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「される」の敬語表現・されるの使い方と例文・別の敬語表現例

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「される」の敬語表現

「される」は尊敬の助動詞です。尊敬の気持ちを表現する時に使います。「する」の尊敬語です。尊敬する相手の行動を言う時に使います。動詞の後に付けて、「~される」「~された」「~されました」のような言い方をします。

「される」の敬語での使い方

ここでは、敬語を話す時に「される」という言葉をどのように使うか説明します。最初に敬語についてその種類と使い方を解説します。

敬語の種類

敬語には「尊敬語」と「謙譲語」と「丁寧語」があります。尊敬語と謙譲語は、自分より偉い人やビジネス上の顧客など、立場が上の人に対して使います。丁寧語は、立場に関係なく誰に対しても使います。それぞれについて説明します。

尊敬語

尊敬語は、尊敬の気持ちを表現する時の敬語です。相手に対して敬意を表す言い方です。相手の物や行動や状態、家族などに対して敬語表現をします。下の表は言葉の尊敬語への変化の仕方です。
基本の言葉 尊敬語
する される、なされる
言う おっしゃる、言われる
知る・わかる ご存じでいらっしゃる、お知りになる、おわかりになる、ご理解される
見る ご覧になる
聞く お聞きになる
食べる 召し上がる、お食べになる
くれる くださる
待つ お待ちくださる、お待ちになる
行く・来る いらっしゃる、お見えになる、お越しになる、おいでになる
会う お会いになる、会われる
思う 思召す、お思いになる

謙譲語

謙譲語は、自分のことをへりくだって表現する時の敬語です。自分を低く表現することで相手を高める言い方です。自分の物や行動や状況、身内の者に対して使います。謙譲語への変化の仕方の表です。
基本の言葉 謙譲語
する いたします、させていただきます
言う 申し上げます、言わせていただきます
知る・わかる 存じてます、存じ上げてます、承知いたしました、かしこまりました
見る 拝見します、見せていただきます
聞く 拝聴します、聞かせていただきます
食べる いただきます、頂戴します
あげる 差し上げます
待つ 待たせていただきます、お待ちしております
行く・来る 伺います、参ります
会う お目にかかります
思う 存じます

丁寧語

丁寧語は、丁寧な表現をする時に使います。特定の言葉の頭に「お」や「ご」を、語尾に「です」や「ます」を付けて使います。言い方の表です。
基本の言葉 丁寧語
する します
言う 言います、お話します
知る・わかる 知ってます、わかりました
見る 見ます
聞く 聞きます
食べる 食べます
あげる あげます
待つ 待ちます、お待ちします
行く・来る 行きます、来ます
会う 会います
思う 思います

使い方

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それぞれの状況での「される」を使った敬語表現の例を紹介します。

メールでの「される」の使い方

ビジネスでメールを出す場合には、「いつも大変お世話になっております。○○(会社名など)の○○です。」などで始まり、最後は「引き続くどうぞよろしくお願い申し上げます。」などの言い方でしめます。

「される」をメールの文章で使う場合は、対面していないので勘違いがおきないように気を配る必要があります。「される」は、「起こされる」のような受け身の意味もあります。まぎらわしい時は他の言葉に言い換えましょう。

・「お引越しをされるそうです。」

・「ご出勤される予定です。」

などのように受け身の「される」と勘違いすることのない言い方の時は問題ありません。

相手が自分(会社など)に連絡をしたか聞きたい場合には、「ご連絡されました?」よりも、「ご連絡いただきました?」のような言い方がいいです。謙譲語が入っている方がより丁寧な印象が増して感じが良くなります。

会話での「される」使い方

会話の時はメールの時と違って直接対面しているので、受け身の「される」との勘違いは少ないでしょう。

・「ご結婚されるそうでおめでとうございます。」

・「ご旅行をご計画されるのはご本人様ですか?」

などの言い方をします。

そこにいない人への「される」の使い方

対面している人に対してではなく、そこにいない人のことを話す時にも「される」を使います。

・「社長はご帰宅される時間です。」

・「○○様は退職されるというお噂です。」

のような言い方をします。役職に様を付けてはいけません。自分の会社内では上司には尊敬語を使いますが、会社の外(営業先など)では会社の人は身内になるので謙譲語を使います。

・「社長は帰宅いたす時間です。」

・「○○は退職いたすとの噂です。」

などのような言い方です。

敬語を使う時に注意すること

敬語を使う時に注意することをいくつか紹介します。

二重敬語と敬語連結について

「拝見いたします」(拝見+いたす)や「お伺いいたします」(伺う+いたす)のように1文の中に2つ以上同じ種類の敬語が入っいることを二重敬語と言います。絶対に使ってはいけないと決められているわけではありませんが、しつこい印象になってしまい聞き苦しいのでなるべく使わないことをします。

