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経験を積むの意味と使い方
経験を積むという言葉の意味は?
「経験を積む」という言葉の前に、まず「経験」という単語を理解していく必要がありそうです。「経験」とは、実際に見たり、聞いたり、行ったりすることをいいます。また、それによって得られた知識や技能など、という意味です。普段から「見た事がある」や「行った事がある」などという言葉は使う事が多いでしょう。これは、経験があると言っているという事になります。
それらの様々な事を繰り返し成長していく事を「経験を積む」と言います。一般的にポジティブな意味合いで使われる言葉です。
「経験を積む」の使い方
・管理職を任されたことで、部下の育成やマネジメントの経験を積むことができた。
・あの役を演じるには、彼は十分な経験を積んでいる。
・経験を積むことで新しい事にチャレンジできるようになった。
・以前に十分に経験を積んでいたので、緊張せずに乗り切れた。
ポジティブな感じが伝わってきます。他にも、転職の際の面接のシーンでいうと、次のような用例が考えられます。
「前職で経験を積んだ事で御社に貢献できると考え、志望させていただきました。」
「前職のどんな経験が当社でどのように活かせると考えていますか?」
「はい、前職ではマーチャンダイザー(MD)を5年担当していました、そこでは既存の商品を仕入れる以外に現場に足を運んで商品開発にも携わってきました。それらの商品の販売計画、予算管理を行う事で会社に利益をもたらす仕組みを体感、経験を積むことができました。この経験は業界、業種が変わっても応用が利くものであると考えています。」
上記は、会話を通して「経験を積む」ことに意味がある点をうまく伝えられています。
「経験を積む」の類義語・言い換え
使いづらい時もある
「経験を積む」の類義語
・経験を重ねる
・経験を培う
・場数を踏む
・経験値を得る
・経験値を上げる
などがあります。「積む」という言葉を言い換えたり、「経験」を「経験値」と言い換えたりする事ができます。では、言い換えた会話例を見てみましょう。
「〇〇さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。相当な場数を踏んでいるので。」
「それは心強いです。ありがとうございます。」
この場合、「経験を積む」を使うより「場数を踏む」を使った方が自然だといえます。「経験を積む」だと以下のような感じになります。
「〇〇さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。たくさんの経験を積んでいるので。」
「それは心強いです。ありがとうございます。」
成立はしていますが、「場数を踏む」の方が話の流れとして、しっくりきます。
類義語として挙げている、「経験を重ねる」という言葉は同じように使っても問題ないですが、厳密にいえば、「経験を重ねる」は同種のものを重ねるという意味合いで、同じことを繰り替えして習熟度を深めるニュアンスがあります。
一方「経験を積む」は経験したものの上に蓄積していく事を意味しています。これを使い分けることができると上級者です。「経験は重ねる」のではなく「積む」事が大事だと、こだわって使う人もいます。
「経験を積む」に似た意味の熟語やことわざ
・老いたる馬は道を忘れず
経験豊かな人は、判断が適切であることの例えです。老いた馬は道をよく知っていて、迷うことがないことから転じて、高齢者の知恵や経験はいかすべきだという教えです。確かに経験を積む事でしか得られない事もあります。ただし、いい言葉ですが、会社で「上長に「老いたる馬は道を忘れず」ですね。」などと言ったら、「馬鹿野郎、人を老いた馬みたいに言いやがって!」と怒られてしまうかもしれません。
・烏賊(イカ)の甲より年の功
年長者の言うことは、長い体験と知識から出た貴重なものだから、おろそかにしてはいけないという意味です。「経験」を「年の功」と表現する事は多いので、こちらはしっかり頭に入れておきたいです。亀の甲より年の功と言うこともあります。
・学問なき経験は、経験なき学問に勝る
これはイギリスのことわざです。学問ももちろん知識を頭にインプットする事で大切な事ですが、実体験に基づく知識はその比にならないほど定着します。身に着く度合が全く違います。ちょっと話は逸れますが、例えとして、「失恋して悲しい」という事を小説で読む事と自分が失恋して悲しい思いをする事では、全くといっていいほど心への残り方が異なってくると思います。
「経験を積む」を敬語で使う場合
無理に「積む」と使わなくて良い
「さすが、〇〇さんは経験を積まれているので違いますね。」
これは自然な言い回しです。他に言い換えるとすれば
「さすが、〇〇さんはたくさんの経験をなさっているので違いますね。」
とも言えます。こちらの方が敬意が強く感じられます。「経験をされている」も良いですが、「なさる」の方が尊敬度が高く印象が良いでしょう。
経験を積む方法とは
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実際に触れる事が大切
ここまで読み進めてきた皆さんならお判りかと思いますが、「経験を積む」為に必要な事は、「実際に触れる」事です。写真や絵でなく「自分の目で見る」、他人が体感した事の話を聞くのではなく「自分で体感する」事が経験を積むことになります。
100枚の「食べ物が無くて飢えに苦しむ子供」の写真をみて飢餓の現状を知る事よりも、現地に行ってその空気や匂いや生の声や握った手のぬくもりを通して体感した事は何より経験として根付くでしょう。
まず一歩踏み出す事
「こうしてみたらどうなるんだろう?」「あぁこうするとこうなるんだ。」などひとつひとつが経験です。小さな赤ちゃんにとって大切なことも実は経験を積むことです。尖ったものを触って痛い思いをするのも経験、転んで頭を打つのも経験、犬を触ろうとしたらガブッと噛みつかれるのも経験。ひとつひとつが大切な事です。
では大人だとどうでしょう。「こうすると、こうなるんじゃないか?」という今までの「経験」からくる予測がつき過ぎて、一歩踏み出せない事が次の経験を妨げます。不確定な要素が少しでもあるのならば「一歩踏み出す」「まずやってみる」の精神が大切です。それが、「経験を積む」事の入口でなるはずです。この記事をきっかけに一歩踏み出す事にチャレンジしてみてください。