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「忌憚のない意見」の意味と使い方・類語・目上の人への使い方

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忌憚のない意見の読み方は?

ビジネスには会議が付き物です。その中で、「忌憚のない意見をお願いします」というフレーズを聞いたり、自分が主催者側の立場の場合は、自分自身がこの言葉を発することも多いでしょう。

仕事の上では、日常的に使われている「忌憚のない意見」という言葉について、その意味や使い方などを改めて見ていきましょう。

まず、「忌憚」=「きたん」と読みます。

忌憚のない意見の意味は?使い方は?

「忌憚のない意見」の読みが分かったところで、次に、その意味と使い方について見ていきましょう。

忌憚のない意見て?

改めて、「忌憚のない意見」の「忌憚」という漢字に着目すると、少し、難しそうなイメージがあります。

まず、「忌憚」の「忌(き)」には、「いみはばかる」、「おそれて避ける」という意味があります。また、「忌憚」の「憚(たん)」は、訓読みすると「はばかる」になります。「はばかる」には、「差し障りがあるので差し控える」、「遠慮する」という意味があります。

このことから、「忌憚のない意見」とは、「避けたり、遠慮することがない意見」ということになります。会議などで、「忌憚のない意見をお願いします」と言われた場合、「どんな意見でも、遠慮せずに、活発に発言してください」という気持ちが込められています。

どんな使い方をするの?

それでは、「忌憚のない意見」の使い方について、例文でお示ししましょう。

<社内会議>
・ただ今の提案に対して、忌憚のない意見をお願いします。
・賛成、反対、それぞれの立場から、忌憚のない意見交換をお願いします。
・社運がかかっているので、わが社が抱える課題について、忌憚のない意見をお願いしたい。

<住民説明会>
・マンション建設に係る疑問点などについて、忌憚のない意見をお願いしたいと思います。

<友人との会話>
・ 私の目指す進路について、君の忌憚のない意見を聞かせて欲しい。

やってはいけない使い方!

「忌憚のない意見を聞かせてください」とは、「どんな意見でも、遠慮せずに、活発に発言してください」という意味でした。そこには、オープンで、自由闊達な意見が求められていることは間違いありません。

但し、発言の内容は、TPO、すなわち、タイミングや場所、状況などに十分配慮しなければなりません。

例えば、気の置けない友達同士との間で、「忌憚のない意見」を使う場合は、時に「歯に衣着せぬ意見」をしたとしても許容されるでしょう。しかし、目上の人が多く出席している会議などで、言葉遣いも気にせず、また、特定の人を中傷するような発言は、「忌憚のない意見」とは言えません。

忌憚のない意見も、TPOによっては、品格と節度を心得た内容にするよう心がけましょう。

「忌憚のない意見」の目上の人への使い方は?

では、目上の人に対して、「忌憚のない意見」というフレーズはどのように使えばいいのでしょうか。

敬語にも種類がある!

目上の人との会話で、特に気を付けなければならないのは、敬語の使い方です。メールやSNSなどによる情報交換が多くなった現在、敬語を完璧に使いこなすことができる人が減ってきています。

「忌憚のない意見」の敬語表現を考えるにあたって、まずは、敬語の種類を見ていきましょう。

敬語の種類とは?

敬語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類があります。謙譲語と丁寧語については、さらに分けて、5種類に分類する指針が文化庁から出されています。

1.尊敬語(その人自身や行動、環境などを高めて表現)
いらっしゃる。おっしゃる。

2.謙譲語(自分や自分の行動などを、へりくだって表現)
謙譲語1
伺う。申し上げる

謙譲語2
参る。申す。

3.丁寧語(丁寧な表現をすることで、相手への敬意を表す)
丁寧語
です。ます。

美化語
お酒。お料理。

敬語に変換する 1!

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1.尊敬語

<動詞の場合>

・お○○になる。
飛行機にお乗りになる。

・「~られる」「~なさる」
飛行機に乗られる。乗馬をなさる。

・言葉自体を言い換える
言う→おっしゃる。見る→ご覧になる。

<形容詞・形容動詞の場合>

・「お」、「ご」を付ける。
美しい→お美しい。多忙→ご多忙

<名詞の場合>

・「お」、「ご」を付ける。
先生のお車。先生のご実家。

2.謙譲語

<動詞の場合>

・「お○○する」、「ご○○する」
社長をお送りする。

・「お○○いただく」、「ご○○いただく」
先生にお越しいただく。先生にご来館いただく。

・「お○○申し上げる」、「ご○○申し上げる」
先生をお待ち申し上げる。先生をご案内申し上げる。

・言葉自体を言い換える。
言う→申し上げる。見る→拝見する。

<名詞の場合>

・「粗」、「拙」などを付ける。
粗品、拙宅など。

敬語に変換する 2!

3.丁寧語

<動詞、形容詞、形容動詞など>
・「~です」、「~ます」、「~でございます」など。
これはペンです。よろしゅうございます。

<その他>
・相手や相手の所有物を敬う場合は、「貴」、「御」などを付ける。へりくだる場合は、「小」、「拙」、「弊」などを付ける。

<一人称、二人称の敬語>
・あなたの尊敬語
貴殿、貴女など
・私の謙譲語
小生、下名など。

気を付けたい二重敬語!

