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「寄る」の敬語表現
自分がどこかに寄る場合や目上の人がどこかに寄る場合に「寄る」を正しい敬語で目上の人に言えるでしょうか。「寄る」はどのように敬語で表現するのでしょうか。
まずはじめに「寄る」の敬語表現について丁寧語、尊敬語、謙譲語の3つに分けて具体例と共にご紹介していきます。
丁寧語
「寄る」の丁寧語「寄ります」という敬語表現を用いた例文をいくつかあげていきます。
「スーパーに寄ります。」
「このあたりでお手洗いに寄ります。」
尊敬語
尊敬語は目上の人に対して敬意を示す敬語表現なので目上の人がどこかに寄ります。実際にどこかに寄る人である目上の人に敬意を示さなければいけません。尊敬語の敬語表現の「お~になる」という尊敬語の敬語表現を利用して「お寄りになる」とします。
「寄る」の尊敬語「お寄りになる」を用いた例文をあげます。
「コンビニでお手洗いにお寄りになる」
「スーパーへお寄りになってからいらっしゃるそうです。」
謙譲語
謙譲語は自分がどこかへ寄ることをへりくだって表現することで相手に敬意を示します。そのためどこかへ寄るのは自分自身になります。
「寄る」を謙譲語にするには謙譲語の敬語表現「お~する」をつけて「お寄りします」とすることで謙譲語にすることができます。
「寄る」の謙譲語「お寄りします」を用いた例文をあげていきます。
「お手洗いに行かれる方がいらっしゃいましたらお寄りします。」
「明日、近くへ行く用事があるのでそのときにお寄りします。」
「寄る」の敬語での使い方
敬語の種類
丁寧語「寄ります」は「寄る」に丁寧語の表現である「です、ます、ございます」などを使って丁寧に表現をすることで話し相手に敬意を示す敬語表現です。
「寄る」の尊敬語「お寄りになる」は尊敬語の表現「お~になる」を用いて自分ではなく、目上の人がどこかへ寄ることに対して敬意を示します。
「寄る」の謙譲語「お寄りします」は謙譲語の表現「お~する」を用いて、自分がどこかへ寄ることをへりくだって表現します。そうすることで相手を持ち上げて敬意を示す表現です。
使い方
「寄る」の使い方としては丁寧語「寄ります」では丁寧さは高くはないですがどこかへ寄るということを目上の人に敬語を用い簡潔かつシンプルに伝えることができます。
「寄る」の尊敬語「お寄りになる」を用いると敬意をはらうべき目上の人がどこかへ寄る場合に使うことができます。目上の人がどこかへ寄るということ対して敬意を示すことができます。
「寄る」の謙譲語「お寄りします」は自分がどこか寄るときに自分をへりくだって表現することで相手を持ち上げてに敬意を示したいときに用いる敬語表現です。
メールでの使い方
まずは「寄る」の丁寧語「寄ります」を用いた例です。
・「スーパーに寄りますので帰りが少し遅くなります。」
続いて「寄る」の尊敬語「お寄りになる」を用いた例です。
・「お近くにお越しの際はぜひお寄りください。お寄りになる際は事前にご連絡いただけますと最寄り駅までお迎えに上がります。」
最後に「寄る」の謙譲語「お寄りします」の例です。
・「ハイキングの旅程表を作成いたしましたので添付ファイルをご覧ください。他にもどこか行きたい場所などあればお寄りしますのでご連絡ください。」
「寄る」を敬語表現するときの例文
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今回は「帰りに寄ってから帰る」というときに使う「帰りに寄る」と反対に「寄った後に行く」というときに使う「寄ってから行く」の敬語表現についてとりあげていきます。
「帰りに寄る」と「寄ってから行く」は敬語ではどのように用いられるのでしょうか。例文をあげながらご紹介していきます。
「帰りに寄る」や「寄ってから行く」
