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「遂行する」の意味と使い方
「遂行する」の「遂」という漢字は「とげる」と読み、「最後までやり終えること」や「成しとげること」を意味する漢字です。一方、「遂行する」の「行」という字は、「おこなうこと」や「指示通りにやること」などを意味する漢字です。二つの漢字の意味を並べると、「遂行する」とは、「何か最後までやりきること」という意味であることがわかります。
「遂行する」の実際の意味も、「任務や仕事、物事をやり通し、 成し遂げること」という意味です。ですので、「任務を遂行する」といった場合、「任された仕事をやり通して、最後まで完成させる」という意味になります。
このように、「遂行する」とは「物事を最後までやりきること」や「物事を最後までやりきったとき」に使う言葉だと言えます。
「遂行する」の類語・言い換え表現
「全うする」
「全うする」という言い回しは、他の言葉と組み合わせて、一定の意味がある言葉として使われていることもあります。例えば、「天寿を全うする」や「節を全うする 」という言葉です。
「天寿を全うする」といったときには、「天寿(天から授かった命の長さ)を十分に使い切って亡くなる」という意味の言葉になり、「節を全うする」といったときには、「操(貞操)を守りとおすこと」という意味がある言葉になります。
このように、「全うする」という言葉も「遂行する」と同じように、「何かを最後まで〜する」と言うときに使う言葉です。
「完遂する」
たまに「完遂」を「かんつい」と読む方もいますが、これは誤りです。正しくは「かんすい」ですので、正しく読めるようにしましょう。
「成し遂げる」
また、言葉の意味にもあるように、この言葉は「見事に何かやって見せたとき」に多く使われる言葉です。この点で「遂行する」と少し違うニュアンスのある言葉だと言えるでしょう。「よくやった」、「よく成し遂げた」と祝うことができることをし終えたときに、よく使う言葉です。
「し遂げる」
「しおおせる(すっかり見事にやる)」という言葉が意味に含まれるように、こちらも「成し遂げる」と同じように、「よくやった」と言えるときによく使う言葉です。「偉業をし遂げた」や「非常に難しい研究をし遂げた」というように使います。
やり遂げる
「最後まで完全に行う」という意味で「遂行する」と同じ意味の言葉だと言えます。また、やったことに対してその結果に関わらず、自分の持てる力を持って物事をやり終えたというニュアンスのある言葉でもあります。
「1人でやり遂げた」や「やり遂げることができた」というように使います。
「やり遂げた」と「成し遂げた」の違い
「やり遂げる」は「最後までやり終えたことの結果が、成功するしないに関わらず、自分の持てる能力を使い切って最後までやり通す」というニュアンスがあり、一方の「成し遂げる」はあらかじめ決めていた目標や目的を乗り越えて、最後まで物事をやり通す」というニュアンスがあります。
例えば、「体調を崩したけれど仕事をやり終えた」というときに、「やり遂げた」というと、「とりあえず仕事を終わらすことはできた」という感じですが、「成し遂げた」というと「仕事の中でやるべきことや、保つべき質を守って仕事を終わらせた」という雰囲気があります。
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「達成する」
こうしたことから、「遂行する」よりも、「やったことの結果がきちんとでたこと」に使う言葉と言えるでしょう。
「やり抜く」
「どこまでもやり抜く覚悟です」や「見事やり抜いた」というような使い方をします。
「大成する」
「事業を大成させた」や「成功者として大成する」というように使います。
「遂行する」の例文
「遂行する」を使った文章
「命令を遂行した」
「任務を遂行するには時間がかかる」
「遂行するにあたり」
何か頼まれてやり遂げなくてはいけない時に、聞いておきたいことがあったり、確認したいことがあったりしたときに使うフレーズです。
「遂行する訳」
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「プランを遂行する」とも言える?
というのも「計画」は「物事をするにあたってあらかじめそのやり方や手段を考えること」を意味する言葉ですので、「手段を考えることを最後までやり遂げる」という意味にもなるからです。
ですので、もし「プラン通りに最後までやり抜くこと」を伝えたいのであるならば、「プランの通り遂行する」と行った方が良いでしょう。
「遂行する」を敬語で言いたい時はどうしたらいい?
敬語で使いたいシーンを考える
まず、「業務を終えたとき」は、「遂行する」の「する」を敬語の謙譲語に直して、「いたす」にします。ですので「遂行いたしました」という言い方をすることができます。では、「仕事をいただいとき」に「この仕事をやらせていただくことになった」と言うことを言いたいときに、「遂行する」と言う言葉が使えるかというと、こちらは使えないと言えます。
というのも「遂行する」という言葉は「能動的に最後までやりとおす」という意味合いのある言葉なので、「仕事をさせていただく」という「受動的」な言い方にはふさわしくないからです。ですので、「仕事をさせていただく」というときには、「従事」という言葉を使い、「こちらの仕事に従事させていただきます」と言うのが適切な表現です。
難しい言葉も抑えて褒められよう!
このように難しい言葉の意味と使い方を抑えて、しっかりとその言葉を使いこなすことができると、ただ単に何かを伝えるだけであったとしても、それが伝わったこと以上に良い評価をもらうことができます。ですので、「難しい言葉は使うのも難しいから」と使うのを避けずに、ぜひ調べて使うようにしましょう。