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「挙げる」の敬語表現・挙げるの使い方と例文・別の敬語表現例

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「挙げる」の敬語表現

「挙げる」の敬語はすぐに思い浮かびますか。敬語は敬うべき相手や行為がないと成り立ちません。「挙げる」の意味を知り、どのような状況で何に対して敬うのかを考えてみましょう。

「座る」「食べる」などの人が直接行う動作はわかりやすく、敬語にしやすい言葉です。「挙げる」は人の動作でしょうか。そこに敬語が成り立つ関係性はあるのか見ていきます。

「挙げる」の意味

「挙げる」は「上へと動かす、事を実行する、指し示す」の意味があります。もっと意味を詳しく見てみましょう。

「利益や成果を出す」「具体的に示して、話題の中からの選別をはかる」「犯人を捕らえる」「証拠などを見つける」「自分の子をもうける」「すべての能力を出す」「組織の人たちが皆ですること」「結婚式をする」

単独では意味をなさない「挙げる」

「挙げる」は目的になる語がないと何のことだかわかりません。例えば「飲む」「書く」「見る」は目的語がなくても意味がわかります。「飲む」はジュース、お茶、コーヒーのどれを飲んでも「飲む」という意味は変化しません。

「挙げる」は何を挙げるか、目的語によって意味が変わります。犯人を捕らえる「挙げる」と、利益を出す「挙げる」では意味が違います。

「挙げる」のミニ例文

「挙げる」をもっとわかりやすくイメージするために、簡単な例文を挙げます。

「利益を挙げる」「例を挙げる」「手を挙げる」「犯人を挙げる」「証拠を挙げる」「一男一女を挙げる」「全力を挙げる」「国を挙げて行う」「結婚式を挙げる」

敬語の種類

敬語は大きく分けて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つに分かれます。「尊敬語」は、行為の主体が話し手よりも上位であることを表す敬語です。

謙譲語は行為の及ぶ相手が話し手よりも上位であることを表す敬語です。

丁寧語は話し手よりも聞き手の方が上位であることを表す敬語です。もう少し詳しく敬語を見ていきましょう。

謙譲語

「謙譲語」は自分をへりくだって言う敬語です。自分を低く言うことで、結果として相手を高めて敬うことができます。「謙譲語」には「型」があります。

語彙(ごい)自体を変える語は「伺う」「拝見する」「いたす」などがありますが、「挙げる」は語彙の変化する語ではありません。

「お(ご)~する、いたす」「お(ご)~いただく」が謙譲語の型です。「挙げる」を当てはめてみると「お挙げする」「お挙げいただく」となります。シーンにより相応しい方を使います。

尊敬語

「尊敬語」は相手の行為を敬う敬語で、相手を高めることができます。「尊敬語」には型があります。「お(ご)~になる」「お(ご)~なさる」「~れる・られる」です。実際に「挙げる」を入れてみましょう。

「お挙げになる」「お挙げなさる」「挙げられる」になります。状況に相応しい尊敬語を選びます。

丁寧語

「丁寧語」は語尾に「です」「ます」「ございます」を付けて丁寧に言う敬語です。名詞の前に「お」や「ご」を付けて丁寧に言う敬語も「丁寧語」です。丁寧に言うことは相手を敬うことになり敬語とみなされます。

「挙げる」を当てはめると「挙げます」になります。

「挙げる」の敬語での使い方

「挙げる」の意味がわかってきたところで、実際の使い方を見ていきましょう。

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使い方

「尊敬語」の表現で

相手が主体になって「挙げる」行為に対して敬い高めるときに、「尊敬語」の表現を使います。「お(ご)~になる」「お(ご)~なさる」「~れる・られる」の型に当てはめてみましょう。「利益をお挙げになる」「例を挙げられる」になります。

「利益をお挙げになる」は職場の同じ位置の社員に向けてでしたら嫌味になります。「例を挙げる」では尊敬するほどのことではないため、「例をお挙げになる」のようにな表現は過剰な敬語になってしまいます。「例を挙げられる」程度の尊敬語にしておいた方が無難です。

