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「怒る」を敬語で表してみよう
日常生活でも相手の言動に腹を立てたり、仕事をしてるときにも上司や部下に怒りを覚えたりする状況は多々あります。反対に自分が上司や取引先の方やお客様を怒らせたりする場面もあるでしょう。
そういう状況で「怒る」を敬語で表すときに誤った表現をすると、さらに相手の怒りを増長させてしまう可能性もあります。「怒る」を正しく敬語ではどう表現すればいいのでしょうか。
尊敬語
「怒る」という感情表現を尊敬語で表す場合は「怒っていらっしゃる」になります。「怒っている」の「いる」の尊敬語は「いらっしゃる」になるからです。また「怒る」は「お怒りになる」とも表すことができます。「お~なる」は尊敬語の基本に当たります。
「部長が怒っていらっしゃる」「お客様がお怒りになる」など、目上の方や自分よりも立場が上の方に対して敬意を払った言い回しになります。
謙譲語
「怒る」の謙譲語は「怒っております」になります。「怒っている」の「いる」の謙譲語は「おる」になり、語尾に「ます」をつけることで丁寧な表現方法になります。
自分が「怒る」状況の場合は「私は怒っております」と自分が話の主体や主語のときに、自分をへりくだることで相手に敬意を払った言い回しになります。また「怒る」の類語の「憤慨」に言い換えて「憤慨しております」や「憤りを感じております」と表現することもできます。
丁寧語
「怒る」を謙譲語で表す場合は「怒ります」や「怒っています」になります。また自分が怒っている場合だと「怒りを覚えます」や「憤りを感じます」と表すこともできます。
「怒る」を敬語で使ってみよう
こちらに非があるときはすぐさま謝りお詫びをする必要があるのですが、そんなときは特に「怒る」というワードを正しい敬語で表現しないといけません。正しい敬語を使えないと相手の怒りのボルテージがさらに上がりかねないので注意しましょう。
敬語の種類
会話で伝えるのかメールやお手紙などの文面で伝えるのかで敬語の種類も変わってくるので、使い分けをきちんと覚えましょう。
使い方
仕事上では例え自分が直接の怒りの原因を作ってないにせよ、取引先やお客様相手だと怒りの感情を持たせてしまったことは事実なので、その怒りを一旦鎮めていただくためにも正しい敬語表現を使わなければなりません。
メールでの使い方
お客様が怒っている場合は「先日はこちらの不手際でお客様のご気分を害してしまい、誠に申し訳ございませんでした。」や「この度はお客様に不快な思いをさせてしまい、心からお詫び申し上げます。」など、「怒る」と言う感情的な表現を別の言い回しに変えて表すのがいいでしょう。
「怒る」を敬語で表すときの例文
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「部長が会議で怒っていらっしゃる」
「こちらの不手際でお客様がお怒りになる」
「部長がご立腹のようだ」
「お客様が大層お冠でいらっしゃる」
「私は大変憤りを感じております」
同じ「怒る」という表現をさまざまな言い回しに置き換えることができるので、状況に応じて正しい敬語表現ができるように覚えておきましょう。
「怒る」を他の敬語に置き換えると?
そもそも「怒る」とは腹を立てるという感情表現になりますので、相手がただ感情的になって怒りを爆発させていると伝えること自体が好ましくないことが多いので、どんな言葉で置き換えることができるかを考えてみましょう。
ご立腹
頭に「ご」を付けることで相手に敬意を表した表現で「部長が大層ご立腹だ」や「先方がご立腹のようでして」、話の主体や主語が相手側のときに使います。
またメールなどの文面でお詫びするときにも「お客様がご立腹されるのも無理もないことでございます」と使用することもでき、怒っていることに対して同調するように伝えることで怒りを鎮める効果もあります。
お冠
「お冠」はそもそも「冠を曲げる」と言い、古代の人々が天皇に反対や反論をする際に、頭にかぶっている冠をわざと曲げてかぶることで、天皇に対して反抗心を表した態度が語源となっています。
現在では「曲げる」と言った言葉が取れたことで、怒っている度合いはやや低めの表現になります。「冠」の頭に「お」を付けることや語源が示しているように、主に目上の方や立場が上の方に対しての敬語表現になり、自分や目下のものには使いません。
お怒りとお叱りの違い
「怒る」は自分の感情が高まり腹を立てることで、感情のままに不満を爆発させることを意味し、目上の人や立場が上の人にも使うことができ、社会や世間に対してなど抽象的なものに対しても用いることができます。
「叱る」は相手のためを考えて良い方向に導いたり指導することを意味します。目上の人や立場が上の人には使わず、主に目下や立場が下の者に対して用います。
ビジネスで上司やお客様から自分が怒られた場合は、「お怒り」という表現よりも、自分のことを考えて良い方向に導こうと指導してくれている意味の「お叱り」を使う方がいいでしょう。
怒ると敬語になる人の心理
仕事で敬語で怒られると、感情を爆発して怒鳴らり散らされるよりも、怒っているにも関わらず敬語で怒りを表すのは、社会人として大人な対応だと捉えられます。
しかし夫婦や恋人の間柄で怒ると、怒鳴り散らされるよりも敬語になることで逆に怖い印象を与えがちですので、親しい間柄の男女が怒ると敬語になるのはどういう心理なのか説明します。
彼女の場合
ただ普通なら怒りを爆発させて相手にぶつけるところを、彼氏と彼女という親しい間柄にも関わらず敬語で話すということは「なんとなく」の原因ではなくはっきりとした怒りの原因があり、相手との心の距離感をわざと遠ざけていることを示しています。
敬語で話すことで自分の怒っていることを察知してほしかったり、怒っていることを相手に知らしめたい心理があるので、意図して敬語で話すことがあります。
彼氏の場合
そんな自分の感情が怒りで爆発するのを抑えようと、彼女に敬語で話すことで自分自身も一旦気持ちを落ち着かせ冷静になろうという心理があります。
また敬語で話すことで彼女との距離感をわざと遠ざけ、ごちゃごちゃ言わないで今はそっとしておいてほしいと相手をけん制するために敬語を使う場合もあります。怒っているのに感情をぶつけることなく、敬語で淡々と話されると怖いと感じるのは女性も一緒です。
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相手を怒らせたら素直に謝ろう
特にビジネスでは「怒る」という表現をいくら敬語に言い換えても「怒る」という言葉自体がいい印象ではなかったり適切ではないことがあるので、同じ意味の言葉で言い換えてそれを敬語で表す方がいい場面も多々あります。
ビジネスでも日常生活でも言えるのが、自分に非があり相手を怒らせてしまったら、一刻も早く相手にお詫びをし、怒りを鎮めてもらい許しを得ることが大切です。