cms-import-tapbiz-wp

契約書の製本|基本ルール・製本方法・製本テープ・袋とじ・両面印刷

[allpage_toc]

契約書はなぜ製本する必要があるの?

契約書が複数枚にわたる場合は、差し替えや偽造防止のために「割印」や「契印」を行うのがルールです。

「割印」は同じ契約書を複数作成する場合に行うものです。複数の契約書を少しずつ重ねて置き、印影がそれらの書類にかかるように押します。「契印」は1件の契約書が2枚以上になり、ホッチキス等で留める際に必要な印です。各ページの見開きの部分にわたるように印影を残します。

「割印」と「契印」は偽造防止の目的から、契約の当事者全員の印を押すことが多いです。2つの会社が契約書を取り交わしたと仮定すると、ページ数が10枚を超えるような契約書だと18か所も契印をしなくてはならず、大変な作業工数がかかってしまいます。

契約書を製本すると、複数の書類を1枚の紙として扱うことができます。この場合は綴じた部分の契印だけで済むため、契約にかかる手間を省くことができるのです。

契約書の作成ルールを守らなければならないのはなぜ?

ビジネスの場では、契約に基づいて様々な取引が行われています。契約書は取引相手との契約事項の確認や同意の為に作成される重要な書類であり、作成時には基本ルールにのっとって間違いなく行わなければなりません。

契約書を作成するにあたってまず押さえておくべきポイントは、「契約書とは、契約に関する後々のトラブルを防ぐための書類である」ということです。

「契約書に押印した時に契約が成立する」と思ってしまいがちですが、そうではありません。契約自体は口約束であっても法的効力は発生します。ただ、相手方とトラブルが起こった際には契約書が利益を守る為の証拠になります。その時には契約書の体裁が非常に重要で、もし簡単に契約書を改ざんできるような作り方をしていると、訴訟を起こしても説得力に欠けてしまいます。

契約書の作成ルールを守らなければならないのは、契約締結後のトラブルを防ぐ為であることをおさえておいて下さい。

製本の基本ルールとは?

契約書の製本の基本ルールには次のようなものがあります。

・当事者の数だけ部数が必要
契約書を作成する際には、甲乙丙といった当事者分の契約書類を準備し、製本を行います。官公庁等への申請等で契約書原本を提出する必要があれば、さらにもう一部作成が必要です。

・背表紙の背側と上下部分に封をする
普通の雑誌や本などは、背中の面だけが綴じられ、上下は開きやすいように解放してあります。契約書は上下も同じように封をしてしまうことで、差し替えを防ぎます。

・綴じた部分に押す印鑑は、契約者の部分に押印したのと同じものを使う

・丁寧に作成する
契約書の体裁を整えるために、見た目のきれいさは重要です。製本する際は凸凹や糊のはみ出しなどが極力でないように丁寧に作業して下さい。

契約書の製本方法にはどんなものがあるの?

契約書の製本方法は、後で説明する「袋とじ」が基本です。袋とじをするには綴じる部分の用紙を作り、のりなどで貼り付けなければなりません。紙があればできるので便利ですが、完全手作業で作る場合は仕上がりに差が出やすいのが特徴です。

袋とじより簡単なのが、市販の製本テープを使った方法です。これなら用紙の切り貼りの必要がないので効率が良く、仕上がりも綺麗になります。

袋とじの方法や製本テープの使い方と準備する道具

袋とじの方法と製本テープを使った製本方法について説明します。まず必要となる道具を紹介します。

<袋とじの場合>
袋とじの用紙・ハサミ・カッター・ホッチキス・スティックのり・定規
袋とじの用紙は、契約書よりも大きいサイズの紙で作ります。

<製本テープの場合>
製本テープ・ハサミ・カッター・ホッチキス・定規
※製本テープは太さ35㎜の「契印用」のテープがです。

袋とじの方法

袋とじの用紙は、契約書の縦幅と同じ長さの紙に1~2センチの「耳」をつけたものを準備します。具体的な作り方は、下記のサイトを参考にしてください。
契約書作成・行政書士伊東事務所

