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「急いで」の敬語表現について!
「急いで」は、いろんなニュアンスで用いられます。言葉の意味としては、「急ぐ」が表すことが色濃いです。「急ぐ」には「普通よりも早い時間で事をしようとする」の意味があるため、「急いで」にも、そのような意味が込められています。「急いで」の「で」は、接続詞や助動詞などの意味があり、表したい内容および使い方や言い方によって、表す意味が違ってくると言えます。
「急いで」の敬語での使い方!
「急いで」は、敬語を要するシーンでも使える言葉ではあります。しかしながら「急いで」という言葉自体は、敬語表現ではありません。つまり、敬語表現にしてから使う必要があるということです。「急いで」という言葉を使わず、敬語として扱われる言い換えを用いるのも1つの手段ですが、まずは「急いで」を言い換えることなく用いる場合の使い方を、ご紹介していきます。
敬語の種類
一般的な敬語の種類には、尊敬語・謙譲語・丁寧語があります。尊敬語は「尊び敬う」と書く「尊敬」の語とあるように、「目上の相手に使う」敬語になります。ビジネスシーンでは「立てるべき相手」とされる「お客様・利用者様・取引先の方など」も目上の相手として、尊敬語を用います。
謙譲語は「謙り譲る」と書く「謙譲」の語とあるように、「目上の相手」あるいは「立てるべき相手」に対して使用します。「自分のことは大したことではない(謙る)」として「相手を立てる(譲る)」表現ですので、立てる必要のある相手である「目上・立てるべき存在」に用いる敬語です。
丁寧語は「標準語」を「丁寧な表現にした語」のことであり、「相手を立てる」という要素が含まれないため、「誰に対しても使用することが可能」です。つまり、目上だけでなく、立場を同じくする同輩・同僚や、目下にあたる部下にも使用できる敬語になります。
使い方
「急いで」は敬語表現ではないので、上記でお伝えした尊敬語・謙譲語・丁寧語のいずれにも当てはまりません。そのため、敬語を要するシーンで使用する際は、「急いで」に「敬語表現」を組み合わせ文を作ります。たとえば、丁寧語「ます」と「急いで」を組み合わせれば、「急いでます」という丁寧語表現が完成します。
尊敬語で表したいのであれば、尊敬語の扱いになる言葉と「急いで」を組み合わせます。例としては、「いる」の尊敬語である「おられる」を「急いで」と組み合わせると、「急いでおられる」という尊敬語表現の文ができあがります。謙譲語の場合も、丁寧語や尊敬語と同じ文の作り方をします。
メールでの使い方
言葉の使い方においては、話し言葉と書き言葉というものが存在します。話し言葉は「話す時に使う言葉」のことであり、実際に声を出して会話をする時(口頭)に使う言葉です。紙やメール上で、書いて言葉を伝える時には使用しません。書き言葉は口頭でも使えますが、紙やメール上でも使える言葉とされているものです。
「急いで」という表現は、話し言葉とも書き言葉とも言えない部類になるため、口頭だけでなく文面上でも使用できます。しかしながら、敬語を要するシーンでの使い方は忘れないようにしましょう。敬語を要するシーンでは、敬語表現ではない「急いで」だけでは失礼な印象になるため、敬語として扱われる言葉「です・ます・おられる」などを組み合わせて使用します。
ビジネスでの使い方
ビジネス(仕事)の時間は、敬語を要するシーンになります。ビジネスにおける使い方は、これまでにお伝えした通りで、「急いで」に「敬語として扱われる言葉」を組み合わせて使います。目上の人や立てるべき相手に対して「急いで」だけで使用すると、失礼な印象を与えます。
場合によっては尊敬語や謙譲語を組み合わせるべきですが、尊敬語や謙譲語は伝えたい内容によって頭がまとまらなくなることもあります。使うのが面倒に感じられることもありますが、迷った時には丁寧語を組み合わせておけば、大きな問題はなりません。
それでも、敬語の勉強は大事です。実際に使うことには慣れが必要になるため、上手く使えない間もとりあえずは勉強をしておいて、敬語を使うことやビジネスの環境に慣れてきた頃に、尊敬語・謙譲語・丁寧語を使い分けてみると良いでしょう。
「急いで」を敬語表現にした時の例文!
