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「ご指南」の意味や使い方
この「ご指南」ですが、名詞である「指南」に接頭辞である「ご」が付いた言葉です。敬語表現で尊敬語として使う場合と丁寧語で使う場合に用います。また、「指南」の後ろに「いたす」という言葉がくる場合は、謙譲語としての使い方となります。
この「指南」という言葉は、特に武術や芸能などを教えたりする場合に使われることが多い言葉です。
「指南」の語源・由来について
この言葉は、古代中国で使われていた南の方向を指し示す車である指南車を下略した言葉です。この指南車は、歯車を使った仕掛けで車の上に備え付けた人形の指が、常に南の方角を示すように作られていました。
この仕掛けは、7世紀後半ごろに日本にも伝わり、作られるようになりました。以降、車という字を下略し「指南」と呼ばれるようになりました。この車は道に迷わないように常に一定の方向を示すことから、人に方向や進路を教え導くという役割を人にも比喩して使われるようになりました。
江戸時代には、大名に仕える『指南番』と呼ばれる武芸を指導する役ができました。そして、
この指導する人を『指南』と呼ぶようになりました。
ご指南下さい
「ご指南ください」という表現は、「ご指南」に補助動詞の「ください」が付いた言葉です。これは、「ご指南」という動作に対してお願いをする表現となっています。
・私に、茶道の作法をご指南ください。
・今度伺った際に、魚の三枚おろしの上手な仕方をご指南ください。
ご指南いただきたい
「いただきたい」という言葉は謙譲語ですが、そのままで言い切ってしまうととてもぶっきらぼうな表現になってしまいます。そのため、「ご指南いただきたいと存じます」など、後ろに言葉を足して表すようにします。
・この作品のようないけばなが生けられるように、ご指南いただきたいと思います。
・先生が舞う蝶のような舞いが出来るように、ご指南いただければと存じます。
ご指南ありがとう
・これまで10年間のご指南ありがとうございました。
・先日は、出汁の取り方をご指南いただきありがとうございました。
ご指南の程
・先生には、柔道の基本についてご指南の程よろしくお願いいたします。
・部長の営業ノウハウについて、ご指南の程よろしくお願いします。
ご指南賜りなど
・今後とも変わらぬご指南を賜りますようお願い申し上げます。
・これもひとえに、先生方のご指南の賜物と暑くお礼申し上げます。
・先生からのご指南賜りましたことに対して報いることができるよう精いっぱい頑張る所存です。
メールでの「ご指南」の使い方
使い方は、送信先の方に対しての依頼やお礼に対して送付する内容のメールになりますので、先に紹介したような例文がそのまま使えます。
「ご指南」と似た意味の言葉との違い
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ご指摘
この意味合いから「ご指南」との違いを見てみると、「ご指南」は、先生の持っている技術を教えて頂くという意味合いに対し、「ご指摘」はこちらのミスに対して指導を受けるという意味になりますので、そのニュアンスの違いがポイントになります。
ご教示
一方「ご指南」は『武術や芸能について教えてもらう』という意味を持った言葉でした。そのため、共に教えてもらうという意味があるものの、教えてもらう内容が違うという点が、この言葉の違うポイントなのです。
ご鞭撻など
「鞭撻」の「鞭」はムチという漢字です。「撻」は『打ちのめす』という意味を持った漢字です。合わせると鞭打って励ますという意味を持つ言葉になります。そこから転じて、「強く励ますこと、いましめて励ますこと」という意味になります。
「ご指南」との違いは、「ご鞭撻」は教えをこうことに合わせて叱咤激励を依頼する言葉ですので、教えていただくことを依頼する点での違いとなります。
「ご指南」の類語
「お教え」などの言葉があります。教えてもらうという意味合いを持った言葉ばかりですが、「ご教授」については、『特定の技芸について教え授かる』という意味を持っており、「ご教導」には、『学問や宗教思想などにおいて、教え導くこと』といった意味を持った言葉になります。
それぞれ使うシーンは違ってきますので、注意して使うようにしましょう。
「ご指南」という言葉を理解し使いこなそう
「ご指南」は目上の人や技術を教えてくださる先生に対して使う言葉ですので、常に謙譲語としての敬語を使うようになります。敬語表現はむずかしいですが、一度覚えてしまうと使いこなすことは可能です。使いながら、表現方法を覚えて行きましょう。
「ご指南」の意味を理解した上で、指導をしてくださる先生に対して失礼に当たらないような言い回しができるように理解し、頑張って使いこなせるようにしましょう。