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「各位」をメールで使うときの正しい方法とは?例文や注意点も紹介

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「メールで各位ってどういうときに使うの?」
「各位と様と御中の使い分けが難しい」
「そもそも各位ってどういう意味?」
社内メールや取引相手などからくるメールの宛名の部分でよく見かける「各位」ですが、その意味や正しい使い方をご存知でしょうか? 

ビジネスでは礼儀やマナーが重要視されるため、用語の誤用はご法度です。社内であれば恥をかくぐらいで済んだとしても、取引相手に対するビジネスメールで間違った使い方をしたとなると、自分のみならず会社の品格や信用を落とすことになりかねません。

この記事では「各位」をメールで使う際のルールや注意点を、具体的な例文をまじえて説明します。

本記事を読むことで「各位」の意味を把握でき、メールで正しく使えるようになるでしょう。

「各位」はビジネスシーンで頻繁に使用する用語なので、この記事を参考に使い方をきちんとマスターしましょう。ビジネスマナーの向上にきっと役立つでしょう。

「各位」とはどういう意味?

メールや文書でよく使われる「各位」ですが、意味としては「皆様」とほぼ同じです。「関係者各位」なら「関係者の皆様」、「お客様各位」なら「お客様の皆様」になります。相手が複数のときに使う敬称と捉えれば分かりやすいでしょう。

ちなみに「各」は多くある中の1つ1つという意味の接頭辞です。相手が複数の際に使う用語なので、個人への敬称として用いることはできません。

「各位」をメールで使うときの4つのポイント

前述したように、「各位」はビジネスシーンで非常によく使われる用語ですが、実は正しい使い方が分からないまま使っている人も少なくないようです。

社会人デビューから間もない時期などは年齢や立場が上の人と接するケースが多いため、どういうシチュエーションでどういう敬語を使うのが正解か、頭を悩ませることも多いでしょう。

社内でも社外でも使えるのか、目上の人にも使えるのか、どんなことに気をつけたら良いのか、ビジネスメールに慣れてない人にはいくつかのハードルが存在します。

ここでは、「各位」をメールで使う際のポイントや注意点を説明します。

1:大勢に宛てて送るときに使う

ビジネスシーンで「各位」を宛名に用いる場面は、告知やお知らせなどの情報の通知、連絡事項の通知、案内状など数多くあげられます。しかし、これらはいずれも大勢に宛てて送るシチュエーションでの使用で、複数とはいえ2人や3人に送る場合ではあまり使われません。

メール送信では、一斉送信の際の宛名に「各位」がよく使われています。送信先が取引相手の会社1社に限定されるようなケースでは、会社の名称の後に「○○各位」と記載してください。

大勢の人を対象にしつつ、その1人1人への敬意を表す便利な表現が「各位」ですが、これを送信先が2人などの少人数のときに使うと、相手は「名刺をなくして名前が分からないから各位を使ったのかな?」などと勘ぐる可能性もあるでしょう。

2:取引先や目上の人にも使える

「各位」は社内メールにも取引先への社外メールにも使えます。社内メールでは連絡事項の通知や業務報告、社内イベントの案内などが多いでしょう。社外メールでは臨時休業の案内やセミナー開催の告知、事務所の移転など、さまざまな用途で使われています。

また「各位」は敬称なので目上の人に使っても問題ありませんが、「各位だけでは敬意が伝わらないのでは?」と不安を感じる場合もあるでしょう。

相手が部長や支店長などの役職持ちで自分より立場が上の人だけを対象とするメールでは、「部長各位」や「支店長各位」、「役員各位」などの表記も可能です。

本来の使い方としては役職などを記載する必要はないのですが、相手の性格や立場を考慮して、臨機応変に使い分けましょう。

3:二重敬語にならないように使う

二重敬語とは「(尊敬語の動詞)+れる」のような過剰な敬語表現のことで、日本語の文法ではNGとされています。

「各位」はそれ自体で敬意を表す用語なので、「各位」の後にさらに敬語の「様」や「殿」を付けた「各位様」や「各位殿」も二重敬語になります。また「様」の位置が前にくる「○○様各位」も同じく二重敬語となり、文法的にNGです。

