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「来た」の敬語表現はどんな言葉?
「来る」の謙譲語は「参る」ですので「来た」の場合は「参った」となります。「来る」の尊敬後は「来られる」ですので、「来た」の場合は「来られた」となります。
ただし、「来られました」は、文法としては間違っていませんが、迷惑の受け身と同じ言い方になってしまいます。迷惑の受け身とは、例えば「雨に降られる」の「られる」など、何かしらの被害を受けた時に使われます。「来たことが迷惑」という響きに感じてしまうこともありますので、使わない方がいいでしょう。
「来た」の別の敬語表現例を確認しよう
「いらっしゃった」など
「来た」の尊敬語ではありませんが、「行く」の尊敬語である「おいでになる」も、「おいでになりました」と、「来た」の尊敬語と同じような意味になりますので、同じ場面で使うことができます。「お客様がお越しになりました」でも「お客様がおいでになりました」でも差し支えません。
熟語での言い換え
ご来店はお店に、ご来校は学校に、ご来場は会場にそれぞれいらっしゃることです。これらの言葉を使うことによって、敬語の表現は崩さずに、シンプルな言い回しが可能になります。
「来た」の敬語での使い方は?
敬語の種類
丁寧語は、「です」「ます」「ございます」をつける形になります。つまり、「来た」の丁寧語は「来ました」です。自分が来た場合でも、相手が来た場合でも使えます。
尊敬語は、目上の人を敬う時に使う敬語で、相手を立てたいときに使います。「来た」の尊敬語は、先ほども紹介しましたが、「お越しになった」「おいでになった」などです。尊敬語は、必ず相手に使う敬語になりますので、尊敬語を使う時、来るという動作を行なっているのは相手方になります。
謙譲語は、自分がへりくだることで相手を立てる時に使う敬語表現です。「来た」の謙譲語は「参った」「伺った」になります。謙譲語は、必ず自分の動作に使う敬語になります。そのため、伺うのは自分です。
使い方
次に尊敬語となると、「来た」は「いらっしゃいました」や「お越しになりました」などと言い換えます。いくつか言い方がありますので、しっくりくる言い方で構いません。ただし、「なりました」を使う際は、「なられました」として二重敬語にしてしまわないように注意しましょう。
最後に丁寧語ですが、「来た」の丁寧語「来ました」です。「来ましたか」とすれば疑問形にすることもできます。
また、敬語を使う時は、尊敬語+丁寧語や、謙譲語+丁寧語にすることが、会話の中では多くなります。「いらっしゃいました」や、「伺います」「参りました」とします。
メールでの使い方
「先日は、ご来店いただきありがとうございます」など、熟語を駆使して、簡潔になるよう心がけましょう。また、「明日は13時に契約書を持って参ります」など、目的をきちんと明記することも大切です。
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「来た」を敬語表現するときの例文を確認しよう
上司の場合:鈴木部長がいらっしゃいました。
「来る」の尊敬語の「みえる」ですが、名古屋や岐阜の方言でも「みえる」という言葉を多用します。しかし、意味は少し異なります。方言の場合は「いらっしゃる」という意味です。「食べてみえる」は「食べていらっしゃる」というように、名古屋弁では「動詞+みえる」で尊敬語になります。知らないと、混乱してしまう人もいるでしょう。
自分:私が参りました。
「参る」と「伺う」の使い分け
「お手洗いに参ります」という言い方はしますが、「お手洗いに伺います」とは言いません。これは、トイレに敬意を払う必要がないからです。一方、得意先へ「15時に参ります」も「15時に伺います」も、どちらも使うことができます。
また、「伺う」という言葉は、「聞く」や「問う」という意味もありますので、使い分けには注意が必要です。
スマートな敬語をマスターしよう
ビジネスシーンでは、自分と、自分よりも上の人、そして、お客様など、その「上の人」よりもさらに上に位置する人、といった複雑な人間関係の中で会話をしなくてはならない場面が多々あります。失礼のない言葉遣いを心がけることも大切ですが、よりスマートで、場面にあった言葉選びができるようになるといいでしょう。