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「行った」の敬語表現
同じ「行った」という言葉でも誰の行動に対して敬語にしなければならないのかということで敬語が異なる場合は、使い方に注意しましょう。使い方を間違えてしまいますと敬語を使って相手に対して敬意を表すつもりが、逆に失礼な言葉になってしまうことがあります。
尊敬語
「行った」という言葉は、「行く」という言葉の過去形の言葉です。この言葉を尊敬語に変える場合は、まず「行く」という言葉を尊敬語に変換し、さらに過去形になるように変えることで「行った」という言葉を尊敬語に変えることができます。
謙譲語
尊敬語の場合と同じように、まず「行く」という言葉を謙譲語に変換します。さらに過去形に変換することで、「行った」という言葉を謙譲語に変えることができます。
「行った」の敬語での使い方
「相手」の行動を敬語にする場合と「自分」の行動を敬語にする場合では言葉が変わりますので、それぞれの敬語についてご紹介します。
敬語の種類
使う状況によってこれらの敬語を使い分ける必要があります。ただし、特に「尊敬語」や「謙譲語」は使い方を間違えると返って相手に失礼な表現になってしまうことがあります。
また、敬語の使い過ぎは二重敬語といってマナー違反になることがありますので、使い方には注意が必要になります。
使い方
顧客先などに「行った」が留守だった場合は、自分が「行った」という行動なので謙譲語に変換して使います。この場合、たとえば「昨日、14時頃お伺いしましたがお留守でしたので、本日改めて伺いたいのですが、ご予定はいかがでしょうか」のように「行く」を「伺う」という謙譲語にして使います。
目上の人や取引先の人に対して「○○に行ったことはあるか」という質問をしたい場合は、「○○に行かれたことはありますか」または、「行かれたことはございますか」といった使い方をします。
メールでの使い方
【例文】
・先日、○月○日(○)にお伺いさせていただきましたが、急用が入られたとのことでお会いすることができませんでした。お忙しいところ申し訳ございませんが、改めて日程を調整させていただきたくご連絡いたしました。
○月○日(○)14時~、○月○日(○)11時~、○月○日(○)15時~の中で調整していただくことは可能でしょうか。お忙しいところ大変恐縮ですが、折り返しご連絡いただけたら幸いに存じます。
本来であれば、都合が悪くなった場合、事前に連絡することがマナーですのでこのようなメールを書く機会はあまりないと考えられますが、一度「行った」結果会えなかったため日程の再調整をしたい場合は参考にしてください。
ビジネスシーンでの使い方
本来であれば、ビジネスマナーとして約束してあったにもかかわらず、何の連絡もなかった状態で会えなかったということは、相手があなたに対して明らかにマナー違反をしています。しかし、今後のお付き合いを考えると相手を必要以上に怒らせてしまうことは、ビジネスとしてはあまり得策ではありません。
もし、このようなことが何度も続く場合は自己判断せず、上司などに対応を相談するようにしましょう。経営者であれば、マナーの悪い顧客との付き合いを断るという選択肢はありますが、社員の立場で自己判断で行うことは避けるようにしましょう。
「行った」を敬語にするときの例文とは?
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相手のところに「行った」が会えなかったという事実だけを伝え、再度アポイントを取り直したいということだけを伝えるようにしましょう。その際には、例文でご紹介したようにこちら側の日程を3つほど候補を記載し、その中での調整が可能であるかどうか確認すると良いでしょう。
仮に候補の中のいずれも都合がつかない場合は、相手から予定を提示されることがほとんどですので、返信を元に再調整をするようにしましょう。
「行った」の別の敬語表現例
言葉別に使い方についてご紹介します。
伺う
相手のところに行きますということを敬語で伝えたい場合、「本日、○時にお伺いします」のような使い方をします。
参る
つまり「参る」は行く先の相手を敬うときに使うのではなく、今現在直接話をしている相手のことを敬うときに使う言葉だということです。
【例文】
・来週の展示会は、担当の田中が参りますのでよろしくお願いいたします。
・(担当の田中が)ただいま参りますので、少々お待ちください。
このように、別の担当者がその場所に行くような場面や、来客者に担当者が来るまで待ってもらう場面などで「参る」という言葉を使います。「参る」という言葉は使い方を間違えてしまいますと、相手に不快感を与えてしまうことがありますので注意するようにしましょう。
「行った」を敬語にする場面とは?
このような時は、「○○に行かれたことはありますか」という使い方で相手に不快感を与えてしまう可能性はありません。他にも「○○にいらっしゃったことはありますか」という表現も使うことができます。
より丁寧な表現にしたい場合は、「いらっしゃる」を使うと良いでしょう。
自分が過去に「行った」ことがあることを敬語にする場合
このように同じ過去に自分が行ったことがあるという場合でも、行った先の相手がいるかいないか、敬う必要があるかないかでも敬語の使い方が変わります。
ビジネスの場合は「行った」ではなく「行く」が多い
「行く」の尊敬語は、「いらっしゃる」「おいでになる」です。相手の「行く」という行動を敬語にする場合は、「いらっしゃる」または「おいでになる」を使います。
「行く」「来る」の言葉の謙譲語は、「伺う」または「参る」です。「参る」は、自分が行った先の相手の人に対して敬う必要があるときは「伺う」を使い、直接話をしている相手に対して敬う必要があるときは「参る」を使います。
「参る」という言葉は、着いた場所に相手がいない場合も「参る」を使います。たとえば、来週、東京に出張で参りますといった場合です。相手のところに行く場合は「伺う」を使うと良いでしょう。
「敬語のルール」を身に付けましょう
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また、「行く」「来る」の謙譲語には同じ謙譲語であっても「伺う」「参る」のように種類がある場合があります。どちらを使っても問題がない言葉であれば良いのですが、「伺う」と「参る」のように「行った先の相手に対して敬う」時に使うのか、「今現在話をしている相手に対して敬った表現にする」のかで使い分けなければならない言葉もあります。
「行く」「行った」「伺う」「参る」などの言葉は、ビジネスではとても多く使う機会があります。ご紹介のルールを一度しっかり覚えてしまうと、使うときにスムーズに使うことができます。これを機会に1つずつ「敬語のルール」を身に付けておきませんか。