一方で、「お客様各位」は日常的に使われている表現です。日本語のルールからすると二重敬語でNGなのですが、これをルールに沿った表現にすると「お客各位」になってしまい、いかにも不自然な印象を受けます。

メールや文書の宛名では、客よりもお客様の方が自然なため、社会通念上認められた表現として「お客様各位」や「ご来賓各位」などが浸透しています。

4:「各位」のみでも使用可能

ビジネスメールで宛名に接頭辞の「お」、「様」や「殿」などの敬語表現を付けず「各位」のみで作成すると、失礼にあたるような気がして不安になるのではないでしょうか。

実際、「お客様各位」や「ご来賓各位」と同じように、「お取引先各位」や「ご協力先各位」、「ご担当者各位」、「お得意様各位」などの表現も認められつつあるようです。これらも厳密には二重敬語表現なのですが、より丁寧な意味合いを持たせる表現として受け入れられています。

考えはじめると何が正しいのか分からなくなりそうですが、基本のルールは「各位」が敬称であることです。「各位」のみで敬意を表しているのですから、困ったときは「各位」のみで使用しても問題ありません。

「スタッフ様各位」ではなく「スタッフ各位」、「会員様各位」ではなく「会員各位」、「関係者様各位」ではなく「関係者各位」と、二重敬語を避けた表現を心がけましょう。

「各位」の類義語とその違いとは?

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「各位」と同じようにメールや文書の宛先に使える敬称がいくつかありますが、それらの中で使用頻度が高いのが「御中」と「様」です。

この2つも敬称ではありますが、「各位」とは使うシチュエーションや対象が異なるので注意が必要です。

ここでは「各位」の類義語を紹介し、それぞれの違いについて説明していきます。

「各位」と「皆様」の違い

前述したように「各位」は複数人に対する敬称ですが、「様」は個人に対する敬称です。「皆様」は「様」の複合体ですので、「各位」と「皆様」はほぼ同義の言葉といえます。

同義ではありますが、使われ方にはそれぞれの特徴があります。

皆様は手紙や挨拶文などビジネス以外のシーンでも広く使われているのに対し、「各位」は案内状やお知らせなど、どちらといえばフォーマルな通知などの文章の中で使われることが多い表現です。

また、「皆様」が話し言葉として使われることの多い口語的表現と見なされるのに対し、「各位」は文語的な表現と捉えられるため、ビジネスシーンにおいては「各位」を使った方が丁寧な印象を持たれるでしょう。

「各位」と「御中」の違い

「御中」は法人や公的機関などの集団組織の宛名に用いる敬称です。「その集団組織に属する皆様」へという意味になるので、ビジネスメールや郵便物の宛先が集団内の特定の担当者になる場合は用いることができません。

「御中」の特徴は、個人ではなく集団全体への敬意を表すことができることです。また、「各位」と「御中」は、意味というより用いるシチュエーションに大きな違いがあります。

「各位」は郵便物の宛名として用いることができませんが、「御中」は宛名として用いることができます。表記の方法では、「人の集合を表す名詞」と「各位」の間にスペースが入らないのに対し、「集団名」と「御中」の間にはスペースが入ることが多いです。

「御中」が郵便物の宛名として広く使われていることからも分かるように、「御中」は送り先の集団全体への敬称であり、ビジネスメールや文書の冒頭で使われる「各位」には、「その集団に所属する方々すべてに目を通していただきたい」という意味合いも込められています。

「各位」を使ったメールの例文

「各位」はビジネスメールで頻繁に使われる敬語表現ですが、送り先の立場などにより使い方や文章表現に違いが出てきます。

顧客に対しては前述したように二重敬語の「お客様各位」や「お得意様各位」が使用できます。単に事務的な報告にならないよう、日頃の感謝などが伝わる文章を心掛けましょう。

