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「どうですか」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現

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「どうですか」の敬語表現

「新しいスマホどう?」や「明日どう?」「これどうかな?」のような会話を交わしたことはありませんか。「どう」は親しい関係、友達や後輩などとの会話に良く使われます。相手の様子や状況を、気軽に聞いたり確認したりできる、便利な言葉です。

この「どう?」を「どうですか?」に言い換えてみます。「新しいスマホはどうですか?」「明日どうですか?」「これどうですか?」になりますと、語尾は丁寧になりました。しかし敬語として上司や取引先との会話に使うことは難しいです。敬語としては少し足りない、敬意が足りない響きがありませんか。

それでは「どうですか」をどのように言い換えれば、敬語として、社会人の使う言葉としておかしくない表現になるのでしょうか。今回は「どうですか」のビジネスシーンでの使い方や敬語としての使い方について、使用例を交えながらひとつづつ確認していきます。

「どうですか」の意味

「どうですか」の「どう」は「どんな具合ですか?」「予定は空いていますか?」「どう思いますか?」などを「どう」というひとつのことばで言い換えることができる、使いやすい言葉です。「どう」だけで使うこともできますが、うしろに「ですか」がつくと、より丁寧な言い方に聞こえ、ぶっきらぼうな感じが減ったように感じます。

「どうですか」の意味についてですが、これは相手に質問をして、回答を求める言葉です。たとえば相手がどういう状況かを尋ねるために使う「具合はどうですか。」「体調はどうですか。」、相手の今後の予定を確認するために使う「明日はどうですか。」「この後どうですか。」「親睦会は4日でどうですか」、相手に何かを提案するために使う「1割引でどうですか。」「新システムの導入はどうですか。」、相手に何か意見や感想を求めるために使う「先日のプレゼンはどうですか」などがあります。

丁寧語

上記のとおり、状況や感想を求める「どう」のあとに丁寧語の「ですか」をつけたものが「どうですか」です。丁寧語がついているので、敬語かと思われがちですが、言葉の敬意を考えてみると、「まじっすか」や「やばいですね」などと大きな意味で同じです。ですのでたとえ語尾が丁寧語である「です」「ます」の派生語が付いていたとしても、敬語として目上の人に使うことは適切ではないので避けましょう。くだけた会話の中の敬語の位置づけです。

「どうですか」を社会人として使えるかどうかですが、これは同期生との会話や、親しくしている先輩との会話までとなります。友達同士の子どもっぽい会話より1ランク上がったような言葉遣いです。「です」「ます」を「どう」の後ろにくっつけただけの「どうですか」を、社会人として上司や取引先との会話に使ってしまうと、きちんとした敬語ではないため気まずい空気が流れるはずですので注意しましょう。

尊敬語

それでは、上司や取引先に対して状況や感想を聞きたい場合はどうしたらよいのでしょうか。「です」「ます」をつけただけでは敬語にならないのであればどのような言葉をつかうのでしょう。

この場合は、「どう」を「いかが」に変換し、「ですか」を「でしょうか」に変えて「いかがでしょうか」を使います。さらに丁寧に言うと「いかがでしたでしょうか」となります。「いかがでしょうか」「いかがでしたでしょうか」であれば、状況や意向を伺う敬語として成立しており、ビジネスシーンで使える言葉となります。

たとえば、体調を気遣う時には「お体の具合はいかがでいらっしゃいますか。」予定を確認する「この後のご予定はいかがでしたでしょうか。」提案を行う「この金額でいかがでしょうか」などがあります。

「お体の具合」や「ご予定」など、前後につく言葉も敬語に合わせて丁寧になりますので、使分けができるようになりましょう。

「どうですか」の敬語での使い方

「どうですか」は敬語では無いため、敬語として使う場合はどのような場面なのか、どのような状況なのか、に合わせて言葉を選びます。

ごく親しい間で、丁寧な言葉を使いたい場合は「どうですか」がよいでしょう。親しい間で「いかがでしょうか」を使うと逆に違和感が出る可能性があります。

状況や様子を尋ねる場合の「どうですか」を目上の人に対しての敬語にする場合は「いかがでしょうか」「いかがでしたでしょうか」を使います。

相手に感想や意見を求める場合の「どうですか」を目上の人に対しての敬語にする場合は、「ご意見はいかがでしょうか」ですと、何を聞きたいのかがはっきりしない、漠然とした言い方になってしまうため、別の言葉に置き換えます。「お考えをお聞かせ願えますか」や「忌憚の無いご意見をお聞かせください。」などであれば、意見を聞きたいという気持ちが伝わる敬語になります。