特にビジネスの場ではスッキリとしたスマートな言葉使いをした方が好印象を与えることができます。

文と文を接続詞の「て」などでつないだ言い方は敬語連結と言って、二重敬語とは認識されませんので使っても問題ありません。「お越しになっていらっしゃいます。」のような言い方です。

「お伺い」(お+伺う)や「お召し上がりになる」(お~なる+召し上がる)のように定着して慣用句となり認められているものもあります。

「お」と「ご」について

「お~なる」や「ご~なる」の言い方は、尊敬語を使う時の表現です。丁寧語を使う時にも「お」や「ご」を使います。謙譲語は自分を主語にして、自分の物や行動や状況に対して使うへりくだった言葉なので、「お」や「ご」を使うのはおかしいのですが、相手のためにする行動や相手のための物を指して言う時には「お」や「ご」を付けて言うことがあります。

・「ご連絡をいたします。」

・「お電話をさせていただきます。」

のような場合です。

「お」と「ご」の使い分け

敬語を使う時には適度に「お」や「ご」を使います。基本は、「お」は和語に付き、「ご」は漢語に付きます。和語や漢語と言ってもよくわからない時は、漢字の読みが音読みの場合は漢語(例:意見)、漢字の読みで意味がわかる訓読みの場合は和語(例:考え)です。

和語なのに「ご」を付けて「ごゆっくり」や「ごもっとも」と言うこともあります。漢語なのに「お」を付ける例外もたくさんあります。生活に親しんだ言葉に例外が多く見られます。

「お」は「お恥ずかしい」「お暑い」「おきれい」など形容詞に付くこともあります。「お」と「ご」を付ける言葉と漢語なのに「お」が付く例外を表にしました。

「お」「ご」「例外」 「お」を付ける言葉 「ご」を付ける言葉 漢語に「お」が付く例外
「お」や「ご」の付く言葉 お断り、お友達、お手紙、お住まい、お名前、お考え、お知らせ、お気持ち ご返事、ご連絡、ご報告、ご説明、ご指名、ご招待、ご依頼、ご案内 お電話、お化粧、お食事、お名刺、お勉強、お稽古、お給料、お料理、お財布

「お」や「ご」を付けない言葉

「お」と「ご」を付けない言葉は基本は外来語(ボールやガラスなど)や公共物(学校や区役所など)や自然現象(台風や雷など)などです。しかし「おビール」など美化語として認識されている言葉使いもあります。その他にも「おタバコ」や「おトイレ」などと言うこともあります。

美化語とは、敬語とは少し違います。自分を高める品のある言葉使いを指します。

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「れる」や「られる」は勘違いされやすい

尊敬の助動詞である「れる」や「られる」も、受け身の表現と勘違いされやすいので気を付けましょう。「聞かれる」「思われる」「言われる」「見られる」「行かれる」は他の言葉に置き換えた方が無難です。「お聞きになる」「お思いになる」「おっしゃる」「ご覧になる」「いらっしゃる」などの言い方の方が間違えられずに済みます。

「なられる」はなるべく使わない

「なられる」という言い方もなるべく避けた方がいい言葉です。「お越しになられました。」は「お越しになりました。」と言うのが正しい言い方です。「お~なる」と「~られる」が二重になってしまった言い方です。同じ間違いとして、「お亡くなりになられる」(お亡くなりになる+亡くなられる)や「おっしゃられる」(おっしゃる+られる)などがあります。

「おいくつになられましたか?」は正しい「なられる」の使い方です。「いくつになる」の時の「なる」は敬語ではないので、そこに「られる」を付けても二重ではないからです。

「される」を敬語表現するときの例文

「~される」という言葉を使って敬語で話す時の例文をその場の状況に合わせて挙げてみます。

紹介

紹介をされる時の、尊敬語の「される」の使い方の例です。

・「社長がお嬢様を紹介されるそうです。」

・「お客様がお友達を紹介されました。」

のような言い方をします。

依頼

依頼をされる場合の「される」の使い方の例文を挙げます。

・「部長が依頼されるとのことです。」

・「お客様がご注文されました。」

などの言い方をします。

提案

提案をする時の「される」の使い方の例文です。

・「課長が提案された意見です。」

・「ご主人が提案された方法です。」

「される」の別の敬語表現例

「される」は尊敬を表す助動詞ですが、受け身の表現としての意味もあります。状況によっては勘違いをされてしまう可能性もあります。したがって他の言葉で言い替えることができる時には別の表現方法を使った方が無難です。

