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「喘ぐ」って何て読むの??
「喘ぐ」は「あえぐ」と読みます。「喘」は訓読みでは「せん」または「ぜん」となります。
例えば「喘息」(ぜんそく)という病気はよく知られています。咳き込んだり、痰が詰まったりして息苦しくなる病気で、胸の痛みを感じることもあります。
そして音読みは、「喘ぐ」の「あえ(ぐ)」が良く使われます。他には「せき」「せ(く)」があります。
「喘ぐ」の意味と使い方を解説!
・学校に遅刻しないために駅から全速力で坂道を上ったので、喘ぐように校門に辿りついた。
などの使い方ができます。また、この様子から転じて生活に窮乏している様子を表すのに使われたり、会社の経営状態を表現するのに「喘ぐ」という言葉が使われることがあります。例えば、
・父が若くして亡くなったため、母と子の暮らしは切迫し、貧困に喘いでいた。
・時代の寵児として雑誌を飾ったこともあるカリスマ経営者の会社は、かつてはITバブルの勢いに乗って飛ぶ鳥を落とす勢いであったものの、現在は経営不振に喘いでいる。
などと使うことができるでしょう。
「喘ぐ」の類語・言い換え表現を紹介!
経済的
したがって、例えば、経済的に困窮し苦しい様を表すような類語としては、「苦しい状態に陥っている」「苦汁(くじゅう)を味わう」「困窮(こんきゅう)する」「四苦八苦(しくはっく)する」などさまざまな類語が考えられます。
精神的
しかし、より精神的な表現として似た意味を持つ言葉を探せば「呻吟(しんぎん)する」「苛(さいな)まれる」「苦悩(くのう)する」「葛藤(かっとう)する」などの類語があげられるでしょう。
肉体的
ネガティブな意味では、すでに経済的、精神的な意味において「喘ぐ」と同じ意味を持つ類語が挙げられるでしょう。それでは、喘ぐにポジティブな意味における類語はあるのでしょうか。
「喘ぐ」にポジティブな意味合いを与えるとすれば、「生命力が強い」「しぶとい」というイメージがあるでしょう。しかし、これでは「喘ぐ」の類義語としては成立しません。
類義語を辞書で調べると、「喘ぐ」の類義語として「焦がれる」というのがあります。「身を焦がす」でも同じでしょう。先に「呻吟する」という類義語を挙げましたが、より肉体的な表現にすれば、「焦がれる」などは「喘ぐ」の類義語として相応しいといえるでしょう。
下ネタ
「喘ぐ」には本来、このような性的な意味と直接的なつながりはありません。しかし、やはりこのような意味で「喘ぐ」が使われていることは事実です。例えばアダルト向けのビデオでは「喘ぎ声」などは一般的です。
これは息が切れてはあはあいうという状態が、性的に興奮している様子と似ていることから、「喘ぐ」の違う意味で使われることになったと言えるでしょう。性的なことを表すには、直接的に言わない方がよいことから「喘ぐ」「喘ぎ声」などが使われるようになってきたと言われています。
「喘ぐ」の用例って何?
宝島
・船長は「喘ぐ」ような息をした。
・彼は「喘ぐ」ように言った。
・一人が「喘ぐ」ように言った「帰ろうよ」
残念ながら、あまり印象深い用例というのはないと言えます。どちらかというと紋切型というか、分かりやすい表現方法として使われているのが「喘ぐ」という言葉なのではないでしょうか。
喘ぐような呼吸ってどんな呼吸
このため「喘ぐような」という形容はかなり直接的な表現であると言えるでしょう。つまり、あまり詩的で奥ゆかしい意味ではなく、どのような呼吸の状態なのか他人に把握させるのに便利な言葉と言えるでしょう。
例えば、芥川龍之介は「齒の疎な口」と「喘ぐような」を組み合わせることで、物語の中の登場人物がもつ呼吸の雰囲気を作り出すことを簡単にしています。
また、例えば近しい人を看病しているようなときには、「喘ぐような呼吸でした」などと説明すると他の人に病状が伝わりやすくなります。
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喘ぐ夜は使い方に注意しよう!
すでに下ネタで解説してきましたが、「喘ぐ」と「夜」が組み合わされれば、現代的な意味では下ネタ的な意味がどうしても生じてしまいます。このような意味は現時点では辞書に載っていないものの、使い方には気を付ける必要があるでしょう。
このため、病院などでは「喘ぐような呼吸」であったとしても「苦しそうな呼吸」や「呼吸が辛そう」などの表現を使った方がいいでしょう。
喘ぐように生きるのもまた良し!
しかし、息も絶え絶えや、息をきらすなど、生命力が低下している状態を指すのが「喘ぐ」の本来の意味です。ただし、なぜか、生命力を表す表現としても「喘ぐ」が使われているのが不思議と感じたのではないでしょうか。
「風前の灯(ともしび)」という言葉があります。人間、追い詰められた絶体絶命の状況でこそ、命の尊さが分かり、濃密に今を生きることができるということもあるのではないでしょうか。そうであるなら、喘ぎ喘ぎ生きるということは素晴らしいことと言えるでしょう。