「謙譲語」の表現で

自分をへりくだって相手を立てたいときは「謙譲語」の表現を使います。「お(ご)~する、いたす」「お(ご)~いただく」に当てはめてみましょう。「結婚式をお挙げいただく」「全力をお挙げいたします」になります。

「結婚式をお挙げいただく」とへりくだって言うのは、結婚式場の人、結婚式をしてもらうことで利益が出る人が使います。友人や知人が謙譲語で言ったらブライダルスタッフと思われるでしょう。

「全力をお挙げいたします」は自分の力では足りないけれど、頑張って持っているすべてを投入しますという意味です。「お挙げいたす」も大げさで「全力でいたします」の方が自然です。

メールでの使い方

これまで見てきたように「挙げる」では過剰な敬語は相応しくありません。メールでも過剰な表現にならないように気を付けます。

相手がしてくれたことを尊敬語で言いたいときは「挙げられる」、謙譲語では「挙げていただく」の丁寧過ぎない敬語にします。「挙げます」の丁寧語でも相手を敬うことになるため、使うことができます。

結婚式での使い方

「挙げる」は「結婚式を挙げる」と使いますが、尊敬語では「結婚式をお挙げなさる」にすると挙げること、実行することが変に強調されてしまいます。「結婚式を挙げられる」にして言葉を添えて次のように言います。

「素敵な結婚式を挙げられましたね、ご結婚おめでとうございます」

「挙げる」を敬語表現するときの例文

「挙げる」を敬語で表現するのは難しいです。「お挙げになってください」と言うのは違和感があり、「お挙げします」も意味不明です。敬語の例文は次のようになります。

「○○さんは努力して営業成績を挙げられました」

「○○さんはセミナーで積極的に手を挙げられていました」

「○○さんは優秀な多くの人材から苦労してメンバーを挙げられました」

「ヨーロッパの教会で式を挙げられるそうですね、おめでとうございます」

「証拠を挙げていただいたお陰で、犯人が捕まりました」

「挙げる」の類語の敬語表現

リストアップする

「挙げる」の類語の「リストアップする」は「条件に合うものを選び出す」の意味があります。敬語表現を見てみましょう。尊敬語は「課長がデータをリストアップされます」で、謙譲語は「私がデータをリストアップいたします」です。丁寧語で「私がリストアップします」の方が自然です。

捕らえる

「挙げる」の類語「捕らえる」は「取り押さえて逃げないようにする」の意味があります。尊敬語は「勇気ある青年が犯人を捕らえられた」になります。謙譲語は「お捕らえする」や「お捕らえいただく」は不自然で使えません。

「挙げる」の別の敬語表現例

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上げる

「挙げる」と「上げる」は似ていて区別が難しいですが、「会議で手を上げられました」は「会議で手を挙げられました」の言い換えの敬語表現です。

微妙に意味合いは違います。「手を上げられました」は手を上に上げられたという、手を上に上げる運動による状態を言っているに過ぎません。「手を挙げられました」は次のように考えられます。

「挙げる」の意味の中に「具体的に示して、話題の中からの選別をはかる」というものがあります。つまり大勢の中で手を挙げて示すことで、手を挙げてない人と区別をしている意味があります。

「上げる」か「挙げる」のどちらの言葉が適切か、人の解釈次第でどちらにも取れる場合があります。

「挙げる」の対義語・反対語の敬語表現

「挙げる」の対義語・反対語

「挙げる」の対義語は「下げる」です。「下げる」の意味の中で「挙げる」の反対にあたるものは「高い位置から低い位置へ移動すること」「低い段階に移すこと」です。

「挙げる」の対義語・反対語の敬語表現

「挙げる」の対義語「下げる」を敬語で表現してみましょう。

「孫の可愛さに目尻を下げられていました」
「何度も謝罪で頭を下げられていました」

「挙げる」は敬語向きではない

元々「挙げる」単体で意味を成さない言葉であるため、「挙げる」を丁寧な敬語にすると変に目立って違和感があります。敬語にするときは最低限の言い方にとどめておいた方が無難でしょう。
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