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「そうしましたら」の敬語表現
「そうしましたら」は誤用しやすい敬語でもあります。例えば「10日にお願いします」に対して「そうしましたら10日で」と答えると、誤用になることがあります。
「そうしましたら」はこちらがある程度主導権を握っているときに「じゃあその日に」というような形で承諾を伝える言葉です。特に目上の人などに「お願いします」と言われた場合は「承知しました。10日でございますね」などの返事が適切です。
「そうしましたら」の敬語での使い方
「またお会いしたいです」「10日が空いています」「そうしましたら、10日にお会いしましょう」などの使い方をします。
「セミナーは全員参加となっております。10日の13時に来て下さい」「そうしましたら10日の13時に参ります」はやや不自然な表現です。この場合は「承知しました。では10日の13日に参ります」が適切です。
敬語の種類
「そうしましたら」は尊敬語にすると「そうなさいましたら」、謙譲語では「そういたしましたら」になります。
使い方
「そうしましたら」のシーン別の使い方
このため、正確な言葉が好まれるビジネスシーンで使う場合は気を付けなくてはいけません。「そうしましたら」のメールでの使い方、ビジネスシーンでの使い方をご紹介します。
メールでの使い方
「そうしましたら、10日にお会いしましょう」は、メールで書く場合は「私も10日が空いております。10日にお会いしましょう」などの書き方をした方が伝わりやすいです。
「添付資料の確認ができました。こちらで問題ありません。ありがとうございました」「そうしましたら、こちらで納品完了とさせていただきます」は、「添付資料をご確認いただき、問題なかったとのことですので、こちらで納品完了とさせていただきます」と書いた方が後で読み返した時などに状況を把握しやすいので親切だと言えます。
ビジネスでの使い方
「10日に来て下さい」「そうしましたら10日に参ります」、「この書類を夕方までに仕上げておいてください」「そうしましたら夕方までに仕上げるようにいたします」、「明日は会議なので申し訳ないのですが少し残業していただけますか」「そうしましたら残業いたします」などの場面では「そうしましたら」ではなく「承知いたしました」と答えた方が自然です。
「そうしましたら」を敬語表現するときの例文
「またお会いしたいです」「10日でしたら空いています」「そうしましたら10日にお会いしましょう」の「そうしましたら」は、「また会いたいと思ってくれていて、10日が空いているならば、10日にお会いしましょう」を省略して伝えています。
「そう」が「10日が空いている」「した」が「会いたいと思っている」にかかっています。「ならば」は「会いましょう」にかかっています。
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提案を受け入れる場面
「確認していただきたい書類があるんですが」「私は手一杯なので、確認してあげることができません。佐藤さんなら手が空いていると思いますよ」「そうしましたら、佐藤さんに頼んでみます」などの使い方をします。この場合の「そうしましたら」は「貴方は今手一杯で、佐藤さんの手が空いているのならば」という意味になるので正しい表現です。
「私は今手一杯なので、佐藤さんに頼んでください」と言われた場合は「そうしましたら佐藤さんに頼んでみます」と答えると、「貴方が佐藤さんに頼めというならば」という意味になるのでやや高飛車な印象になってしまいます。「承知いたしました。佐藤さんに頼みます」と答えた方が丁寧です。
「そうしましたら」は上司に使ってもいいか
「10日か11日に飲み会を開こうと思うのですが、部長のご予定はいかがですか」「11日なら時間を作れる」「そういたしましたら11日にいたします」などの使い方をします。
「承知しました」と言った方がいい場面もある
「そうしましたら」は「そうしたならば」の丁寧語です。「ならば××しよう」は、「ならば行きましょう」「ならば帰るとしましょう」などのように自分の意思を伝える際に使う言葉です。このため選択の余地がこちらにある場面でしか「そうしましたら」は使いません。目上の人からの指示に対して「そうしましたら」と答えると不自然です。
「10日に飲み会をやるんだけれど、貴方は来られるか」「行けます」「集合場所は先輩に聞きなさい」「そうしましたら、先輩に聞きます」のような使い方は誤用にあたります。「承知しました」と答えるのが適切です。
「そうしましたら」の類語の敬語
でしたら
「10日が空いています」「でしたら10日にお会いしましょう」、「10日と11日、どちらがいいですか」「11日なら時間を作れる」「でしたら11日にいたします」などの使い方をします。
そういたしましたら
「11日は都合が悪い」「そういたしましたら、別のお日にちにいたします」などの使い方をします。
左様でございましたら
「11日なら空いているけれど、20時には帰らせてください。次の日が早いので」「左様でございましたら、別の日にいたしましょうか」などの使い方をします。
「そうしましたら」は多用しない方がいい?
接客
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「安いパソコンをください」「そうしましたら、オフィスツールは入っていませんが、こちらがおすすめです」なども、「安いものが良いならば、オフィスツールが入っていないものの方が安いので」という意味で「そうしましたら」と言っていると考えられますが、お客様からすれば分かりにくい表現です。
意味もなく「そうしましたら」と言わない
「そうしましたら」は「そういうことならば、××をしましょう」というようなことを伝える場面で使う言葉です。「そう」にあたる部分が何なのか分からない「そうしましたら」を何度も繰り返すと話し相手を混乱させてしまうこともあるため注意しましょう。
「そうしましたら」をより丁寧な表現にするには
「そうしましたら、郵送させていただきます」は「こちら、お持ち帰りいただくのは重いでしょうから郵送させていただきます」あるいは「郵送させていただきます」というと丁寧です。
「そうしましたら、オフィスツールが入っていないこちらのタイプがおすすめです」は「オフィスツールが入っていないものはお安いので、こちらのタイプがおすすめです」と言った方が丁寧です。
「そうしましたら」の敬語表現を使いこなそう!
「そうしましたら」の謙譲語は「そういたしましたら」です。「11日なら空いている」「そういたしましたら、11日にいたします」などの使い方をします。
指示に対して「そうしましたら××いたします」というような返答をするのは不適切です。「そうしましたら」は、ある程度の主導権を話し手が持っている場面で使います。
また、「そう」が何を指しているのか伝わらないような「そうしましたら」を多用すると相手を混乱させてしまうことがあるので気を付けましょう。
「そうしましたら」の敬語表現を押さえて使いこなせるようになりましょう。