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「訪れる」の敬語表現・訪れるの使い方と例文・別の敬語表現例

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「訪れる」の意味と「訪ねる」との違いは?

知人に会いに行ったり、観光地に行くことを「訪れる(おとずれる)」または「訪ねる(たずねる)」と表現します。「訪れる」の敬語表現を考えていく前に、「訪れる」の意味、「訪ねる」との違いをみていきましょう。

「訪れる」の意味は?

「訪れる」は「人やある場所を訪ねる・訪問する」または「季節やある状況がやってくる」という意味です。「古い友人の家を訪れる」「幕末ゆかりの史跡を訪れる」や「6月になり梅雨が訪れる」のように使います。

しかし、「人+訪れる」で表すと「先生を訪れる」「友人を訪れる」のようになりますが、違和感があります。「先生を訪ねる」「友人を訪ねる」の方がしっくり合います。「訪れる」と「訪ねる」の違いは何でしょうか。

「訪ねる」との違いは?

「訪ねる」の意味は「人や何かのある場所を目指して行く」ことです。「訪ねる」は主体的に目的を持って移動することを表します。対して「訪れる」はそこに行く事実を表し、目的などではなく移動した様子を表す言葉です。

「人」で比較するならば、「訪ねる」は会う目的などのある「人」のところへ行くこと、「訪れる」は会う「人がいる場所」に行くこととなります。「訪れる」は「ある場所」へ「行く」ことまたは「来る」ことを表すと言えるでしょう。

「訪れる」の敬語表現は?

「訪れる」は「ある場所やある人のいる場所へ行く・来る」 の意味を含むことから、「行く」や「来る」の敬語と重なるところもあります。「訪れる」の尊敬語・謙譲語・丁寧語をそれぞれみていきましょう。

「訪れる」の尊敬語

尊敬語は動作をする人を敬う敬語です。「相談する」という言葉に対して、「相手が相談する」ことを敬うため、「相談される」と表します。

「訪れる」の尊敬語は「相手が訪れる」ことを表すため、「いらっしゃる」「お越しになる」「お見えになる」「おいでになる」などと表します。これらの敬語は「行く」「来る」の尊敬語でもあります。

「訪れる」の謙譲語

謙譲語は自分の動作をへりくだって相手を上の立場として尊敬する敬語です。「相談する」に対しては「自分が相談する」ことをへりくだって表すため、「相談いたす」と表します。

「訪れる」の謙譲語は「自分が訪れる」ことを表すため、「参る」「伺う」と表します。これらの敬語も「行く」「来る」の謙譲語でもあります。

「訪れる」の丁寧語

丁寧語はその言葉を丁寧に表した敬語です。「相談する」の場合は「相談します」、過去形だと「相談しました」になります。「です・ます」をつけて丁寧に表した、動作が相手でも自分でも使える敬語です。

「訪れる」の丁寧語は「訪れます」、過去形だと「訪れました」となります。

「訪れる」の敬語での使い方は?

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「訪れる」の意味や尊敬語・謙譲語・丁寧語をみていきました。では「訪れる」の敬語表現はどのように使われるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

「訪れる」の敬語の種類は?

「訪れる」はいくつか状況によって使い方が異なります。

「相手が訪れる」場合は尊敬語である「いらっしゃる」「お越しになる」「お見えになる」「おいでになる」などを使います。「自分が訪れる」場合は謙譲語である「参る」「伺う」、また丁寧語の「訪れます」も使われます。

「季節やある状況がやってくる」場合は丁寧語の「訪れます」「訪れました」を使います。人ではない気候に「おいでになる」だと「冬がおいでになる」と、とても違和感のある表現になります。季節や状況が「訪れる」時使われる敬語は丁寧語のみです。

「訪れる」の敬語の使い方は?

「相手が訪れる」場合、「市長が視察のため小学校を訪れた」を敬語にすると「市長が視察のため、小学校にいらっしゃいました(お越しになりました)」のようになります。行く場所を明確にした上で「いらっしゃる・お越しになる・お見えになる」などを使います。

「自分が訪れる」場合、「今日、視察の小学校を訪れる」を敬語にすると「今日、視察の小学校に伺います(参ります)」のようになります。この場合も行く場所を明確にし、「伺う・参る」をつけて使います。

「季節や状況が訪れる」場合は「冬が訪れる」を敬語にすると「冬が訪れます」のようになります。「冬がいらっしゃいます」や「冬が参ります」では不自然なので気をつけましょう。

「訪れる」のメールでの使い方は?

メールは短い文章で分かりやすく伝えると画面上でも読みやすくなります。相手を敬う気持ちを表すために回りくどい文章にすると、何を伝えたいかわからなくなるため、的確な言葉で最小限の文章にすることが大切です。

「訪れる」はある場所に行く事実伝えるため、相手が訪れたことに対しては、メールの場面では感謝などを伝えることが多いです。自分が訪れたという事実を相手にわざわざメールで伝える必要はないので、目的を持って「訪ねる」ことを伝えたり「訪れたこと」に対しての感謝などをメールで伝えます。それぞれの敬語をみていきましょう。

相手が「訪れる」場合

相手が訪れることに対しては「お越しになるのをお待ちしております」「いらっしゃるのを楽しみにしております」などと表します。訪れたことに対しては「お越しくださいましてありがとうございました」などと表します。

メールでは相手に連絡事項や気持ちを伝えるため、「訪れる・訪れた」ことと、その時の気持ちを加えると、相手に尊敬などの気持ちも伝えられ、また読みやすく短くまとめることもできます。

自分が「訪ねる」場合

自分が訪ねることに対しては、「伺いますので、よろしくお願いいたします」「参りますので、よろしくお願いいたします」などと表します。訪れたことに対しては「伺わせていただきありがとうございました」などと表します。

自分が「訪ねる・訪ねた」場合も、その時の気持ちを加えることで、相手への敬いと気持ちの入ったメールの文章になります。

敬語表現での「訪れる」の例文は?

