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「おりません」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現

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「おりません」の意味は?

来客に向かって「今いないんです」と言うのは誤りです。「出掛けちゃってるみたいで本人いないんですけど」も通用しません。「今、いらっしゃらないんです」では謙譲語ではなく、尊敬語が用いられています。「おりません」は「いません」の敬語表現です。

「いません」の敬語表現

仕事の場で「いません」は不適切です。「いません」に限った話ではありませんが、ビジネスシーンにおいては正しい敬語を使うのがマナーです。

単に「いません」を「おりません」に言い換えるだけでも、随分とイメージは異なります。けれども、意味を理解しないままで使ってしまうとトラブルを招きかねません。

「いない」は不在のシチュエーションでのみ使用されるわけではありません。「~て(で)いない」の形でさまざまな言葉への付属が可能です。「いません」を謙譲語で表現すると「おりません」となります。

バイトでは良しとされていた言葉遣いが、ビジネスでは不可となるケースも少なくありません。ビジネスにおける言葉選びは慎重に行いましょう。

「おりません」と「いらっしゃいません」

敬語表現は「いらっしゃいません」を「おられません」に変換すれば正しいとは限りません。教育現場において「いらっしゃいません」が適切となる場合があります。

教員の使う敬語

学校の先生は、お互いを「○○先生」ではなく、「○○教諭」と呼び合うことがあります。ただし、本人の不在を保護者に伝える際などには適切ではありません。その際は、「○○先生はいらっしゃいません」とするのがマナーです。

学校で重要視されるのがウチとソトの意識、区分です。教員や保護者ではなく、生徒を基準に捉えます。「○○先生はおりません」だと先生をウチ扱いすることとなります。生徒と先生を同じ扱いにするわけにはいかないので「いらっしゃいません」と言います。

どの業界にも暗黙のルールは存在します。会社でも学校でも、敬語を使うのはマナーですが、定義は一律ではありません。郷に入っては郷に従う気持ちで臨むことが大切です。

「おりません」の使い方は?

「おりません」は「いない」の謙譲語です。謙譲語とは敬語の種類です。敬語には尊敬語・謙譲語・丁重語・丁寧語・美化語の5つの種類があります。そのうち2つは謙譲語です。「おりません」は比較的、使用用途の多い敬語表現です。

敬語の謙譲語の種類

敬語の謙譲語の種類の数は2つ、一つ目は謙譲語、二つ目は丁重語です。尊敬語とは違って謙譲語も丁重語も、自分の側の事柄について述べる際に使える敬語表現です。

一つ目の謙譲語は、自分側の行いなどについて述べる際に行いの向い先の人物を立てるため、使うのが一般的です。パターンには「行く」を「伺う」にするなどの置き換え型があります。その他、「お(ご)~する」などの定型パターンの存在する敬語の種類です。

二つ目の謙譲語(丁重語)は、自分側の行いなどを丁重に述べることで聞き手に敬意を払う敬語の種類です。パターンには「行く」を「参る」にするなどの置き換え型があります。その他、「いたす」を付けることでも表現可能です。

使い方は不在の伝達だけじゃない

「おりません」単体だと不在の事実のみが伝わることとなります。その際は「申し訳ございませんが~」などクッション言葉と併用して使うのがおすすめです。また、「いない」ならば、どのように対応すればいいか会話をリードするのも大切です。

「おりません」は、「~て(で)おりません」の形で言葉に付属させる使い方をします。~の部分には自分側の行い(動詞)、例えば「存じて」、「伺って」などが入ります。「いない」の意味は「今、ここ(そこ)にいない」だけではありません。「知っていない」、「聞いていない」などを敬語表現する使い方もあります。

それから、天候などを言うときの「寒い日は続いておりません」などは正しい敬語表現です。丁重語の謙譲語の場合には、第三者や事物への敬語表現としての使い方も可能だからです。

「おりません」の例文は?

「おりませんでした」・「おりませんか」・「おりませんため」・「おりませんでしたら」・「おりません」は言葉を続けられる敬語表現です。そして、各々、意味などは同一ではありません。

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「取り扱っておりませんため」

例えば「自社では取り扱っておりませんため対応できかねます」と使うことがあります。謙譲語の「おりません」は、丁重語としての使い方だと第三者や事物にも適応させられます。取り扱う物やサービスについて丁重に述べています。

もちろん、お断りの場面や文面においてはクッション言葉を忘れないようにします。「大変恐れ入りますが、自社では取り扱っておりませんため対応できかねます」などです。要は相手を不快に感じさせないのが大切です。

「おりませんため」は使い方を誤ると言い訳に聞こえてしまうので注意が必要です。そして、フォーマルとインフォーマルとで敬語表現を使い分けるのもマナーです。敬語ではない表現を避けるだけではなく、状況に即した敬語表現を心掛けましょう。

「私どもは伺っておりませんでした」

「あなた方はご存知でしたか」との質問に「いいえ、私どもは伺っておりませんでした」と返答することがあります。「伺う」は「聞く」の謙譲語です。「伺う+おりません+でした」で「私たちは聞いて(言付けられて)いなかった」となります。

伺う以外にも、「承っていなかった」、「存じ上げていなかった」などの使い方をします。「おりません」は「いません」の敬語表現です。過去の事実について質問された場合などでは「~していなかった」を「~しておりませんでした」に変換します。

「いません」と「いませんでした」は、適当に選んでよいわけではありません。同じように「おりません」と「おりませんでした」も適切な使い分けが必要です。現在は「おりません」、過去ならば「おりませんでした」が「いない」の敬語表現です。

「おりませんでしたら」などは?

