[allpage_toc]
「正しい敬語で上司に報告したい」
「失念しておりました」という表現はビジネスシーンで使うことが多く、職場内やメール文でよく見られます。一度は使う可能性のある敬語ですが、正しく使えているか不安な人は多いのではないでしょうか?
この記事では、「失念しておりました」という言葉の正しい意味を解説していきます。言い換え表現や英語での言い方の簡単な例文もあわせて紹介するので、参考にしてみてください。
これを読めば、「失念しておりました」の正しい使い方がわかります。正しい敬語を使えるようになれば、周りから好感を持たれ、ビジネスシーンで信用される人材へ近づけるでしょう。
正しい敬語を使えるようになりたい人はぜひ、チェックしてみてください。
「失念しておりました」の意味
そこで使われるのが「失念しておりました」という表現なのです。「忘れていました」の謙譲語表現で、目上の人に対して謝罪の意味も込めて丁寧な伝え方ができます。
しつ‐ねん【失念】 の解説
[名](スル)
1 うっかり忘れること。ど忘れ。物忘れ。「約束を―して失礼しました」
「失念しておりました」の使い方と注意点
敬語を正しく使えるように、使い方と注意点をチェックしていきましょう。
口頭でも文面でも使える
ついつい「うっかり忘れ」や「ど忘れ」をしてしまった場合に、謝罪の言葉とともに使用することができます。目上の人に対して、自分自身のうっかり忘れによるミスを報告する際に使用しましょう。
「失念しておりました」と報告したあとにはお詫びの言葉を伝え、今後どう改善するかも説明することで、誠意を伝えましょう。
最初から知らなかったことには使えない
知らなかったことに対しては「存じ上げませんでした」と、素直に知らなかったことを伝えましょう。
目上の人が忘れたことに対しては使わない
ビジネスシーンでも使用できる丁寧な表現ですが、謙譲語である以上、決して目上の方の行動に対しては使用しないようにしましょう。
「物」に対しては使えない
あくまで「行動」に対して「うっかり忘れてしまった」場合に使用する表現であり、「物」に対しては使用することができないので注意が必要です。
「失念しておりました」の言い換え表現
これから紹介する「失念」の類語をみていきながら、言い換え方をチェックしましょう。
「忘却しておりました」
[no_toc]
すっかり忘れて思い出せないことに対して使う言葉ですので、ビジネスシーンや会話で使うときは「失念しておりました」を使ったほうがいいでしょう。
「忘却」はたとえば「忘却の彼方」という表現でよく使われます。「完全に忘れる」という意味で、「忘却の彼方になる」と使います。
ぼう‐きゃく〔バウ‐〕【忘却】 の解説
[名](スル)すっかり忘れてしまうこと。忘れ去ること。「―のかなた」「―し得ないできごと」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BF%98%E5%8D%B4/#jn-201339
「忘失しておりました」
「名前を忘失する」と、名前を忘れてしまったときに使えます。また、「書類を忘失する」と、物を忘れてなくしてしまったときに使っても問題ありません。
ぼう‐しつ〔バウ‐〕【忘失】 の解説
[名](スル)
1 すっかり忘れてしまうこと。忘却。「先方の名前を―する」
2 忘れてなくすこと。「書類を―する」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BF%98%E5%A4%B1/#jn-201681
「放念しておりました」
気に留めないでほしい、忘れてほしいというニュアンスの表現です。たとえば間違ってメールを送ってしまったときには、「昨日のメールについては、ご放念ください」と使うといいでしょう。
そのほかにも、頼んでいた用事が必要なくなったことを連絡するときや、お中元は申し訳ないので今後送らなくていいと返事をするときなどに使える表現です。
ほう‐ねん〔ハウ‐〕【放念】 の解説
[名](スル)気にかけないこと。心配しないこと。放心。「どうぞ御―ください」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%94%BE%E5%BF%B5/#jn-202385
「失念しておりました」の英語表現
ただ、「forget」と表現すると、「無責任に忘れていた」と捉えられる可能性があります。誤解される表現ですので、ビジネスシーンなどでは避けたほうが無難でしょう。
「forget」以外で忘れたということを表現するとき、「It’s slip my mind」と言います。これは、「記憶から抜け落ちる」ことを表す言い方です。カジュアルなシーンでもビジネスシーンでも使える便利な言い回しですので、「forget」の代わりに覚えておくといいでしょう。
「It’s slip my mind」を使うときの注意点は、主語が「it」であることです。「my mind」として自分の記憶から抜け落ちていたと表現できます。「your mind」とすれば、ほかの人が忘れたことに対して使うことができます。
「失念しておりました」を正しく使いこなそう!
正しい使い方ができれば、もしうっかりミスをしてしまっても、反省の誠意を相手に伝えることができるでしょう。類語もあわせて覚えて、敬語をうまく使いこなせるようになりましょう。
いくら丁寧な表現に言い換えているとは言え、「うっかり忘れ」や「ど忘れ」は社会人としてやってはいけない失敗です。なるべく「失念しておりました」という表現が使われる場面を生まないように努力することが何よりも大切です。