「訪れる」はその状況や場面で表現が変わります。状況での「訪れる」の使い方を例文からみていきましょう。

相手が「訪れる」場合の例文

お客様が自分達の店に訪れるような「お客様の田中様が明日、店に訪れる」の場面では、尊敬語を使って表します。「お客様の田中様が、明日本店にお越しになります」となります。

先生が生徒の自宅に訪れるような「山田先生は今日は鈴木さんの家を訪れる予定だ」の場合は「山田先生は今日は鈴木さんの家にいらっしゃる予定です」となります。

目上の人がある場所に訪れるような「社長は京都の祭りに視察に訪れる」の場合は、「社長は京都のお祭りに視察のためにおいでになります」となります。

自分が「訪れる」場合の例文

自分が相手の会社に訪ねる(訪れる)ような「明日そちらの支店に訪ねる(訪れる)」場合は、「明日、貴社の○○支店に伺いますので、よろしくお願いいたします」のようになります。

自分が先生のいるところへ訪ねる(訪れる)ような「これから論文の提出のため、先生の自宅を訪ねる(訪れる)」場合は、「これから論文の提出のため、先生のご自宅に参りますのでよろしくお願いいたします」のようになります。

自分が史跡を訪れるような「昨日は大仏を見に鎌倉を訪れた」の場合は「昨日は大仏をみに鎌倉を訪れました。」のようになります。この場合は行く場所が人ではないため謙譲語のように自分をへりくだって敬意を表す必要がないため、丁寧語が適しています。

季節が訪れるような「少しずつ木々の芽が出て春が訪れる」の場合は「少し木々の芽が出て春が訪れます」のように、丁寧語で表します。

別の敬語表現での「訪れる」の例文は?

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「訪れる」の関連語には「やってくる」や「訪問する」「参上する」「上がる」など、行くこと・来ることに関連した言葉があります。前述の例文を別の敬語表現で表してみましょう。

相手が「訪れる」場合の別の表現例文

「お客様の田中様が明日本店に訪れる」の場合は、「お客様の田中様が明日本店にお顔を見せてくだいます」とも表現できます。訪れることを顔を見ることで間接的に表しています。

「山田先生は今日は鈴木さんの家に訪れる予定だ」の場合は、「山田先生は今日は鈴木さんの家に訪問される予定です。」とも表現できます。「訪問する」は「訪れる」に言い換えても違和感かない言葉です。

「社長は京都の祭りに視察のために訪れる」の場合は、「社長は京都のお祭りに視察のためにご来場されます」とも表現できます。お店であれば「ご来店」、自宅であれば「ご来宅」、会社や自宅などは「ご来訪」というように便利な敬語表現です。

自分が「訪れる」場合の別の表現例文

「明日そちらの支店に訪ねる(訪れる)」の場合は、「明日貴社の支店に参上いたしますのでよろしくお願いいたします」とも表現できます。自分が行くことをへりくだって表した敬語表現です。

「これから論文提出のために先生の自宅を訪ねる(訪れる)」の場合は、「これから論文提出のために先生のご自宅をお邪魔させていただきますのでよろしくお願いいたします」とも表現できます。目上の相手に使うには少し軽い敬語表現です。親しい相手に使う方がよいでしょう。

「昨日は大仏をみに鎌倉を訪れた」の場合は、「昨日は大仏をみに鎌倉に足を運びました」とも表現できます。「訪れる」ことを「足」を使って表した表現方法です。

「少しずつ木々の芽が出て春が訪れる」の場合は、「少しずつ木々の芽が出て春がやってきます」とも表現できます。「やってきます」は「訪れます」よりくだけた雰囲気を持つ表現です。

「訪れる」ことで世界を広げよう

「訪れる」の意味や「訪ねる」との違い、「訪れる」の敬語表現や使い方、例文をみてきました。また別の敬語表現を例文よりみてきました。

「訪れる」は相手が主体のときと自分が主体の時では使い方が異なります。尊敬語や謙譲語を意識して敬語表現が使えるようにしましょう。また、季節や状況を表す「訪れる」では丁寧語で表し、尊敬語や謙譲語を使って違和感のある文章を作らないように気をつけましょう。

「訪れる」には現在の場所からある場所へ移動する意味から、ビジネス上での訪問ももちろんありますが、旅や新しい場所を想像させてくれる言葉です。史跡や知人のいる場所など、自分がまだ行ったことのない場所へ「訪れる」ことは知識が増え、その場でしかわからない雰囲気を味わったりできます。いろいろな場所に「訪れる」ことで肌で多くを感じて世界を広げていきましょう。

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