敬語の種類

敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があります。話し手から見て、相手を上げることで相対的に自分を下げ、敬う気持ちを表すのが尊敬語です。また逆に、話し手から見て自分を下げて、相対的に相手を上げることで敬う気持ちを表すのが謙譲語です。他に、語尾に「~です」「~ます」をつけて丁寧な文章にするのが丁寧語です。

誰が誰の話をしているのか、誰が誰に敬意を表しているのかを使う敬語によって判断しますので、尊敬語・謙譲語・丁寧語を使いこなすのが社会人としての第一歩になります。

また、どんなに丁寧語の「です」「ます」をつけたとしても、その言葉自体がビジネスシーンではふさわしくない言葉があります。「どうですか」の「どう」は、目上の人に向けた言葉としては敬意が足りませんので、別の言葉に言い換える必要があります。

使い方

「どうですか」の敬語は「どう」を「いかが」に言い換えた「いかがですか」が該当します。さらに敬意を表す場合は「いかがでしょうか」を使います。もっと丁寧に言いたい場合は、「いかがでしたでしょうか」を使います。

「この後1杯どうですか。」を敬語にすると「このあとのご予定はいかがでしょうか、もしよろしければご一緒にいかがですか。」、「具合はどうですか。」を敬語にすると「お体の具合はいかがでいらっしゃいますか。」、「明日3時でどうですか。」を敬語にすると「明日の3時のご予定はいかがでしたでしょうか。」となります。

また、「いかがですか」と予定聞かれた時の返答方法ですが「大丈夫です」や「無理です」は敬語としては使えませんので気をつけましょう。OKならば「ありがとうございます。」や「差し支えありません。」NOならば「既に予定があるので、×日にお願いできればありがたいです。」のように回答します。

メールでの使い方

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「どうですか」をメールで使う場合に、気をつけなければならないのが、この言葉が同期や友達、親しい先輩などの気を使わない間柄で使う言葉であるということです。そのような関係の中で、「来週金曜日の若手の集まりは、いつもの店でやろうと思うんですが、どうですか。」など、普段の話し言葉を少し丁寧にしたメールのやりとりでは使うことができます。

一方で「どうですか」を仕事関係のメールの中で敬語で使う場合は、目上の人に対する表現の「いかがでしょうか」を使います。たとえば取引相手に対して何か催促をする場合、その表現が「どうなっているのですか」では強すぎます。

「○○の件については△日にご連絡頂ける予定でしたが、その後進捗状況はいかがでしょうか?」のように使うと、軟らかな表現になります。無用なトラブルを引き起こさないためには、ビジネスメールで強い表現は避られることが多いです。

ビジネスでの使い方

「どうですか」をビジネスシーンでもし使うとすると、とても親しい相手と砕けた会話で使うことくらいで、会議や商談など、きちんとした場では「どうですか」を使うことは避けたいです。

「どうですか」をビジネスでつかうのであれば、敬語に直した「いかがでしょうか」「いかがでしたでしょうか」を使うのが自然です。

たとえば提出した企画書について、上司に意見を聞きたい場合は「部長、あの企画書どうですか。」ではなく、「先日の企画書について、ご教示願えませんか。」「ご意見をお伺いできませんでしょうか。」のように伝えれば、失礼なことはありません。

「どうですか」を敬語表現するときの例文

プロジェクトが今どういう状況になっているかを確認する「どうですか」や、プレゼンのその後を確認するを「どうですか」を表現する時に、敬語を使わなければならない時はどのように表現するのでしょうか。

進捗

仕事の進み具合を確認したいとき、親しい間柄であれば「あの仕事、どうなった。」「どうなってる。」で済みますがビジネスシーンで上司や取引先に、これらの言葉を使うことはできません。

同僚や親しい先輩と交わす言葉の「どうですか」を使う場合は「プロジェクトの状況はどうですか。」「工事の進行状況はどうでしたか。」となります。

催促する場合は強い言葉を使うとトラブルになりかねませんので、やわらかな言葉を使うようにします。工事状況を確認する場合は「進行状況はいかがでしょうか。」「進捗状況をお伝え願えませんでしょうか。」「どのようになっておりますか。」「いかがなさいましたか。」などを使います。