あまりに丁寧に敬語を使おうとするあまり、つい誤った使い方をしてしまうのが二重敬語です。具体的な事例を見ていきましょう。

・「お帰りになられる」
「帰る」→「帰られる」と「お○○になる」を二重に使用しています。

・「ご希望になられる」
「希望する」→「希望される」と「ご○○になる」を二重使用しています。

但し、既に慣例的になっている場合は許容されています。

・お伺いする。
「聞く」→「伺う」と「お」を付ける二重使用です。

・お召し上がりください。
「食べる」→「召し上がる」と「お」を付ける二重使用です。

敬語を使用した文例!

それでは、実際に敬語を使用した文例を見ていきましょう。

・私の名前は○○です。→私の名前は、○○と申します。
・私の意見を聞いてもらいたい。よろしくお願いする。→私の意見をお聞きください。よろしくお願い申し上げます。
・このような機会を与えてくれてありがとう。→このような機会を与えていただき、ありがとうございます。

「忌憚のない意見」の敬語表現は?

それでは、「忌憚のない意見」は、どのような敬語表現をして、目上の人に対応すればいいのでしょうか。

「忌憚のない意見」というフレーズそのものは、目上、目下に関係なく使う語句です。したがって、目上の人との会話で、「忌憚のない意見」という表現を使うときには、敬語の中でも、「丁寧語」をうまく活用するようにしましょう。

<例文>

・忌憚のないご意見をお聞かせください。
・忌憚のないご意見をご教示ください。
・忌憚のないご意見をお伺いしたいです。

目上の人に使ってはいけない表現は?

「忌憚のない意見」という表現そのものは、立場の上下に関係なく使えるフレーズであることはお示ししました。

しかし、この「忌憚のない意見」は、相手方の方から、「どうぞ、避けたり遠慮せずに意見を言ってください」と使われるフレーズです。

これを間違って、自分の方から、「忌憚なく意見を言います」などと、いきなり目上の人に使うのはNGです。そのような場合は、「恐縮ですが」であるとか、「誠に申し訳ありませんが」などのように、遠慮の気持ちを込めた言葉を添えて、相手の気分を害さないようにしましょう。

「忌憚のない意見」の類語は?

「忌憚のない意見」の「忌憚」には、「避けたり、遠慮する」という意味があります。従って、「忌憚のない意見」とは、「避けたり、遠慮したりしない意見」であることは、先にお示ししました。

そこで、「忌憚のない意見」と同趣旨の表現を例示しましょう。

・縛りのない意見を期待しています。
・自由闊達な意見をお聞かせください。
・制約を受けない意見をお待ちしています。
・思いのままの意見をお願いします。
・しがらみのない意見をお寄せください。
・遠慮のない意見をお聞かせください。
・胸襟を開いた意見がお聞きしたいです。
・思うがままの意見を述べてください。
・何事にも邪魔されない意見を期待しています。

などです。

「忌憚のない意見」の類語のようで類語でない表現は?

「忌憚のない意見」という表現の類語を見てきましたが、似て非なる言葉もあります。

屈託のない意見!

「忌憚のない意見」とよく似ていますが、間違って使われている場合も多い言葉に、「屈託(くったく)のない意見」があります。

「屈託」とは、「一つの事ばかりを気にして、他のことが手につかないこと。くよくよすること」という意味です。

よく使われる「屈託のない笑顔」とは、「無邪気で悪意のない、心から嬉しく感じている笑顔」です。「屈託のない意見」と表現すると、「無邪気で悪意のない、素直な意見」というイメージの方がしっくりきます。

ところが、間違いなく、「忌憚のない意見を聞きたい」という表現を使うべきなのに、「屈託のない意見を聞きたい」と誤用されているケースが意外と多いのです。

これでは、相手に「無邪気で悪意のない、率直な意見」、すなわち、「直感的かつ感情的なレベルの意見」を求めていることになります。本当に、そういう意見を期待しているならともかく、明らかに誤った使い方はNGです。

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忌憚のない意見を英訳すると!

どちらかというと、日本人は、「忌憚のない意見」を述べるのは、得意ではありません。それに比べると、外国人にとっては、「忌憚のない意見」を言うことが、「普通の意見」という印象があります。

では、「忌憚のない意見」に係る英訳について見ていきましょう。

・「忌憚のない意見を言う」
say whatever is on one’smind

・「忌憚のない意見交換」
frank exchange of views

・「忌憚なく話す」
talk straightforward

まだまだ、たくさんの英訳事例があるようですが、特定の表現はないようです。やはり、外国の人にとっては、「忌憚のない意見」が当然のようです。

忌憚のない意見を言える社会に!

これまで、「忌憚のない意見」というフレーズにフォーカスを当てて、状況に応じた、適切な使い方などを見てきました。

日本人は、良好な人間関係を重視するあまり、自分の思っていることや感じていることを、ストレートに表現することは得意ではありません。

しかし、長期的な視野から見ると、「忌憚のない意見」こそが、良好な関係を継続・発展させることに繋がる手段といえます。このような、意思表示する側のスタンスもさることながら、それを受ける側も、表面的・形式的に「忌憚のない意見」を求めるのではなく、その意見を真摯に受け止めて、改善・改革を実行するという態度が不可欠です。

「忌憚のない社会」を実現したいものです。

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