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「良かったです」の敬語でのいい方・メールでの書き方|ビジネス

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「良かったです」という敬語

日常的な会話の中で、「良かったです」という言葉をよく使いませんか。「良かったです」はとても便利な言葉で、さまざまな相手との日常的な会話の中で使うことができます。しかし、敬語として使うときには少し注意が必要です。

本記事では、「良かったです」という言葉の敬語としての使い方や、メールでの使い方、または「良かったです」という言葉以外で気を付けたいビジネス敬語の使い方についてを解説しています。ぜひ参考になさってください。

正しく感謝できていますか?

「良かったです」の敬語での言い方

早速ですが、「良かったです」という言葉の敬語での言い方について解説していきます。「良かったです」という言葉は敬語としてはどのような種類の言葉になるのでしょうか。

「良かったです」は丁寧語

「良かったです」という言葉は、「良い」という言葉の過去形である「良かった」の丁寧語と解釈することができます。日常的な会話で使うときには、何かに対して「良かったね」「良かったですね」と反応するときなど、便利に使うことができる言葉です。

形容詞の過去形は注意が必要です。「良い」というような「い形容詞」といわれる形容動詞は、過去形になるときに、「~~かったです」となり、否定形の場合は「~~くなかったです」と表現することになります。

一方で、「きれいな」というような「な形容詞」と言われる形容動詞は、過去形になるときには「~~でした」となり、否定形の場合は、「~~じゃありませんでした」となります。

「良かったです」のビジネス敬語

一方で、「良かったです」という言葉は文法上に誤りがあるわけではありませんが、ビジネス上で使うにはあまり向いていない言葉であると言えます。「良かったです」という言葉のどのような部分が、ビジネスで使うには不適切なのでしょうか。

丁寧語はビジネスには向かない

特に社外とのコミュニケーションにおいては丁寧語はあまり便利な言葉とは言えません。どうしても会話がくだけがちになりますし、必要以上にフレンドリーな印象を与えかねないためです。そのため「良かったです」という言葉もビジネスで使う上では、あまり適切とは言えないでしょう。

「良かったです」は曖昧

何かの商品や提案を評価するときに「良かったです」という言葉を使うのならわかりますが、会話の中での返答として「良かったです」を使うのは、ビジネスの場においては適切とは言えません。以下に不適切な事例についてを紹介しています。

<不適切ビジネス会話>

<例文>
A社部長「先日提案いただいた内容は、社内でも評判で取り入れることにしました」
弊社担当「それは良かったです」

上司「昨日の君のプレゼンはわかりやすかったよ」
部下「それは良かったです」

このように、商品や提案が「良かった」ということではなく、ほめられたときの反応などとして「良かったです」と使うのは、相手に曖昧な印象を与えるため、ビジネスでは適切とは言えません。

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<適切ビジネス会話>

上記の例文を適切に表現するとどのようになるのでしょうか。

<例文>
A社部長「先日提案いただいた内容は、社内でも評判で取り入れることにしました」
弊社担当「それは、たいへんうれしく存じます。ありがとうございます。」

上司「昨日の君のプレゼンはわかりやすかったよ」
部下「お褒めいただき、ありがとうございます。次回のプレゼンもわかりやすく伝わるよう努めます」

このような場で使っている「良かったです」は相手への感謝の気持ちや謙遜の気持ちとして使われていることがわかります。そのため「良かったです」というあいまいな表現ではなく、しっかり感謝を述べたり、謙遜の言葉で表現するほうがいいでしょう。

しかし、謙遜の言葉を使いすぎるのは注意が必要です。必要以上に謙遜することによって、自信がないようにとらえられたり、せっかくの言葉を受け取ってもらえないという印象を相手に与えてしまうことがあるからです。

「良かったです」ではないほかの言葉を使う

また、「良かったです」ではない、ほかの似ている言葉を使うこともできます。ここからは「良かったです」の代わりとして使える言葉と、それを使った例文についてご紹介します。