「急いで」を敬語表現にしたい時に、どのような文にしたら良いのかを、例文を通してお伝えしていきます。
急いでいます
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「急いでいます」は、「急いで」+「います」で成り立っています。「います」は「いる」を丁寧語にしたものなので、「急いでいます」は丁寧語の扱いになります。「急いでいます」=「急いでいるの丁寧語表現」だと考えれば、分かりやすいでしょう。この「急いでいます」を用いた例文には、「締め切りに間に合うよう急いでいます」などがあります。
急いでおります
「急いでおります」は、「急いで」+「おります」で成り立ちます。「おります」は「居る」の連用形「居り」に丁寧語「ます」を付けた表現なので、「急いでおります」は丁寧語表現に分類されます。「急いでおります」を使用した例文には、「開店に向けて準備の方を急いでおりますので、もうしばらくお待ちください」などがあります。
急いでください
「急いでください」は、「急いで」+「ください」で成り立っています。「ください」は「くれ」の尊敬語表現になりますが、命令形の印象が強いため、強く要求するべき時のみ使用した方が良いでしょう。命令形としても「ください」は「くれ」の尊敬語になるため、「急いでください」は尊敬語表現ということになります。例文には、「約束の時間が迫っております。急いでください」などがあります。
急いでおられる
「急いでおられる」は、「急いで」+「おられる」で成り立ちます。「おられる」は「居る」に尊敬の意を持つ「れる」を付けたものなので、「急いでおられる」は尊敬語表現として扱われます。「急いでおられる」を使用した例文には、「◯◯様は急いでおられます」などがあります
急いで対応いたします
「急いで対応いたします」は、「急いで」+「対応」+「いたします」で成り立っています。「いたします」は「する」の謙譲語「いたす」に丁寧語「ます」を付けたもので、敬語分類では謙譲語に属する表現になります。そのため、「急いで対応いたします」も謙譲語として扱います。「対応」の部分は、他の行動を意味する言葉(返信・連絡・準備など)にしても良いです。
急いで拝見します
「急いで拝見します」は、「急いで」+「拝見」+「します」で成り立ちます。この文の中で注目したいところは、「拝見」です。「拝見」は「見る」の謙譲語で、「します」も丁寧語という敬語表現になりますが、丁寧語と共に尊敬語や謙譲語が文中に含まれる場合、その文は丁寧語表現ではなく、尊敬語や謙譲語の表現として扱われます。つまり、「急いで拝見します」は謙譲語になります。
「拝見いたします」という形が用いられることもありますが、これは二重敬語になるため、避けた方が良いでしょう。二重敬語とは、1つの文中に同種の敬語表現が2つ以上存在している表現のことです。「拝見」は「見る」の謙譲語、「いたします」は「する」の謙譲語ですので、1つの文に謙譲語が2つあります。よって、「拝見いたします」は二重敬語になります。
急いで向かいます
「急いで向かいます」は、「急いで」+「向かいます」で成り立っています。「向かいます」は「向かう」に丁寧語「ます」を付けたものなので、「向かいます」を1つの表現として扱います。「向かいます」の部分は、「行います」や「伺います(訪問するの謙譲語)」などにしても良いでしょう。
「急いで」を別の敬語表現にすると?
「急いで」を敬語を要するシーンで使用する際は、別の表現に言い換えた方が良い状況もあります。「急いで」の言い換え表現の中には、敬語ではないけれども、丁寧な言葉遣いだとされているものも存在します。それでは、敬語を要する中でも使える、「急いで」の別の表現をご紹介していきます。
早めの対応
「急いで」の言い換えになる部分は「早め」で、「早め」には「決まった時刻よりも少し早い」の意味があります。「急いで」の意味となる「急ぐ」が表すのは「普通より短い時間で事をしようとする」であり、「時間的に早くする」という点で同じです。
しかしながら、表現の仕方に違いがあります。「急ぐ」は「普通より短い時間で事をしようとする」、「早め」は「決まった時刻より少し早い」とあります。つまり、「急ぐ(急いで)」は「事を行う時間を短くする」こと、「早め」は「事を始める時間を早くする」ことです。
「早めの対応・急いで対応」の違いを、以上の意味を踏まえて考えると、「早めの対応」が表すことは「少し短い待ち時間で対応する」です。一方の「急いで対応」は、「早く対応できるようにする」ことを表しています。意味的には似ていますが、ニュアンスには多少違っていると言えます。
早々に対応
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「早々」は「そうそう」とも「はやばや」とも読み、読み方によって意味が少し違います。「そうそう」と読む場合は「できるだけ早く物事を行おうとする気持ちを示す」の意味があり、「はやばや」の読みには「普通よりも早い時期に物事を行う」と「急いで物事を行う」の意味があります。
「はやばや」の「普通よりも早い時期に物事を行う」は「早め」の意味と似ており、「急いで物事を行う」は「急ぐ」の意味と同じことを表すと言えますが、「早々に対応」の形で使う時には「そうそう」と読みます。つまり、ここで使用する「早々」には「できるだけ早く物事を行おうとする気持ちを示す」意味が込められています。
「早々」は、同輩や目下の相手に使うことが基本です。目上の相手には使用しない方が良いとされているため、ビジネスシーンでは特に気を付けましょう。
早急にお願い
「早急」は「そうきゅう」とも「さっきゅう」とも読めますが、どちらも意味は同じで、基本的には「さっきゅう」と読みます。意味は「非常に急ぐ」であり、少々命令形な印象です。そのため、目上の相手に使う時には、尊敬語や謙譲語をプラスした「早急にお願い申し上げます」などの形で使いますが、冗長な表現になる可能性があるため、「早急」は同輩や目下に使用した方が良いでしょう。
早速のお返事
「早速(さっそく)」には、「対応が早い」の意味があります。目上や目下といった、立場を問わず使用することができます。「対応が早い」は「行動が早い」ことを表しているため、「行動に関した時間の早さ」を示す時に「早速」を使います。
至急連絡
「至急」の意味は、「非常に急ぐ」てす。「早急」と同義ですが、「至急」に命令形の印象はありません。ただし、「急ぐ必要性が高い」意味合いが込められているため、「どうしても急がないといけないこと」を伝える時に使うようにします。
迅速に対応
「迅速」には、「素早いこと」という意味があります。「素早い」は「動作や行動が早いこと」を表すため、「行動に関した時間の早さ」を示す時に適する「早速」と似ています。「迅速」は目上の相手にも使用することができ、ビジネスシーンで「急いで◯◯をする」といったことを表現する時には、最適な表現とされています。
「急いで」を正しい敬語表現で使おう!
「急いで」は、自分が急ぐこと・相手に急ぐよう伝えることを表現する時に使います。「急いで対応します・急いで確認いたします・急いでおられる・急いで拝見する」などのように、「急いで」と敬語表現を組み合わせることで、敬語を要するシーンでも問題なく使用できます。
場合によっては「早め・早々・早急・早速・至急・迅速」などの言い換えを用いた方が良い時もあるため、どのような表現を使うことが適切なのか・失礼にならないのかを意識しながら、正しい言葉遣いおよび表現で「急いで」を伝えましょう。