取引先は継続的なビジネスパートナーですので、メールの文章は礼節を遵守したフォーマルな内容のものが好まれます。時候の挨拶を入れてみるのも良いでしょう。

社内メールは送り先の対象が誰になるかで書き方が大きく変わります。レクリエーションやイベントなどの案内なら多少フランクな感じでも許容されますが、上司や目上の人が相手となると話は変わります。

送信先の相手が自分よりもずっと上の立場の人だけだった場合などは、「○○部○○課各位」で済まさず、「部長各位」、「役員各位」など表記を工夫しましょう。

ここではシチュエーション別の例文を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

顧客に送るとき

例文
件名:臨時休業のお知らせ
お客様各位

平素は格別のご愛顧を賜わり、心より御礼申し上げます。誠に勝手ではありますが、棚卸しのため下記の日程で全社臨時休業とさせていただきますのでお知らせいたします。

期間中は大変ご不便ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。

臨時休業日○○年○○月○○日(○曜日)
※○月○日(○曜日)より通常営業いたします。

取引先に送るとき

例文1
件名:事務所移転のお知らせ
取引先各位

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り心より御礼申し上げます。

この度、弊社事務所が下記の通り移転する運びとなりましたのでご報告申し上げます。

これを機に社員一同、気持ちを新たにより一層社業に専心する所存でございますので、お取引先様には、今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

新住所 : 移転先住所
電話番号 : 00-0000-0000
FAX番号 : 00-0000-0000

例文2
件名:営業時間変更のお知らせ
○○株式会社
営業部 ご担当者各位

日頃より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

このたび弊社では、社内業務の効率化の一環として、誠に勝手ながら営業時間を変更させていただくこととなりました。

○○様には大変ご不便をおかけしますが、社員一同、これまで以上のサービス向上に精進する所存ですので、何卒ご理解ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。

本件につきまして、ご不明点等ございましたら、大変お手数ではございますが、下記よりお問い合わせをお願いいたします。

変更前:00:00〜00:00(00月00日まで)
変更後:00:00〜00:00(00月00日から)

○○株式会社
営業部 
○○
電話番号 : 00-0000-0000
FAX番号 : 00-0000-0000

社内に送るとき

例文
件名:運動会開催のご案内
社員各位

お疲れさまです。総務部の○○です。

スポーツの秋が到来し、本年は本社で2年ぶりとなる運動会の開催が決定しました。各部署による対抗リレーやお子様と一緒に参加できるアトラクションなど、楽しいプログラムをたくさん用意しています。

みなさま、奮ってご参加いただきますようお願い致します。

日時:○月○日(○)00:00~00:00
場所:○○運動広場
参加申込:添付の申込用紙に必要事項を記入のうえ、○月○日までにご提出ください。

以上

総務部○○

「各位」をメールで使うときの注意点

「各位」は大勢の人に向けてメールや文書でメッセージを送りたいときに便利な敬称です。ただ使い方を誤ると、相手の心証を害したり不快にさせてしまったりすることがあるので注意が必要です。

厳密にはルールに反していなくても、社内で独特の習慣があるようなケースも考えられます。○○部長には「各位」ではなく個別のメールを送る、名前を並べる場合は役職順に記載するなどがそれにあたります。

入社してすぐのころはメールに関する社内ルールに不慣れで分からないことも多いでしょう。そんなときは積極的に同僚や先輩に質問してみてください。

ここではメールで「各位」を使う際に注意すべき点を説明します。

「各位」は5名以上にメールを送るときに使おう

「各位」が複数人の相手にメールや文書を送る際に非常に便利な敬称であることは前述しました。なぜ便利なのかというと、文章の冒頭に大勢の人の名前を列記するとメールが読みにくくなってしまい、「各位」を使い省略することでそれを防げるからです。

また名前を列記する場合は、記載順などで頭を悩ませる事案も出てくるでしょう。その点でも「各位」を使えるメリットは大きいです。

ただ、2~3人にメールを送る場合はどうでしょう? 

