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「良かったです」という敬語
本記事では、「良かったです」という言葉の敬語としての使い方や、メールでの使い方、または「良かったです」という言葉以外で気を付けたいビジネス敬語の使い方についてを解説しています。ぜひ参考になさってください。
正しく感謝できていますか?
「良かったです」の敬語での言い方
「良かったです」は丁寧語
形容詞の過去形は注意が必要です。「良い」というような「い形容詞」といわれる形容動詞は、過去形になるときに、「~~かったです」となり、否定形の場合は「~~くなかったです」と表現することになります。
一方で、「きれいな」というような「な形容詞」と言われる形容動詞は、過去形になるときには「~~でした」となり、否定形の場合は、「~~じゃありませんでした」となります。
「良かったです」のビジネス敬語
丁寧語はビジネスには向かない
「良かったです」は曖昧
<不適切ビジネス会話>
A社部長「先日提案いただいた内容は、社内でも評判で取り入れることにしました」
弊社担当「それは良かったです」
上司「昨日の君のプレゼンはわかりやすかったよ」
部下「それは良かったです」
このように、商品や提案が「良かった」ということではなく、ほめられたときの反応などとして「良かったです」と使うのは、相手に曖昧な印象を与えるため、ビジネスでは適切とは言えません。
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<適切ビジネス会話>
<例文>
A社部長「先日提案いただいた内容は、社内でも評判で取り入れることにしました」
弊社担当「それは、たいへんうれしく存じます。ありがとうございます。」
上司「昨日の君のプレゼンはわかりやすかったよ」
部下「お褒めいただき、ありがとうございます。次回のプレゼンもわかりやすく伝わるよう努めます」
このような場で使っている「良かったです」は相手への感謝の気持ちや謙遜の気持ちとして使われていることがわかります。そのため「良かったです」というあいまいな表現ではなく、しっかり感謝を述べたり、謙遜の言葉で表現するほうがいいでしょう。
しかし、謙遜の言葉を使いすぎるのは注意が必要です。必要以上に謙遜することによって、自信がないようにとらえられたり、せっかくの言葉を受け取ってもらえないという印象を相手に与えてしまうことがあるからです。
「良かったです」ではないほかの言葉を使う
「何よりです」
<例文>
A社部長「先日提案いただいた内容は、社内でも評判で取り入れることにしました」
弊社担当「お役に立てて何よりです。よりいい商品になるように、改良を重ねます」
上司「昨日の君のプレゼンはわかりやすかったよ」
部下「それは何よりのお言葉です。必死に準備をした甲斐がありました。ありがとうございます」
いかがでしょうか。相手に対して失礼に当たることもなく、相手へのお礼や感謝の気持ちもあわせて表現することができます。
尊敬語ではないため注意が必要
「良かったです」の敬語でのメールの書き方
<不適切>「良かったです」を使ったメール文例
〇〇部長
平素よりお世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇でございます。
先日は弊社主催の集客セミナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。〇〇部長にはぜひともお会いしたいと思っておりましたので、お会いできてとても良かったです。
もし良かったら、その後の集客の状況について具体的に状況をお伺いし今後の施策について打ち合わせをさせていただければ良いと思いますが、ご状況はいかがでしょうか。
弊社は最新のIT技術を駆使して、そのサービスにおいても活用できる集客ツールの開発に力を入れています。ぜひ御社でもご活用いただき、御社の集客にお役立ていただければ良いと思います。
なにとぞご検討くださいますようお願い申し上げます。
<適切>「良かったです」を言い換えた適切なメール文例
〇〇部長
平素よりお世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇でございます。
先日は弊社主催の集客セミナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。〇〇部長にはぜひともお会いしたいと思っておりましたので、お目にかかれて光栄でした。
もしよろしければ、その後の集客の状況について具体的に状況をお伺いし今後の施策について打ち合わせをさせていただきたく存じますがご状況はいかがでしょうか。
弊社は最新のIT技術を駆使して、そのサービスにおいても活用できる集客ツールの開発に力を入れています。ぜひ御社でもご活用いただき、御社の集客にお役立ていただければ幸いに存じます。
なにとぞご検討くださいますようお願い申し上げます。
比較と解説
「お会いできて良かったです」
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「もし良かったら」
この場合は、より丁寧に表現して「もしよろしければ」や「ご迷惑でなければ」、「差し支えなければ」という表現を使うのが適切であると言えるでしょう。
「良いと思います」
この場合は、「幸いです」という表現を使いました。この「幸いです」は謙譲の意味が添えられていることが分かります。「こうしてもらえたらうれしい」「こうしてもらえたらありがたい」というような、遠慮がちな表現でもあり、自分が相手に対してへりくだるときに使う表現であることが分かります。
そのほかにもより目上の人に使う場合には、「幸いに存じます」「幸甚に存じます」のような表現を使うこともできます。
そのほかの間違えやすいビジネス敬語
以下に間違えやすいビジネス敬語についてをご紹介しています。よくよく考えればわかる敬語が、誤った使い方で定着していることもあります。
しかし、「良かったです」という言葉をはじめ、しっかりと敬語を使い分けている人にはすぐにわかってしまいます。一度自分の使っているビジネス敬語を見直してみるといいでしょう。
「ご苦労様です」
また、まれに「お疲れ様でございます」という言葉を使うことがあります。これは文法上の誤りでもありませんし、二重敬語になっているわけでもありません。しかし「ございます」という表現が重く受け取られることもあるため、同僚間などではあまり使いません。社長や役員などのより目上の人に対しては使うことができると言えるでしょう。
「了解しました」
「なるほどですね」
「〇〇様でございますね」
「とんでもございません」
「よろしかったでしょうか」
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「休みをいただいております」
ビジネス敬語は注意が必要
しかし、日本語にはよりよく表現できる言葉がたくさんあります。その言葉の種類が多いことや、丁寧語をはじめとした尊敬語・謙譲語のような敬語表現なども多彩であることから、その使い方には注意を払う必要がありますが、しっかりマスターすれば自分の考えていることや感じていることをより適切に表現することができるようになります。
ぜひこれを機に、一度ご自身の仕事において使っている敬語や、ビジネスメールに使っている言葉を見直し、適切な表現に変えてみてはいかがでしょうか。