「何よりです」

「何よりです」という言葉はビジネスや目上の人との会話の中でとても使いやすい言葉であると言えます。「何よりです」は、ほかのものよりも抜きんでていることや、それよりもほかにはないこと、というようなことを意味しており、「良かったです」というような意味合いとしても使うことができないわけではありません。

<例文>
A社部長「先日提案いただいた内容は、社内でも評判で取り入れることにしました」
弊社担当「お役に立てて何よりです。よりいい商品になるように、改良を重ねます」

上司「昨日の君のプレゼンはわかりやすかったよ」
部下「それは何よりのお言葉です。必死に準備をした甲斐がありました。ありがとうございます」

いかがでしょうか。相手に対して失礼に当たることもなく、相手へのお礼や感謝の気持ちもあわせて表現することができます。

尊敬語ではないため注意が必要

しかしこれは尊敬語ではないため、使う相手は見極める必要があります。身近な上司ではなく、社長や役員などのかなり目上にあたる人と話すときには、より適切な尊敬語が求められることもあります。

「良かったです」の敬語でのメールの書き方

続いては、「良かったです」という言葉を敬語で表現したいとき、特にメールでのコミュニケーションのときには注意が必要です。特にビジネスメールにおいては、直接的な表現は避けた方がいいと言われています。以下に「良かったです」という言葉を使ったメールをご紹介します。

<不適切>「良かったです」を使ったメール文例

〇〇株式会社
〇〇部長

平素よりお世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇でございます。

先日は弊社主催の集客セミナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。〇〇部長にはぜひともお会いしたいと思っておりましたので、お会いできてとても良かったです。

もし良かったら、その後の集客の状況について具体的に状況をお伺いし今後の施策について打ち合わせをさせていただければ良いと思いますが、ご状況はいかがでしょうか。

弊社は最新のIT技術を駆使して、そのサービスにおいても活用できる集客ツールの開発に力を入れています。ぜひ御社でもご活用いただき、御社の集客にお役立ていただければ良いと思います。

なにとぞご検討くださいますようお願い申し上げます。

<適切>「良かったです」を言い換えた適切なメール文例

〇〇株式会社
〇〇部長

平素よりお世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇でございます。

先日は弊社主催の集客セミナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。〇〇部長にはぜひともお会いしたいと思っておりましたので、お目にかかれて光栄でした。

もしよろしければ、その後の集客の状況について具体的に状況をお伺いし今後の施策について打ち合わせをさせていただきたく存じますがご状況はいかがでしょうか。

弊社は最新のIT技術を駆使して、そのサービスにおいても活用できる集客ツールの開発に力を入れています。ぜひ御社でもご活用いただき、御社の集客にお役立ていただければ幸いに存じます。

なにとぞご検討くださいますようお願い申し上げます。

比較と解説

「良かったです」や「良い」、「良かったら」という言葉を多用した例文をご紹介しました。この2つのメール文例において表現を変えた部分について、具体的に解説します。

「お会いできて良かったです」

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この「お会いできて良かったです」という言葉は、ビジネス上の会話としては適切ではありません。お客様ないし目上の人に送っているメールであることがわかるため、この場合は「お会いできて良かったです」という言葉ではなく、「お目にかかれて光栄です」という表現などを使うのが適切でしょう。

「もし良かったら」

この「もし良かったら」という表現も、日常会話の中ではよく使うのではないでしょうか。しかしビジネスでのメールにおいては、少し砕けすぎであるととらえられてしまうため注意が必要です。

この場合は、より丁寧に表現して「もしよろしければ」や「ご迷惑でなければ」、「差し支えなければ」という表現を使うのが適切であると言えるでしょう。

「良いと思います」

この「良いと思います」という表現も、ビジネスでの会話やビジネスメールで使う言葉としては適切ではないでしょう。

この場合は、「幸いです」という表現を使いました。この「幸いです」は謙譲の意味が添えられていることが分かります。「こうしてもらえたらうれしい」「こうしてもらえたらありがたい」というような、遠慮がちな表現でもあり、自分が相手に対してへりくだるときに使う表現であることが分かります。