製本テープの使い方

製本テープは「契約書用」と書かれたものがです。今回は上下の耳部分をハサミで切って作りますが、初めから耳が作ってあるテープもありますので文具店で探してみて下さい。

<使い方>
①契約書をホッチキス留めし、(2~3か所)ホッチキスの針の出っ張りをつぶしておきます。

②製本テープを切ります。契約書の厚みにもよりますが、契約書の縦幅+2センチ前後が目安です。

③製本テープの丸みを適度に伸ばし、はく離紙を半分はがします。

④はく離紙の残っている方に定規をあて、契約書を張り付ける際の基準にします。書類の厚みがある場合は定規を若干はく離紙の無い方へ動かします。

⑤定規に沿って契約書の片面を貼り付けます。

⑥製本テープの上下を切り、折り返して貼り付けます。この時、少し背表紙側に斜めに折り返すと綺麗な仕上がりになります。

⑦製本テープの上下の余った部分をハサミで切り取ります。

⑧製本テープのはくり紙をはがし、契約書に貼り付けます。

⑨製本テープのタルミやシワを伸ばして完成です。

[no_toc]

契約書の紙を大きくすれば製本の必要はないの?

契約書のページ数が1枚で済む場合は、契印が必要ないので製本の必要はありません。よって、契約事項を大きい紙1枚にまとめてしまえば契印や製本の必要はなくなります。

例えばA4サイズ2枚組の契約書は、A3サイズ1枚の契約書としてまとめることも可能ですし、B5の原稿2枚をB4用紙1枚に印刷した契約書もよく見られます。

製本の際、両面印刷はOKなの?

契約書は基本的に両面印刷しても問題はありませんし、もちろん片面印刷をした書類を山折りして製本することもOKです。ただ、片面印刷だと契約書が分厚くなってしまい紙を多く消費してしまうので、そういう観点では両面印刷の方が良いといえます。

2枚組の契約書類であれば、両面印刷をすれば契印や製本の必要はありません。職場によっては「契約書は片面印刷」と決めている所もあるかもしれませんが、必ずしもそうである必要はないので注意して下さい。

甲乙どちらが契約書を製本するの?

契約書の製本は、甲乙どちらが行っても問題はありません。

海外では「取引の立場上強い当事者が契約書を作成する」という考えがあるようですが、日本では一般的ではありません。むしろ商品やサービスの売り手(営業側)が契約書を作成し、買い手(購買側)に押印を依頼するケースが多く見られます。よって、甲乙という当事者間の契約書は、製本も含め乙が行う場合が多いというわけです。

ただ、海外の取引先との契約では、海外と国内のどちらで契約書を作成するかによって印紙が不要になる場合もありますので注意が必要です。

その他、気をつけるポイントはある?

契約書を製本する際に気を付けるポイントは次の通りです。

・スティックのりを使う
袋とじ用紙を貼り付ける際はスティックのりを使うのがです。水のりは紙がふやけやすく、見た目が悪くなってしまいます。

・製本テープの場合も「耳」をつける
市販の製本テープは契約書以外の用途でもよく使われるので、商品のパッケージには耳を作らない使用法が書かれている場合があります。契約書の場合は背表紙の上下も封じる必要があるため、耳を作るようにしてください。

・押印しやすい様に製本する
書類のホッチキス留めは印面が押される付近を避けて行いましょう。ホッチキスの針の上から押印すると印影が綺麗に出ず、無理に押すと印鑑が傷つくおそれもあります。製本した当事者はホッチキスの場所が分かっていても、他の当事者に契約書が渡った際にトラブルになりますので気をつけて下さい。製本テープに上下2つ契印を行う場合は、上下の端と中央をホッチキス留めするようにします。

また、契約書の押印欄が製本によって開きにくくなってしまうと押印に支障が出ますので気をつけましょう。

契約書の製本ルールを押さえて間違いのない取引を!

契約書の製本に関わるルールや製本方法についてまとめましたが、いかがでしたか?

契約書の書類枚数が増えた際には偽造やすり替え防止のため「契印」が必要です。「契印」は原則ページ毎に必要ですが、製本をすることで表と裏のみの契印で良くなります。

契約書の製本には2つのやり方とルールがありますので、今回紹介した方法を参考に、間違いのない手続きを行いましょう。

モバイルバージョンを終了