送り先の相手がそれくらいの少人数であれば、担当者レベルでの交流がある状態と推察されます。そのような関係性の中で「各位」を使うと、相手は個人名を記載するのが面倒で手抜きをしたのではないかという印象を持つ可能性もあります。

少人数であれば名前を列記しても読みにくくはならないので、その場合は集団名の後に個人名+「様」を役職順に記載しましょう。記載は縦書きでも横書きでも構いません。

正式なルールはありませんが、「各位」を使うのは相手が5名以上の場合が推奨されています。

「各位」に様はつけないようにしよう

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文法上、ビジネスメールでの二重敬語はNGとされています。ただ、受け取る側の心証を斟酌するあまり、「各位」だけでは敬意が足りないのではと不安になる場合があります。

特に相手が目上の方であったり上顧客であったり、あるいは自分とくらべ立場がかなり上の方などに送るメールでは、そうした不安が一層高まるのではないでしょうか。

前述したように、そういう特別な配慮が必要な人には宛先を個人名にしたメールを別個に送るのがおすすめです。また、送り先の集団が1つで社長と社員に同じメールを送りたいような場合は、「代表取締役社長○○」と「社員各位」を並べて記載する方法もあります。

二重敬語でもっともありがちなのは「各位」と「様」を重ねて表記してしまうことです。「担当者様各位」、「担当者各位様」といった表記がそれにあたります。これらの表記は明らかな二重敬語で、丁寧に敬意を表しているつもりでも相手は好意的に受け取りません。

「各位」の英語表現とは?

英語でメールを作成するケースも当然あります。日本語の「各位」に該当する英語表記には「To All ○○,」「Dear All ○○,」などがあげられます。

「To All ○○,」の○○の部分には会員や担当者などの英語表記が入ります。「会員各位」であれば「To All members,」、営業職員各位であれば「To all sales staff,」、「お客様各位」であれば「To Customers,」です。

「Dear All ○○,」も基本的には同じ使い方ですが、「Dear」は手紙の書き出しで「親愛なる」を意味する単語なので、「To All ○○,」にくらべ親しみのこもった表現といえるでしょう。

ほかに「To whom it may concern,」という英語表記もよく使われていて、日本語では「送信したメールの内容に関係している方へ」となり、「関係者各位」の意味合いで使われています。

「To all persons involved in ○○,」(○○に関係するすべての人々へ)が「To whom it may concern,」と同じような意味で使われることもあります。

最近はあまり使われない傾向にはありますが、「Dear Sirs or Madams,」も「各位」を意味する英語表記です。「Sir」は男性に、「Madam」は女性に対する敬称ですので、相手に不快感を持たれない表現となっています。

英語表記では宛名の文頭は大文字、宛名の最後は「,」で区切るというルールがありますので、そちらも注意して記載しましょう。

「各位」の意味を知ってメールで正しく使おう

ここまで「各位」の使い方について説明してきましたが、その意味を正しく把握することが誤用を防ぐための近道かもしれません。

漢字では「各」が「おのおの、それぞれ、いろいろ」、「位」が地位や等級などを意味しています。つまり各位とは「地位や階級を持つそれぞれの方」という意味で、それ自体に十分な敬意が含まれていることになります。

メールは封書の文書などにくらべると、即時性が重要視されマナーが簡略化されている印象のあるツールです。しかし、ビジネスで用いる際にはいくつかのルールを守る必要があり、「各位」を含めた宛名の正しい表記もその1つになっています。

「各位」は社内外で使える便利な敬称ですが、二重敬語などによる誤用は自分の価値を低める結果をもたらしかねません。意味と使い方を正しく理解して、相手に良い印象を持たれるビジネスメールを作成しましょう。

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