そのほかにもより目上の人に使う場合には、「幸いに存じます」「幸甚に存じます」のような表現を使うこともできます。

そのほかの間違えやすいビジネス敬語

ここまで「良かったです」という言葉のビジネスにおける使い方について解説してまいりました。このように、ビジネスにおいては、使い方が難しい言葉や敬語が数多くあります。

以下に間違えやすいビジネス敬語についてをご紹介しています。よくよく考えればわかる敬語が、誤った使い方で定着していることもあります。

しかし、「良かったです」という言葉をはじめ、しっかりと敬語を使い分けている人にはすぐにわかってしまいます。一度自分の使っているビジネス敬語を見直してみるといいでしょう。

「ご苦労様です」

上司に対して、「ご苦労様です」と言っていませんか。「ご苦労様」は目上の人が目下の人に対して使うときの言葉です。上司や同僚に対しての挨拶としては「お疲れ様です」を使うようにしましょう。

また、まれに「お疲れ様でございます」という言葉を使うことがあります。これは文法上の誤りでもありませんし、二重敬語になっているわけでもありません。しかし「ございます」という表現が重く受け取られることもあるため、同僚間などではあまり使いません。社長や役員などのより目上の人に対しては使うことができると言えるでしょう。

「了解しました」

また、「了解しました」もビジネス上の敬語としては不適切です。同僚との間であれば使うこともありますが、目上の人や社外の人に対しては「承知しました」や「かしこまりました」という言葉を使うようにしましょう。

「なるほどですね」

最近の若い方で「なるほどですね」という言葉を使う方がいますが、これは誤っています。そもそも「なるほど」という言葉は、目下の人が目上の人に使うことはできない言葉です。「なるほどね」という言葉を丁寧に表現しているようにとらえられているようですが、ビジネス上で使うには不適切であると言えるでしょう。

「〇〇様でございますね」

受付対応や、電話対応の際にお相手の名前を聞き、その後の確認で「〇〇様でございますね」と言われることがありますが、これも誤りです。「ございます」は丁寧語であるため、ここでは尊敬語を使うのが適切です。そのため、「〇〇様でいらっしゃいますね」という確認の言い方が一番適切であると言えます。

「とんでもございません」

またこれもよくある間違いですが、「とんでもございません」という表現は丁寧に聞こえますが、あやまった表現です。そもそも「とんでも」と「ない」は分けることができない、「とんでもない」という一つの言葉です。「とんでもないです」と使うか、「とんでもないことでございます」というような表現をすることになります。

「よろしかったでしょうか」

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この「よろしかったでしょうか」という表現もよく用いられますが、「よろしかった」のように過去形になっているのは不自然です。「よろしいでしょうか」や「よろしいですか」と使うのが適切な使い方です。

「休みをいただいております」

電話を掛けた相手が、休暇を取っているということはよくあります。そのときに電話口から「〇〇は休みをいただいております」と言われたことはありませんか。これでは、休みを取っている本人に尊敬語を使うことになってしまっています。正しくは「〇〇は休みを取っております」「〇〇は休暇を取っております」のように表現するのが適切です。

ビジネス敬語は注意が必要

「良かったです」という言葉の、ビジネスにおける使い方についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。日常的な会話の中で「良かった」や「良かったね」という言葉はよく使うため、ビジネスにおいても丁寧な表現をさせて「良かったです」という言葉として使いたくなりがちです。

しかし、日本語にはよりよく表現できる言葉がたくさんあります。その言葉の種類が多いことや、丁寧語をはじめとした尊敬語・謙譲語のような敬語表現なども多彩であることから、その使い方には注意を払う必要がありますが、しっかりマスターすれば自分の考えていることや感じていることをより適切に表現することができるようになります。

ぜひこれを機に、一度ご自身の仕事において使っている敬語や、ビジネスメールに使っている言葉を見直し、適切な表現に変えてみてはいかがでしょうか。

「そう言ってもらえて嬉しい」の敬語表現は?

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