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「一任する」の敬語表現
目上の人から何かを任せてもらった場合や自分が何かを任せる場合に「一任する」を正しく敬語で言えるでしょうか。「一任する」はどのように敬語で表現するのでしょうか。
まずはじめに「一任する」の敬語表現について丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つに分けてご紹介していきます。
丁寧語
「一任する」の丁寧語「一任します」という敬語表現を用いた例文をいくつかあげていきます。
・「この件に関してはあなたに一任します。」
・「異議がなければこのまま○○さんに一任いたしますが、異議のある方はいらっしゃいますか。」
尊敬語
尊敬語は一任してもらう自分ではなく、一任してくれる側である目上の人に対して敬意を示す敬語表現なので目上の人が一任します。実際に一任してくれる人である目上の人に敬意を示さなければいけません。尊敬語の敬語表現の「~なさる」や「~してくださる」という尊敬語の敬語表現を利用して「一任なさる」や「一任してくださる」とします。
「一任する」の尊敬語「一任なさる」や「一任してくださる」を用いた例文をあげます。
・「新しい案件は部下に一任なさった。」
・「この件に関しては私に一任してくださった。」
謙譲語
謙譲語は自分が一任してもらうことや自分が一任することをへりくだって表現することで、相手に敬意を示します。そのため一任してもらったり、誰かに一任するのは自分です。
「一任する」の謙譲語「一任いたす(自分が一任する場合)」や「一任していただく(目上の人に一任してもらった場合)」を用いた例文をあげていきます。
・「この件は○○さんに一任いたしました。」
・「一任していただいたからにはしっかりやります。」
一任してもらうか一任するのか二方向ある
先ほど謙譲語の例文としてあげた1つ目の「この件は○○さんに一任いたしました。」は自分が一任する場合の表現です。
また2つ目の「一任していただいたからにはしっかりやります。」は目上の人に自分が一任してもらった場合の表現になります。
「一任する」の敬語での使い方
敬語の種類
丁寧語「一任します」は「一任する」に丁寧語の表現である「です、ます、ございます」などを使って丁寧に話すことで相手に敬意を示す敬語表現です。
尊敬語「一任なさる」や「一任してくださる」は目上の人が一任することに対して敬意を示します。
謙譲語「一任いたす(自分が目上の人に一任する場合)」や「一任していただく(目上の人に一任してもらった場合)」は自分が誰かに一任することをへりくだって表現するしたり、一任してもらうことをへりくだって表現することで相手を持ち上げて敬意を示す表現です。
使い方
「一任する」の使い方としては丁寧語「一任します」では丁寧さはあまり高くないですが、誰かに任せるということを目上の人に敬語を用いながらシンプルに伝えることができます。
「一任する」の尊敬語「一任なさる」や「一任してくださる」を用いると敬意をはらうべき目上の人が誰かに何かを任せる場合に使うことができます。目上の人が誰かに任せるということ対して敬意を示すことができます。
「一任する」の謙譲語「一任いたす(自分が目上の人に一任する場合)」や「一任していただく(目上の人に一任してもらった場合)」は自分が誰かに任せる場合や自分が任せてもらうことをへりくだって表現することで相手に敬意を示すことができます。
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メールでの使い方
まずは「一任する」の丁寧語「一任します」を用いた例です。「こちらの件に関しましては○○さまに一任します。進め方につきましては添付のファイルをご参照ください。」
続いて「一任する」の尊敬語「一任なさる」や「一任してくださる」を用いた例です。
「大切な役を私に一任してくださりありがとうございます。任せていただいたからには精一杯務めさせていただきますので今後ともよろしくお願いいたします。」
最後に「一任する」の謙譲語「一任いたす(自分が目上の人に一任する場合)」や「一任していただく(目上の人に一任してもらった場合)」の例です。
「次のリーダー職はあなたに一任いたしたくご連絡差し上げました。ご家庭の事情などリーダー職をしていただくにあたり何か不都合な点などございましたらご連絡ください。」
ビジネスでの使い方
まずは「一任する」の丁寧語「一任します」を用いた例です。
「この案件については○○課に一任します。」
続いて「一任する」の尊敬語「一任なさる」や「一任してくださる」を用いた例です。
「社長はこの件を課長に一任なさった。」
最後に「一任する」の謙譲語「一任いたす(自分が目上の人に一任する場合)」や「一任していただく(目上の人に一任してもらった場合)」の例です。
「この件に関しては部長から私に一任していただきましたので、何かありましたら私にご連絡ください。」
「一任する」を敬語表現するときの例文
今回はすべてを任せてもらった際にはどうしてもその責任も負わなければいけません。ここでは一任をしてもらったときに合わせて使われることもある「責任」の敬語表現についてとりあげていきます。
一任をしてもらって「責任をもってやる」と敬語で言うときにはどのように言うのでしょうか。例文をあげながらご紹介していきます。
責任
尊敬語を使って表現する場合は「私に一任してくださったからには責任をもってさせていただきます。(責任をもっていたします)」
同じように謙譲語は「私に一任していただいたからには責任をもってさせていただきます。(責任をもっていたします)」となります。
「責任をもってします」でもいいですが、「責任をもって務めます」や「責任をもってやりますのでよろしくお願いします」、「責任をもって精一杯がんばります」など状況に応じて変えていきましょう。
「一任する」の別の敬語表現例
委ねる
たとえば丁寧語「一任します」は「委ねる」を用いると「委ねます」となります。「○○さんに一任します」は「○○さんに委ねます」と言うことができます。
尊敬語「一任なさる」や「一任してくださる」は「委ねる」を用いると「委ねてくださる」となります。「○○さんが一任してくださった」は「○○さんが委ねてくださった」と言い換えることができます。
最後に謙譲語「一任していただく」は「委ねる」を用いると「委ねていただく」ということができます。「部長に一任していただきました」は「部長に委ねていただきました」と言い換えられます。
任せる
たとえば丁寧語「一任します」は「お任せします」となります。「○○さんに一任します」は「○○さんに任せます」と言うことができます。
尊敬語は「お任せくださる」となります。「○○さんが一任してくださった」は「○○さんが任せてくださった」と言い換えることができます。
最後に謙譲語「一任していただく」は「任せしていただく」ということができます。「部長に一任していただきました」は「部長に任せていただきました」と言い換えられます。
大事な場面で正しい敬語を使いましょう
「一任する」の敬語表現はこれまで取り上げてきたように「一任する」に「です、ます、ございます」をつけると丁寧語になります。
「一任してくださる」のように一任してもらう側の自分ではなく一任してくれる目上の人をあげ「一任」に「~してくださる」をつけると尊敬語になります。
また「一任いたす(自分が目上の人に一任する場合)」や「一任していただく(目上の人に一任してもらった場合)」のように「一任」に「いたす(自分が何かをする場合)」、「~していただく(何かを相手にしてもらう場合)」をつけると謙譲語になります。
いざ何かを任せてもらったときに正しい敬語で話をすることは大切です。大事な場面で正しい敬語が使えるように習得しておきましょう。