上げたいのですが」
・「お詫びにお食事などご馳走させてください」

【謙譲語】その場の会計を持つ場合

また、その場での会計を自分が払う、ということを表す敬語表現としては、もう少々間接的な言い回しの方がスマートと感じられるでしょう。気を付けるポイントとしては下記の二つを抑えておきましょう。

・「ここは」とすることによって「その場は」というニュアンスを強調する
・「○○させてください」と下から依頼する形をとる

これらポイントを押さえることで相手への精神的負担を減らすことができます。こちら側が奢る場合にはへりくだった表現すぎても相手に嫌味に聞こえてしまうことがありますので敬語を使いすぎたり、仰々しい敬語は避けるほうがスマートです。

【例】
・「この店は私に出させてください」
・「ここはこちらで出させてください」

「奢る」「奢られた」時のお礼・返し方

では反対に、「奢ります」といったお誘いを受けた時、また実際に「奢ってもらった」時にはどのように返したらよいのでしょうか。お誘いに対しての返答のマナーや、おごってもらった後のお礼のマナーについて、シチュエーションごとに確認しておきましょう。

【返答】奢ってくれるお誘いへの返事

社会に出れば、食事や飲み会のお誘いを受けることもあります。特に学生のころの会費制や割り勘が前提のものとは違い、社外や取引先など「どちらかが代金を負担する」スタイルの食事会であるケースも格段に増える可能性があります。

そういった時にどのような返事をしておけば良いのでしょうか。相手から「奢ります」と言われた時の正しい敬語表現での返事の方法を心得ておきましょう。

また、前述のとおり、「奢ります」を直接敬語表現することは直接的過ぎるので避けられる傾向にあります。「奢り」かどうか確信が持てない場合にはこちらもどちらともとれる表現で返すのが無難です。

【例】
・「お言葉に甘えて、わたくしと部長の○○とで、お伺いさせていただきます」
・「それでは遠慮なく、ご一緒させていただきます」

【お礼】奢ってもらった場合

実際に「奢り」だと確信が持てた時、またその後のフォローの場合は、どのようにしたらよいでしょう。まず大前提として奢られた時にはお礼をする必要があります。その場でお礼をするのはもちろんのこと、ご馳走になったことへのお礼メール、また別件でビジネスメールを送る際の冒頭の挨拶として一言添えるのもマナーと言えます。

基本的にはご紹介したとおり「ご馳走」を使ってお礼を述べるのが良いでしょう。同じ言い回しになると敬語表現はしつこいと感じられ、相手に不愉快な思いをさせる可能性がありますので、語尾や表現を変えるなど何個かの言い回しを知っておきましょう。

【例】
・「お言葉に甘えてご馳走になってしまい、ありがとうございました」
・「先日はおいしい○○をご馳走いただきまして本当にありがとうございました」
・「先日の飲み会では、すっかりご馳走になってしまい恐縮しております」

スマートな言い回しで奢られ上手を目指そう

社会に出れば頻繁に遭遇する「奢る」「奢られる」の場面、そんな時周りに差をつけるのが「奢り方」「奢られ方」です。ご馳走してもお礼が無かったり、誘い方の敬語が誤っていて押しつけがましいものであったりすると、せっかくの機会が台なしになってしまいます。

そんなことにならないよう、「奢られるとき」そして「奢るとき」のマナーと、正しい敬語でのお礼の仕方や誘い方を頭に入れておき、「奢られ上手」「奢り上手」になりましょう。

モバイルバージョンを終了