ここでは別の敬語表現の例を状況別に紹介します。

いただく

前述の表現を謙譲語の「いただく」を使って言い換えます。

・「社長からお嬢様を紹介していただけるそうです。」

・「お客様からお友達を紹介していただきました。」

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召される

「召される」は「する」の尊敬語です。「召す」に尊敬の助動詞「れる」が付いた形です。「召す」には、「呼び寄せる」「食べる」「飲む」「着る」「風邪を引く」「年を取る」などの意味があります。

尊敬語としての使い方の例を挙げます。

・「社長がお嬢様を紹介召されるそうです。」

・「お客様がお友達を紹介召された。」

かなり古めかしい言い方ですが、間違いではありません。

よく使われる「召される」の言い方は、「天に召された」「お着物を召された」「お風邪を召された」「お年を召された」「お酒を召された」などがあります。敬語にしないで言う場合には、「お年を召された」を「お年を召した」と言います。「天に召された」の場合の「召された」は尊敬語ではなく「召す(呼び寄せる)」の受け身でしょう。

なさる

「なさる」は「される」と同じ尊敬を表わす助動詞ですが、「なさる」は「される」よりも尊敬の度合いがより高い表現方法になります。

・「社長がお嬢様を紹介なさるそうです。」

・「お客様がお友達を紹介なさいました。」

「~なさりました。」でもいいですが、時代劇で使うような言い方なので硬くて古めかしい印象が残ります。

くださる

「くださる」という尊敬語を使って言い換えます。

・「社長がお嬢様を紹介してくださるそうです。」

・「お客様がお友達をご紹介くださいました。」

「紹介してくださる」と「ご紹介くださる」は同じ意味ですが、「紹介してくださる」の方が口語的でフレンドリーなイメージです。その場の状況に応じて使い分けましょう。

敬語ではない言葉

敬語ではないのに敬語だと考える傾向の広まっている言葉があります。いくつか挙げます。

「承知」について

「承知」という言葉は謙譲語だと考える人が多いのですが、間違いです。「承る」という謙譲語が入っているので「承知」も謙譲語だという認識が広まったと考えられます。したがって「承知いたしました」は二重敬語だという考えも誤りです。

「ご存じ」について

「ご存じ」もそれだけで尊敬語だと考える人が多いですが、間違いです。謙譲語の「存ずる」によく似ているので、誤った考えが広まったと考えられます。したがって「ご存じでいらっしゃる」は二重敬語ではありません。

ちなみに「存ずる」は「承知する」の謙譲語です。「承知する」の意味は「わかりました」や「了解しました」と、「知っています」がありますが、「存じてます」や「存じ上げてます」は「知っています」の意味です。「存じます」と言う時は「そう考えています」という意味になります。

「どうぞ召し上がれ」について

幼稚園などで「どうぞ召し上がれ」と言うことがありますが、「召し上がれ」は尊敬語の命令形になります。

「お上がり下さい」は自分と同じ立場の人や目下の人に使う言葉です。「お上がりなさい」だと命令形です。「~なさい」より「~下さい」の方が感じがいいです。

しかし「召し上がれ」は「いただきます」への返しの言葉として定着しているので、尊敬語を使う相手でない人に言っても問題ありません。尊敬語というより美化語と考えていいでしょう。

命令形についてさらに言うと、「いってらっしゃい」「お帰りなさい」「お休みなさい」なども命令形です。敬語を使いたい時には語尾に「ませ」を付けると丁寧な言い方になります。「お帰りなさいませ」などです。「お上がりなさい」も「ませ」を付ければ優しい響きになります。

尊敬の気持ちを表わす敬語

敬語の中でも尊敬の気持ちを表す尊敬語は、ビジネスの場だけではなく接客のアルバイトなどでもよく使います。「いかがされますか?」とか「どちらになさいますか?」などと言います。「される」や「なさる」はお客さまに質問する時にはよく使う言葉です。

「される」は尊敬を表わす助動詞ですが、受け身の意味もあるので相手に勘違いをされないように気を付けて使う必要があります。「カードをご利用されましたか?」と聞く時に、敏感なお客様だと一瞬不愉快な気分になる可能性があります。「カードをご利用になりましたか?」と聞くなど他の言葉に言い替えた方がいい場合もあります。

尊敬語を使って相手を高める言い方は、上手に使うと相手をとても良い気分にさせ、好印象を与えることができます。自分でも上手に使えるととても気持ちの良いです。よく使われるフレーズを覚えて意味もしっかり理解した上で使いましょう。

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