cms-import-tapbiz-wp

「提示」の意味と使い方・類語・敬語表現・「呈示」との違い

[allpage_toc]

「提示」の意味とは?

「提示」の意味は、「(条件・問題などを)その場に持ち出して、人に分からせる」です。「提」には「差し出す」の意味があり、「示」は「示す」=「見せる」の意味を持ちます。「差し出す」は「目の前に出す」ことで、「見せる」は「明らかに見えるようする」ことを表します。

以上のことを踏まえると、「提示」の意味が「その場に持ち出して、人に分からせる」である理由も分かります。

「提示」と類語になる意味を持つ言葉は?

「提示」の類語は、いくつか存在します。その中には「特定の場・状況」でのみ使えるものもありますが、言い換えの参考に見ておきましょう。

明示

「明示(めいじ)」は「明らかに示す」と書くように、「はっきりと示す」の意味を持つ言葉です。「提示」は「その場に持ち出して人に分からせる」の意味であり、「(条件・問題などを)持ち出して」ということが含まれているため、その点においては「明示」と「提示」は違う意味を表していると言えますが、「はっきり(明らかに=見えるように)示す」点では類語になります。

使い方ですが、多くの場合「はっきりと示すべきことを示した時」に使います。たとえば、「消費期限を明示する」や「引用元を明示する」などの使い方をされます。「明示」=「はっきりと見せる」の意味だと覚えておき、その意味通りのことを示す時に使ってみましょう。

表示

「表に示す」と書く「表示(ひょうじ)」は、よく見かける言葉です。「表示」は3つの意味を持っています。1つ目は「はっきりと表し示す」で、2つ目は「図表にして示す」です。そして、3つ目は「兆し・兆候」の意味になります。

「その場に持ち出して人に分からせる」の意味を持つ「提示」の類語になるのは、1つ目の意味「はっきりと表し示す」です。「表し」は「表す」の連用形で、「表す」は「表に出す・表現する」ことを意味します。つまり、「表示」=「見えるようにする」の意味になります。「提示」が持つ、「分かるように見せる」という点が同じです。

使い方は、「パッケージに検査済みの表示をする」などがあります。意味には「はっきりと表し示す」とあるため、「明示」のように「はっきり・明らかに示す」ことを表す時に使います。

標示

「標示(ひょうじ)」は「表示」と同音語ですが、意味は異なります。「表示」の意味は「はっきりと表し示す」でしたが、「標示」が持つ意味は「目印を用いて人に表し示す」です。「目印」になるものは「文字・記号・絵」などで、これらを用いて「表し示す」ことを「標示」と言います。

「分かるように記号を提示する」など「文字・記号・絵などの目印」を使って「表し示す(見えるように・分かるようにする)」ことを表す時には、「標示」を言い換え表現として使うことができます。

交通の中などで大事な「標識」は「目印として設置したもの」のことで、「目印」は「他のものと同じにしないようにするための印」を意味します。「標識」=「その道が他の道とは同じではないことを意味する印」であり、「ここ、これは何なのか」を識別できるように「文字・記号・絵」などを使って「はっきり見せる」ことが「標示」です。

内示

「内示(ないじ)」は、ビジネスシーンで使用されることがあります。「内で示す」と書く「内示」の意味は、「公式ではなく内々に示す」です。「公式」は「おおやけ(個人ではなく組織や世間に関わる)の方式」や「それに則り物事を行う」の意味を持ち、「内々」は「個人・限られた領域」を意味します。

つまり、「内示」=「個人や限られた領域にいる人に示すこと」です。ビジネスシーンでは「転任の内示を受ける」などの使い方があり、この文では「個人的に転任が知らされた」ことを表しています。「提示」は「公式ではない」意味を含まないため、「示す」こと以外では同じ点がないと言えます。「内々」で「示す」時には、「内示」を用いると良いでしょう。

指示

「指示(しじ)」は「指し示す」と書きますが、「指す」は「指で示す」ことを表しています。「指示」が持つ意味は2つありますが、「指で指す」様子の通り「物事をそれと指し示す」と「指図する(命令)」の意味です。「提示」の類語になるのは前者の意味「物事をそれと指し示す」ですが、一般的には「指図する」の意味で用いられることも多いです。

「提示」と類語になる意味「物事をそれと指し示す」で使う場合は、「地図で位置を指示する」などの使い方をされます。「指を使って物事の存在を分かるようにする」ことを表す時に、「指示」を使うことができます。

例示

「例示(れいじ)」は「例を示す」と書く通り、「例として示す・例を示す」の意味があります。もう1つの意味として「(文法で)例として示す言い方」もありますが、「提示」の類語になる意味は前者の「例として示す・例を示す」です。

「提示」するものが「何かの例・たとえ」である場合には、「例示」という言葉を使うことができます。例文には「解答を例示する」などがあり、「たとえばこういうこと、こうするとこうなる」といった「例」を「示す」時には「提示」ではなく「例示」を使っても良いでしょう。

[no_toc]

呈示

「呈示(ていじ)」には、2つの意味があります。1つは「差し出して見せる」で、もう1つの意味は「手形・小切手などの所有者が支払請求をするために振出人・支払人・引受人に証券を示す」です。「提示」と類語になる場合の意味は、前者の「差し出して見せる」になります。

「提示」の意味は「その場に持ち出して人に分からせる」であり、「提」=「差し出す」と「示」=「見せる」で成り立っていることから、言い方を換えると「(分かるように)差し出して見せる」になります。つまり、「呈示」と「提示」の意味はとてもよく似ているということです。

「提示」と「呈示」の意味に違いはある?

