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「良い」の敬語表現
「好い」という表現の場合はやや話者の主観が入る形となり、「それが好き」、「その形が好きだからそれでよい」となります。つまり、「話者にとってそれでよい」という形になるため、相手の方としては「それでかまわない」とならない場合もあります。
「善い」の場合は主に「善行(よい行ない)」を示す意味合いとなるため、これは人が守るべき道徳において「よいこと」という意味合いになります。
「良い」の敬語での使い方
・かまいません。
・良いです。
・良いでしょう。
・申し分ありません。
・申し分ございません。
・まったく問題ありません。
・まったく問題ございません。
・それで結構です。
・それで十分です。
・誠にありがとうございます。
・感謝いたします。
・それでよろしくお願いします。
・それでよろしくお願いいたします。
これらの言葉が一般的に使われますが、どの場合でも相手に「それでかまわない」、「その決定でよろしくお願いいたします」という旨を伝える形となります。
敬語の種類
尊敬語は「目上の人や立場が上位にある人に対し、話者が一報的に敬意を示す敬語表現」となり、もっぱらビジネス上のやり取りで頻繁に使われる敬語表現となります。謙譲語は「相手と自分の立場や姿勢を問わず、話者が自発的にその姿勢や立場を低めて敬意を示す敬語表現」となり、これはビジネスシーンでもプライベート(日常生活)でも多くの場面で使われます。
丁寧語は「不特定多数の人々に公示できる、丁寧な言葉遣いによる敬語表現」を指し、主に「です・ます調」で当たり障りのない敬語表現となります。
「良い」の敬語の使い方
・その決定で一向にかまいません。
・ぜひそのタイトルでよろしくお願いいたします。
・そのようにお決めくださり、誠に感謝いたします。
・その方向で、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
・そのご企画でまったく問題ございません。
・そのお取決めで結構でございます。
主に「相手の意志決定」にしたがう姿勢に対して「自分もその考え・決定でよいです」という旨を伝える形になり、相手の考え方・複数人によって決定された事項に沿う表現となります。
メールでの「良い」の使い方
・先日にお決めいただきました決定で、どうぞよろしくお願いいたします。
・そのようにご採択くださりまして、誠にありがとうございます。
・ご企画されましたプランでまったく問題ございません。
・今後ともどうぞよろしくお願いします。
メール(文語表現)の場合は対話の場合と違い、あるていど堅い表現になってもかまいません。むしろ文語表現で相手に内容を伝える場合は、文章表記の正確さ・表記ミスがないこと・言葉遣いや言葉選びの正しさなどが注目されるため、主に表現に注目することが大事です。
「良い」を敬語表現するときの例文
・そのご企画で間違いないかと想定できます。
・そのお考えでよろしいと存じます。
・そのご決定でどうぞよろしくお願いいたします。
・どうぞそのプランで今後の事業をお進めください。
・さすがでございます。
・了解いたしました。
・まったく問題ないと存じます。
「良い」という旨をビジネスシーンで相手に伝える場合は、主に一般的に使われている「良い」という表記で伝えてください。「好い」や「善い」という表現は文法・文意的に不適切となるため、漢字表記には十分気を付けましょう。
都合の良い
・そのお取決めは非常にご都合も良く、今後のプランにおいても問題ございませんので、ぜひその決定でよろしくお願いいたします。
・そのお考えは、電子メディアで宣伝する際にとても好都合でございます。
・会議でお決めになられた事項こそ、まさに弊社の現状にとっても好都合でございます。ありがとうございます。
このように、相手の意志を尊重する姿勢で敬意を示し、その相手の考え方や決定事項に「自分も賛同します」という敬語表現に置き換えられます。
対応が良い
・そのようにあたたかいご配慮をくださり、誠に恐縮です。
・たくさんのご支援をいただくことができましたことを、誠に感謝いたします。
・そのようにあたたかくお見守りくださり、誠に感謝申し上げます。
・これまでのご助力のほどを誠に感謝し、今後ともどうぞあたたかくお見守りください。
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「良い」の別の敬語表現例
・(まったく)問題ございません。
・(相手の言い分を受けて)感謝いたします。
・ぜひそのご意見に賛同いたします。
・どうぞ(そのご決定で)よろしくお願いいたします。
・そのようにお取決めくださり誠に感謝いたします。
・それで結構です。
・それで良いかと存じます。
・それで結構と存じます。
・御意のままに(「言われたとおりにいたします」という意味)
これらの言葉・表現が一般的に使われ、どの場合でも相手の言い分や考え方に対して敬意を示す敬語表現として認められます。
「良い」という言葉のニュアンス
「良い」という言葉は日常生活でもビジネス上のやり取りでも頻繁に使われる日常用語としてあり、上記しました「良い」のニュアンスに配慮する上でも、きちんとした敬語表現によって相手に伝えることが大切です。せっかく印象の良い言葉ですから、その表現法を間違えず、場面にしたがって正確に使い分けられるように学習しておきましょう。
「良い」と「好い」の意味の違い
「Aさんにとってそれが良くてもBさんにとってそれは良くない」という言葉がよく聞かれますが、まさにこの「好い」という言葉はその意味合いを含める表現で、話者と相手との間に少々の隔たりを生んでしまいます。
「好い」という表記をもって相手に伝える場合、それは敬語表現とはならず、もっぱら「自分の意志をそのまま相手に伝える肯定表現」に近くなり、敬語を用いなければならない場面では使うことができません。この辺りの漢字表記による言葉の微妙な意味の違いを、ぜひしっかりと覚えましょう。
「良い」の英語表記と意味
「良い」の英語表現と意味(1)
・There is absolutely no problem with that decision.
「そのご決定でまったく問題ございません。」
・Please do business with that policy by all means.
「ぜひ、その方針で事業を進めてください。」
・I also agree with your opinion.
「わたしも皆さまのご意見に賛同いたします。」
・I sincerely thank you for deciding that way.
「そのようにご決定くださり、誠に感謝申し上げます。」
「良い」の英語表現と意味(2)
・Proceeding with this decision in the future will lead to prosperity for us.
「今後ともそのご決定で事業を進めることが、弊社にとっての繁栄につながります。」
・After considering the current situation and future tasks, I think that it is a splendid plan.
「現状と今後の課題を検討させていただいた上で、それは見事なご計画と存じます。」
・Your company’s decision is completely.
「貴社さまのご決定は完全にございます。」
「良い」の英語表現と意味(3)
・In the future of our company, please consider what policy is good.
「わが社の今後におきまして、どういう方針が良いかご検討ください。」
・Whatever policy you choose, I will follow it absolutely.
「どのように方針をお決めになられましても、わたしはそれにしたがいます。」
・The idea will be approved even if you see it from every aspect.
「その創案はあらゆる局面から観ても賛同されるでしょう。」
「良い」の正確な敬語表現と用法を覚えましょう
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「良い」という言葉には、「良い」、「好い」、「善い」という3つの表記法がまずあり、それぞれの表記で伝えられる際の意味合いや用法を正確に覚えておくことが必要です。現代用語ではこの3つの表記がすべて同じ意味合いを持つものとして認められますが、原則的な微妙な違いがあり、その証拠にビジネスシーンで使われる「よろしい」の意味合いの言葉は「良い」という表記で統一されています。
日本語を覚える際にはまず漢字表記の意味合いが大切になり、1つ1つの言葉が「なぜその漢字で表記され、相手に伝えられるのか」ということを真摯に考え、その敬語表現なども学んでいきましょう。