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「丁寧に」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例・類語

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「丁寧(ていねい)に」の敬語表現

「丁寧に」という言葉がすでに「丁寧語」を示しているようにも見えますが、この「丁寧に」という言葉は飽くまでも副詞であって敬語ではありません。

・丁寧に○○をしなさい。
・丁寧に本を読み上げます。
・丁寧に仕事をさせていただきます。

このように「丁寧に」という表現でも場合によっては、尊敬語にも謙譲語にも丁寧語にもなり、「丁寧に○○をする」という意味合いの文章・主張が述べられます。

この「丁寧に」という言葉を敬語表現にする場合、「丁寧に」という言葉そのものを別の言葉・表現に変えるか、あるいは文章全体を「丁寧に」という意味を表す「敬語に見合った表現」にする必要があります。

「丁寧に」の敬語での使い方

「丁寧に」という言葉を直接的に敬語表現に置き換える場合、先述のように「丁寧に」という意味合いの言葉を別に用意しておくか、その文章表記そのものを変えて「丁寧」という意味合いを引き出す表現が一般的に採られます。

【「丁寧に」の敬語での使い方の例】
・わざわざありがとうございます。
・ご丁寧にご連絡をいただき、誠に感謝申し上げます。
・とても細(こま)やかなご配慮をいただき、ありがとうございます。

このように「わざわざ○○をして下さって」や「御(ご)」という言葉をつけて敬語表現するか、あるいは文章全体を言い換えて「細やかなご配慮」や「行き届いたご提案を」といった具合に、文章そのものを別の表現に置き換える言い方が一般的に認められます。

敬語の種類

日本語に見られる敬語には大きく分けて「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」の3種類があり、それぞれの意味合いや用途によって表現が変わります。

【尊敬語とは】
自分よりも立場が上の相手や目上の人に対して使う敬語表現で、相手に対して尊敬の念を表した丁寧な表現を指します。
【謙譲語とは】
基本的に、自分と相手の立場や関係を問わず、自分の姿勢を低めた言い方による敬語表現を指し、自分の立場や姿勢を自発的に低めて(へりくだらせて)言う敬語表現になります。
【丁寧語とは】
尊敬語でも謙譲語でも、そのどちらの用途にも使える便利な敬語表現で、主に「です・ます口調」を基準にした一般的に最も使われる敬語表現を指します。

「丁寧に」を敬語表現するときのシーン別での使い方

どんな言葉でも「シーン別(場面や状況別)の表現法」があり、この「丁寧に」という言葉の敬語表現でも場面ごとに違った表現があります。その上で敬語表現に置き換える場合には、その言葉が持つ意味や用途をまずしっかり把握しておき、正しい言葉の使い分けをすることが大切になります。

メールでの「丁寧に」の敬語の使い方

メールでは主に文章表現(文語表現)になるため、まず文法上のミスなどを犯さないことが大切です。この場合でも「丁寧に」という言葉の意味合いをしっかり覚え、「丁寧に」の意味合いが持つ本質的な使い方をしっかり把握しておきましょう。

【メールでの「丁寧に」の敬語の使い方】
・この度は、ご丁寧なご報告をいただくことができ、誠に感謝いたします。
・ご丁寧なご連絡を、誠にありがとうございます。
・細やかなご配慮をいただくことができましたことを、誠に感謝いたします。
・わざわざのご返信をありがとうございます。
・詳細にわたるご回答を、誠に感謝いたします。

このように使い分けられますが、この際の注意点は「しつこい敬語表現にならないようにすること」です。「わざわざ」や「細やか」というのは、一見よい印象がありますが、場合によっては「ありがた迷惑」を表す場合もあるため、使う頻度に配慮しておきましょう。

仕事での「丁寧に」の敬語の使い方

ビジネス上ではこの「丁寧に」という言葉を非常によく使います。会社内での接待の際は上司とのやり取りのとき、またメール上のやり取りや、先方の会社との連絡交換の際でも、「ご丁寧に」や「わざわざのお越しを」などといった「丁寧」という言葉をもって敬語を示す場合が多々見られます。

【仕事での「丁寧に」の敬語の使い方】
・この度は遠い所からのわざわざお越しを、誠に感謝いたします。
・○○さまからの格別のご配慮を承りまして、誠に感謝いたしております。
・ご丁寧な案件のご説明を感謝申し上げます。
・詳細にわたりますご回答を、誠に感謝いたします。
・ご丁寧なご返信をいただき、ありがとうございます。

このように「ご丁寧に」という言い換えや「格別の○○」や、他にも「詳細にわたる○○」、「特別のご尽力をいただき」などと、相手の行動に対する「丁寧さ」への感謝を述べる言い方は多く見られます。

「丁寧に」を敬語表現するときの例文

言葉は「実際に使って覚えること」によってさらに深く学習することができ、その反復練習によって、一度覚えた言葉は二度と忘れることがなくなります。その反復練習をする際には、ぜひ自分で「覚えるべき言葉を含めた例文」を作り、その例文をいろんな種類に分けて書いて覚えてみて下さい。この方法はかなり効果的です。