敬語表現には共通認識があります。そして、「おりませんでしたら」は、「~て(で)おりませんでしたら」の形で詫びの言葉に続けることの多い敬語表現です。次に続く言葉を予測できれば対応もスムーズになり得ます。

「届いておりませんでしたら申し訳ございません」は催促メールでよく使われます。目下の人が目上の人にメールの返信を促す際には「こちらの手違い」でなどと付け加えます。ここで重要なのは「手違い」が実在するか、ではなく、相手を不快にさせないことです。

とはいえ、敬語が正しく使えていないとマナーを守れていないこととなります。あまり言いたくない場面などでは、一層丁寧かつ正確な敬語と言葉遣いを心掛けましょう。

「メールアドレスを変更しておりませんか」は?

メールアドレスを「変更しておりませんか」は間違った敬語の使い方です。「おりません」は敬語の謙譲語ですが、ここでは敬語の尊敬語を使用するのが適切です。「変更なさっていませんか」や「変更されていませんか」が、正しい敬語の使い方です。

「いませんか」を謙譲語に変えるのではなく、「する」に着目するのがポイントです。「変更する」の「する」は尊敬語だと「される」や「なさる」と表現できます。また、「いませんか」を尊敬語の「いらっしゃいませんか」に変える必要もありません。

「構築しておりませんか」、「アップグレードしておりませんか」なども誤例です。前に付くのが尊敬語ならば「いません」の敬語表現は「おりません」ではありません。「おりません」は「いません」の謙譲語だからです。

「おりません」の別の敬語表現例は?

「おりません」は単体では不在を意味しますが、別の敬語表現への言い換えが可能です。ビジネスマナーに限られた話ではなく、言葉の引き出しは多いに越したことはありません。

「席を外しております」や「不在でございます」

同じ意味合いを有していても、敬語表現が違えば相手の捉え方は異なります。「おりません」の別の言葉で表現すれば「席を外しております」や「不在でございます」となります。

また、一般的には否定的な言葉遣いよりも、肯定的な言い方の方が快く受け取られます。「おりません」という言葉を避けて会話をするのは容易なことではありませんが、ポジティブなイメージを印象付けたい場合には別の表現を選択する方が賢明です。

しかも、「席を外しております」や「不在でございます」ならば用件が一言で伝わります。「おりません」はビジネスシーンにおいて使い勝手の良い敬語表現です。だからこそ、不在の伝達を肯定的な敬語表現へと置き換えてみるのも良いでしょう。

敬語の「存じる」と「存じ上げる」の違い

似たような敬語表現は何となくではなく、意味を考えて使い分けることが大切です。「存じる」にも「存じ上げる」にも否定形が存在します。「存じておりません」と「存じ上げておりません」です。「上げ」が含まれるだけで意味が異なるので注意が必要です。

「上げる」の意味は「持ち上げる」

「上げ」は「持ち上げ」の上げです。つまり、「立てる」べき対象が存在することを意味します。物やサービスを立てる必要はありませんが、ビジネスでは目上の人は立てて敬うのがマナーです。そして、敬語表現をしっかりと使い分けるのもビジネスマナーです。

例えば相手の会社は物やサービスに該当します。そのため、「存じておりません」を用います。社長のご家族などは人物なので「存じ上げておりません」が正解です。「存じておりません」は物やサービスに、「存じあげておりません」は人に対して用いられる敬語表現です。

これらは使い分けられていない人の多い敬語表現です。ですが、ビジネスの基本的なマナーなのでしっかりと覚えておくと良いでしょう。

敬語を正しく使おう

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「いません」の敬語表現は「おりません」です。そして、「いない」の意味は「不在」だけではありません。また、丁重語は自分側の行いだけではなく、第三者や事物にも使用が可能です。丁重語は謙譲語でもあり、尊敬語と対比の意味を持つ謙譲語とは別の敬語表現です。

「おりません」はビジネスで使われることの多い敬語表現です。「~ています」は敬語ではないですが、別の表現として使えます。そして、敬語表現が適切ではないシチュエーションも存在します。

敬語はビジネスマナーの基本です。しかし、コミュニケーションの相手は取引先からそうではない人まで多岐にわたります。「おりません」にしても、例外は間違いなくあります。

意味や使い方を誤らないなどの基本的なことを踏まえた上で、相手や状況に合わせて適切に言葉を選んで表現しましょう。

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