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「一緒に」の敬語表現
こうしたときは、「一緒に」の前に「ご」という言葉をつけて、「ご一緒に」という言葉を使います。この「ご」という音は敬語の「丁寧語」にあたる言葉で、その音がつくものを美化する言葉です。「お茶」の「お」や「ご馳走」の「ご」などと同じ種類の言葉といえます。
この「ご一緒」という言葉を使えば、「一緒に」という言葉を、「ご一緒にいかがですか?」や「ご一緒してもよろしいですか?」といったように、敬語として使うことができます。
「一緒に」の敬語での使い方
敬語の種類
一番よく使う「丁寧語」
「丁寧語」は「誰に対しても失礼なく使える単に丁寧な言葉遣い」のことです。ですので、ビジネスシーンでも、日常生活を送る中でもよく使う言葉であると言えます。
自分のことについて述べる「謙譲語」
「謙譲語」の例には「拝見する」や「いただく」などが挙げられます。この言葉は「自分の立場をあえて低く見せる(へりくだる)」ので、目下の人や同じ立場にいる人には使いません。また、目上の方に関係することについて「謙譲語」で話してしまうと、「相手の方の立場を下に捉える」ことになり、失礼ですので目上の方に関することにも使わないようにしましょう。
「自分が見ること」や「自分がもらうこと」など、自分に関わることについてのみに使えるのが、「謙譲語」です。
目上の人について語る「尊敬語」
この言葉も「目上の人に対して使う敬語」であるので、「謙譲語」と同じように目下の人や同僚には使いません。「目上の人が見ること」や「目上の人がもらうこと」など、目上の人に関わることに対して使う言葉遣いであるといえます。
具体的にどう使うの?
「一緒に」を敬語で言い表すときには、丁寧語で「ご一緒に」とするか、「一緒に」の後に続く文章を敬語にするか、のどちらかになります。ですので丁寧語ではなく、謙譲語で言いたいときにも「一緒に」という言葉が変化するのではなく、その後に続く言葉が変化します。
例えば、「ご一緒してもいいですか?」という丁寧語を、謙譲語にしたい場合には、「ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」という風に言い換えます。このように、「一緒に」を敬語で使うときは、「一緒に」の後に続く言葉を変えて使います。
メールでの使い方
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この場合「ご一緒に」とは言いません。なぜなら、メールの中で最も敬うべきはメールを送る相手です。ですので、例え自分の上司と一緒に行く場合であっても、自分の身内にあたる人間に敬語は使いません。
例えば「挨拶には部長と一緒に行く」という旨を伝えたい場合は、「ご挨拶には部長とご一緒にまいります」とは言わず、「ご挨拶には部長と一緒にまいります」と言います。「行く」を謙譲語の「参る」に直しているので、この文章は自分に関係することを述べる、へりくだった文章です。ですので「一緒に」もあえて敬語にしません。
このようにメールでは、「誰に最も敬意を示すべきか」判断する必要があり、それによって「一緒に」を敬語で使うか使わないかが変わってくると言えます。
目上の人への使い方
これは、「ご一緒しませんか?」は「ご一緒」という言葉も、「しませんか」という言葉も、どちらも敬語の丁寧語にあたる言葉で、目上の方に対して使う場合には、敬意が足らない言い回しになるからです。目上の人に対して敬語を使うときには、上記でもご紹介した「尊敬語」を使うのが正しいマナーです。
ですので、この場合には「行く」を尊敬語の「おいでになる」に変えて、「おいでになりませんか?」と訊くか、「いらっしゃる」に変えて「一緒にいらっしゃいませんか」と訊くのが良いでしょう。
また、「ご一緒に」という言葉を使いたい場合には、「ご一緒にいかがですか?」でも問題ありません。これは「いかがですか」という言葉が、相手の意向を伺う表現だからです。
「一緒に」を敬語表現するときの例文
一緒に参ります
ご一緒に〜しませんか?
「誰にでも失礼なく使える」と言っても、「目上の方について語るとき」には「尊敬語」を使うのがマナーですので、「目上の方に誘いを入れるとき」には、このフレーズを使ってはいけません。
一緒にいらっしゃいませんか?
なぜ、「ご一緒にいらっしゃいませんか?」と言わないのか、というと、少しくどい文章になるからです。ですので、「ご一緒にいらっしゃいませんか?」も間違った敬語ではないといえます。ただし、使うのは避けた方が良いでしょう。「ご一緒に」という言い回しがしたいのであれば、「ご一緒にいかがですか」を使うのがより良い言い回しです。
「一緒に」の別の敬語表現例
お供させて下さい
お相伴させて下さい
「一緒にもてなされること」という意味があるので、外で食事をするときなどに使える言い回しといえるでしょう。
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ご同行願えますか?
付き添いします
「ご一緒にする」という言い回し
これは例えば、上司に対して「私もご一緒します」というのはふさわしくないと言えるということです。このように言ってしまうと、自分が上司と同じ立場にあると考えているような言い方になってしまいます。
ですので、こうした場合は「ご一緒させて頂きます」や「お供させて頂きます」という風にいうのが正しい言い回しです。相手の方が自分にとってどのような立場の人かに気をつけて使うべき言い回しであると言えます。