ご指導いただき

「丁寧に」という言葉を使う際に、この「ご指導いただき」という言葉とセットで使われる場合があります。もちろん「ご指導」ですから、その「丁寧な配慮」に対する感謝を述べる相手は自分より目上の人になります。

【「ご指導いただき」と共に使う「丁寧に」の敬語表現】
・この度はご丁寧なご指導をいただきまして、誠にありがとうございました。
・さまざまな事柄をご丁寧にご指導いただき、感謝いたしております。
・実に行き届いたご指導を感謝いたします。
・詳細にわたるご指導のほど、誠にありがとうございました。
・細やかなご指導のもと、とても感謝いたしております。

他にもいろいろな「ご指導」と「丁寧に」という敬語表現の組み合わせがありますが、一般的に使われる「ご指導いただいたことへの感謝」を示す敬語表現はこのようになります。

ひとつひとつ

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「ひとつひとつ」という表現にすでに「丁寧に」という意味合いが含まれており、この場合、「ひとつひとつのご指導をありがとうございます」という旨を敬語で表す場合には、「ひとつひとつ」か「丁寧に」のどちらかだけの表記・表現でかまいません(そうしなければ、表現が重複することになります)。

【「ひとつひとつ」と共に使う「丁寧に」の敬語表現】
・あたたかいご指導をひとつひとついただくことができ、ありがとうございます。
・非常にご丁寧なご指導をいただくことができ、ありがとうございます。
・ご配慮の行き届いたご連絡をいただき、誠に感謝いたします。
・とても役立つご助言をひとつひとつ教えていただき、誠に感謝いたします。

このように「ひとつひとつ」という言葉を言う場合にはあえて「ご丁寧に」などの文句は外しておき、同じ意味合いを重複させないよう注意して下さい。

ゆっくりと

「ゆっくりと○○する」や「じっくり時間をかけて○○を教えてもらう」などという表現には、「ひとつひとつ」と同じく、すでに「丁寧に」という表現が含まれています。ですがこの「ゆっくり」という言葉の場合は「ひとつひとつ」の表現とは違い、主に「時間」を表す表現となるため、「丁寧に」の意味合いと重複する印象は与えません。

そのため、「ゆっくりとご丁寧に」などの表現は一般的に見られ、「ご丁寧にじっくりと時間をかけていただき」や「ご丁寧にお時間を設けていただき」などの表現がビジネス上でもうかがえます。

「丁寧に」の別の敬語表現例

「丁寧に」という表現を敬語に直す場合には、まずその「丁寧」という言葉の意味合いと同じ意味を持つ言葉を把握しておき、それらの言葉を携えながらシーン別での適当な言い方にしていくことが大切です。

【「丁寧に」の別の敬語表現例】
・十分(じゅうぶん)なる配慮をしていただき、誠にありがとうます。
・きめ細やかなお申し出をいただき、感謝いたします。
・じっくりとしたご説明をいただき、誠に感謝いたします。
・ご丁重におもてなしをいただき、誠に感謝申し上げます。
・手厚い看護をいただくことができ、誠に感謝いたします。
・濃厚なるご回答をいただきありがとうございます。

これらの言葉が並びますが、どの言葉にも「丁寧」の意味にある「言動が雑でなく念入りなこと・配慮が行き届いている状態」を示す意味合いが含まれます。

「丁寧に」の類義語の敬語

先述で少しご紹介しましたが、「丁寧に」の別の敬語表現は非常に多く見受けられます。この「別の敬語表現例」を考える場合には、「丁寧」という言葉の意味合いを先に把握しておき、その意味と同じ意味合いを持つ言葉によって敬語表現を試す、ということもあります。

【「丁寧に」の別の敬語表現例】
・十分(じゅうぶん)
・丹念に
・きめ細やかな
・折り目正しく
・じっくりと
・ゆっくりと
・ゆったりと
・ねんごろに
・慎重な
・丁重に
・周到(しゅうとう)な
・手厚い
・濃厚な
・わざわざ
・細やかな
・詳細にわたる
・細心の
・綿密な

これらの言葉が並びますが、どの言葉にも「丁寧」の意味にある「言動が雑でなく念入りなこと・配慮が行き届いている状態」を示す意味合いが含まれます。

「丁寧に」の敬語表現の意味と用例を完全に把握しましょう

いかがでしたか。今回は「『丁寧に』」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例・類語」と題して、「丁寧に」という言葉の意味やその敬語表現、さらにその用途や類義語などについて詳細にご紹介しました。

「丁寧に」という言葉は一見「それだけで敬語表現」に見えますが、実はただの副詞的表現に過ぎず、一般的に認められる敬語表現には見なされません。そのため、この「丁寧に」という表現を敬語に置き換える場合の正しい表現法を、じっくりと覚える必要があります。

逆に言えばこの「敬語表現への言い換えの仕方」を覚えてしまえば、他のどんな言葉を敬語に直すときでも簡単に変換することができ、「1度覚えるだけで、その後は一生使える敬語への変換術」を学ぶことができてしまいます。

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