「提示」と「呈示」の意味は、どちらも「差し出して見せる」でした。「提示」の意味は「その場に持ち出して人に分からせる」ですが、「提・示」の漢字が持つ意味を踏まえて言い換えると「呈示」の意味説明と同じ「差し出して見せる」の意味にもなります。

違いは?

この2つにはどういった違いがあるのかという話ですが、その違いは既に説明されています。「どう(何を)差し出して見せるのか?」が2つの違いのポイントで、「提示」には「条件・問題などを」という要素がありました。そして、一方の「呈示」は「差し出して見せる」だけで「何を見せる」といったことが含まれていません。

結論

以上のことを踏まえますと、「呈示」は「そのものが何でも」相手に「差し出して見せる」ことを表す言葉ということになります。簡単に言えば、「単に差し出して見せる」=「呈示」です。「提示」は「条件・問題などをその場に持ち出して」ですので、単に差し出すではなく、「相手に分からせるために差し出して見せる」ことを言います。

「相手に情報・サービスを求められた時に示す」ことは「提示」、「こちらから何かしらの物を前に出して見せる」ことは「呈示」になります。したがって、「呈示」が表す「差し出して見せる」は「自分・相手の目の前に物を出して見せる」こと、「提示」が表す「差し出して見せる」は「条件や問題などその場で相手に分からせる必要があるものを目の前に出して見せる」の意味があります。

簡単にまとめると、「単に差し出して見せる(呈示)」のか「その場の必要に応じて差し出して見せる(提示)」なのか、という違いです。

「提示」を敬語表現にすると?

「提示」自体は敬語表現ではないため、「提示」+「敬語の意味を持つ言葉」=「提示◯◯」という形で敬語表現を作ります。「◯◯」に入るのは、「します」や「いたす」などの言葉です。「提示」を敬語で表現する時には、「提示する」の敬語表現(提示します・提示いたすなど)を使いましょう。

丁寧語

「提示する」を丁寧語にする時には、「する」を「します」に言い換えた「提示します」を用います。「します」は尊敬語になることもありますが、一般的には「する」の丁寧語表現として「します」を使用します。

謙譲語

「提示する」を謙譲語にする時には、「する」の謙譲語に当たる「いたします」を組み合わせた「提示いたします」を使います。「いたします」は「いたす」+「ます」の組み合わせで、「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、漢字で書く「致す」には「後に良くないことが起きると分かっている中で行う」を意味するという話もあるため、ひらがな表記「いたす」を使いましょう。

尊敬語

「提示する」を尊敬語にする時には、「する」の尊敬語である「なさる・される」に言い換えた「提示なさる・提示される」を使用します。尊敬語では相手への敬意を示し、丁寧さを強くする必要があるため、「提示」に「御(ご)」を付けることもして、「ご提示なさった・ご提示されました」などの形にして使うことが多いです。

[no_toc]

「提示」の使い方!

実際に「提示」を使う時の形のご紹介と共に、使い方を確認しておきましょう。

提示します

「提示します」は丁寧語に当たるため、目上・対等・目下を問わず、誰に対しても使用することができます。「します」の部分は、状況に応じて「しましょう・しましょうか・しません」などの形に変化させることもできます。

提示いたします

「提示いたします」は謙譲語に当たるため、目上・立てるべき相手に自分が提示することを伝える時のみ使用します。目上は上司など、立てるべき相手はお客様・取引先の方などのことを言います。「します」同様、「いたします」の部分は、状況に応じて「いたしましょうか・いたしません・いたしたはずですが」などの形に変化させても良いでしょう。

提示なさる

「提示なさる」は尊敬語に当たるため、目上・立てるべき相手自身が提示する時に使います。「提示」と「なさる」を組み合わせる時には、「なさった」の形にして使用されることが多いです。

提示される

「提示される」は「なさる」と同様、尊敬語になります。「される」の部分は、「されました・されましたか・されたようですが」などの形にもできます。

「提示」の反対語・対義語になるのは?

「提示」の反対語・対義語になる言葉はありませんが、類語である「見せる」の対義語は「隠す」、「提出」の対義語は「受領」になります。類語から考えて、「提示」の対義語は「隠す・受領」などが反対語・対義語のような意味を持つのではないかと考えられます。

「提示」と類語を使い分けよう!

「提示」の意味は「(条件・問題などを)その場に持ち出して人に分からせる」で、同音語である「呈示」との違いは「単に差し出し見せる(呈示)」のか「条件や問題などの場に応じたものを差し出して見せる(提示)」のかといった「差し出し見せる」の仕方・状況にあります。

敬語表現の中では「提示します・提示いたします・提示なさる・提示される」のように、「提示」+「敬語表現の意味を持つ言葉」にして使う必要があります。その時々に合った表現の仕方・言葉遣いで、「提示」の意味を伝えましょう。

モバイルバージョンを終了