「帰りに寄る」の尊敬語は「帰りにお寄りになる」や「寄って帰られる」です。また「寄ってから行く」の尊敬語は「寄ってからおいでになる」や「寄ってからいらっしゃる」です。例をあげると、「取引先へ帰りにお寄りになるとのことです。」や「カフェに寄ってからいらっしゃいます。」です。
「帰りに寄る」の謙譲語は「帰りにお寄りいたします」です。また「寄ってから行く」の謙譲語は「寄ってから参ります」や「寄ってから伺う」です。例をあげると、「帰りにお寄りいたしますので、午後3時以降で都合のいい時間を教えてください。」や「病院に寄ってから伺いますので少し遅くなります。」になります。
「寄る」の別の敬語表現例
立ち寄る
たとえば「寄る」の丁寧語「寄ります」は「立ち寄る」を用いると「立ち寄ります」となります。例をあげると「コンビニに寄ります」は「コンビニに立ち寄ります」と言うことができます。
「寄る」の尊敬語「お寄りになる」は「立ち寄る」を用いると「お立ち寄りになる」となります。例をあげると「部長がコンビニにお寄りになる」は「部長がコンビニにお立ち寄りになる」と言い換えることができます。
最後に「寄る」の謙譲語「お寄りする」は「立ち寄る」を用いると「お立ち寄りする」となります。例をあげると「○○へはこの後お寄りします。」は「○○へはこの後お立ち寄りします」と言い換えることができます。
顔を出す
たとえば「寄る」の丁寧語「寄ります」は「顔を出す」を用いると「顔を出します」となります。例をあげると「また近くに来たら寄ります」は「また近くに来たら顔を出します」と言うことができます。
「寄る」の尊敬語「お寄りになる」は「顔を出す」を用いると「顔を出される」となります。例をあげると「お知り合いの方のお店にお寄りになる」は「お知り合いの方のお店に顔を出される」と言い換えることができます。
最後に「寄る」の謙譲語「お寄りする」の代わりに「顔を出す」を用いた表現はありませんのでそのまま「予定が詰まっているので長居はできませんがお寄りします」は「予定が詰まっているので長居はできませんが顔を出します」と丁寧語の表現を使って表現します。
顔を見せる
たとえば「寄る」の丁寧語「寄ります」は「顔を見せる」を用いると「顔を見せます」となります。例をあげると「たまには祖父の家に寄ります」は「たまには祖父に顔を見せます」と言うことができます。
「寄る」の尊敬語「お寄りになる」は「顔を見せる」を用いると「顔をお見せになる」となります。例をあげると「お知り合いの方のお店にお寄りになる」は「お知り合いの方のお店に顔お見せになる」と言い換えることができます。
最後に「寄る」の謙譲語「お寄りする」の代わりに「顔を見せる」を用いた表現はありませんのでそのまま「また近くに来たらお寄りします」は「また近くに来たら顔を見せます」と丁寧語の表現を使って表現します。
「寄る」と「依る」の敬語の違い
例文をあげると「コンビニへ寄る」はコンビニへ近づくことを意味します。それに対して、「依る」は「人に依って考え方が違う」のように人が原因で考え方が違うということを表します。
「寄る」と「依る」の敬語の違い
一方で「依る」は丁寧語「依ります」しかなく、尊敬語や謙譲語で使われません。「依る」の丁寧語「依ります」を用いた例文をあげておきます。
・「所得税の額は人に依ります。」
・「時と場合に依りますので今は何とも言えません。」
尊敬語と謙譲語は似ているので気を付けましょう
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「寄る」の敬語表現は丁寧語は「寄ります」、尊敬語は「お寄りになる」、謙譲語は「お寄りする」です。尊敬語は「お~になる」、謙譲語は「お~する」と形が似ているため紛らわしく、間違えやすいので注意が必要です。
尊敬語と謙譲語はややこしく、その上敬う相手が違いますので間違えると失礼になってしまいますので難しい部分ですが、使いこなせるようになると正しい敬語で話せるようになります。少しずつ使い分けができるようにしていきましょう。