また、その結果工程が非常に遅れているなど、対処が困難で相談が必要な場合は「いかが対処すべきか、ご指示いただけませんでしょうか」「どうすべきかご示唆いただけますか」「どのようにお考えでしょうか」などを使います。

その後

以前に会ったり話したりした時から、今までの間になにか決まったり変化があったりしたのかを確認する場合、親しい間柄であれば「その後どう?」「その後どうなった?」ですみますが、敬語の場合はどのように表現するのでしょうか。

同僚や親しい先輩との会話であれば、「仕様変更の話をしたけれども、その後どうですか。」や「その後調子どうですか。」などを使うでしょう。

しかし上司や取引先との会話であれば敬語が必須ですので、「どうですか」は使えません。たとえば「先日お話した仕様の変更についてでございますが、その後いかがでしょうか、ご確認いただけますでしょうか。」や「その後お体の調子はいかがでいらっしゃいますか。」など、敬語をきちんと使うようにします。

「どうですか」の別の敬語表現例

そのままでは敬語として使うことが難しい「どうですか」を、失礼のないように言い換えます。相手や意味によって使う言葉が変わってくることに注意しましょう。

どうでしょうか

「どうですか」の「です」を「でしょうか」に変化させて、少し丁寧にした表現です。「どうですか」よりも、私の意見は○○なので、あなたの意見を決めてください、という意味が強くなります。

たとえば「明日の予定はどうでしょうか。」や「そのアプリを利用したらどうでしょうか。」「1時でどうでしょうか。」は話しての意志がよりはっきりした表現になっています。

いかがでしょうか

「どうですか」をストレートに敬語にすると「いかがでしょうか」です。状況や様子を相手に尋ねる丁寧な言葉として使えます。「3月20日のプレゼンは14時からでいかがでしょうか。」であれば、14時からを「提案」していることがわかります。

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よろしかったでしょうか

再確認する表現で、「3月20日のプレゼンは14時からということでよろしかったでしょうか。」のように「具体的な内容」+「これでいいよね」を丁寧に表現しています。

「どうですか」と「いかがでしょうか」の敬語の違い

「どうですか」「いかがですか」の使い分けは、誰と話をするのか、どんな内容の話をするのかによって決まります。
「どうですか」がふさわしい場面、「いかがですか」がふさわしい状況は異なりますので注意しましょう。

どうですか

「どうですか」は親しい関係の中で使う言葉です。きちんとした敬語には足りないけれども、同級生どうしで交わす言葉よりも少し丁寧にしたい場合に使われます。

たとえば「このあと一緒にどうですか。」「塩加減はどうですか。」「調子はどうですか。」は、どのような状況で話されるでしょうか。まず、親しい先輩に後輩が話しかけている状況が考えられます。

他に、同級生どうしの会話であっても、その会話に目上の人も参加しているので言葉を崩せないような状況にある時です。きちんとした言葉は必要だけれども、同級生どうしのため尊敬語や謙譲語を使うとおかしなことになる時に、丁寧語をつけた「どうですか」はふさわしいです。

いかがでしょうか

「いかがでしょうか」は目上の人に使う敬語表現です。自分を下げる必要がある状況、たとえば上司や取引先との会話で使うことができます。

相手の状況を聞く「いかがでしょうか」には「工事の進行状況はいかがでしょうか」や「明日の予定はいかがでしょうか」などがあります。

また、「この靴であればこのバッグはいかがでしょうか。」や「ご家族でご相談いただくのはいかがでしょうか。」などやんわりと提案する状況にも使うことがあります。

逆に親しい間柄の会話で使うと、冷たい感じがしたり、壁を感じたりしてその場にそぐわない表現になりますので注意しましょう。

相手にあわせて「どうですか」を使いこなす

「どうですか」はそのままでは目上の人に使うことができない言葉です。丁寧な敬語を使うと、かえっておかしなことになる関係だけれども、きちんとした言葉が必要なシチュエーションで使いましょう。

目上の人に、状況や意向を確認する場合は「いかがですか」「いかがでしょうか」を使いこなせるように、普段から意識をするのも良いでしょう。

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