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ヒューリスティックの意味と具体例・分析の基本ポイント

更新日:2020年08月14日

ヒューリスティックという言葉はまだそれほど浸透していないかもしれませんが、ウイルス対策ソフトでは言葉を変えて「未知ウイルス検知」として盛んに宣伝されているのです。実はこのヒューリスティック法は心理学が元となっているものです。その面白さも併せて紹介します。

「ヒューリスティック」ってなに?

ヒューリスティックとはもともと人間の左脳による働きを指していて、問題解決に際しての合理的かつ短絡的な思考のことです。実際私たちも日常生活でこのヒューリスティックに基づいて考えています。

人間が何か判断するとき、また意思決定する場合に、無意識に思考し使っている「手がかかり」であったり「手法」のことで、基本的にこれは自身の経験に基づいている場合が殆んどです。それゆえ「ヒューリスティック=経験則」と置き換えて考えると理解しやすいです。

何か問題が生じた際に、それを簡易的に解決するための手がかりや手法、シンボルのことをヒューリスティックと呼びます。

1.経験則
2.自己発見的学習
3.試行錯誤を繰り返して問題を解決する
4.少ない努力で即座に結論を求める方法

出典: http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D2%A5%E5%A1%BC%A5%EA%A5... |

心理学で見る「ヒューリスティック」3つの種類

自分では論理的に判断しているつもりでも、実際は自分の直感や経験に頼って意思決定したり判断していることがあります。そういうとき判断などに影響しているのがヒューリスティックです。

ヒューリスティックには主に3種類あるとされています。
①代表性ヒューリスティック
②利用可能性(想起)ヒューリスティック
③固着性ヒューリスティック

実はこれら3つのヒューリスティックが、無意識にあなたが合理的かつ論理的に判断することを鈍らせています。

3つのヒューリスティックがごういう性質を持っているのか、例によってご説明します。

代表性ヒューリスティックの例

代表性ヒューリスティックは「代表的」「典型的」であると思われることを判断に利用します。その例が以下です。

■ピッチャーは痩せている人がほとんどで、キャッチャーは太っている人や体格がごつい人がやっているというイメージがあります。そこで、野球チームに明らかに太っている人がいるとすると、その人を「あの人はキャッチャーだな」と考えてしまいます。

そうなると「チームの中でも太っている人=キャッチャー」というイメージが定着してしまっていることになります。これが代表性ヒューリスティックです。

名称説明
想起ヒューリスティック想起しやすい事柄や事項を優先して、評価しやすい意思決定プロセスのこと
代表性ヒューリスティック特定のカテゴリーに典型的と思われる事項の確率を過大に評価しやすい意思決定プロセス
係留と調整最初に与えられた情報を基準として、それに調整を加えることで判断し、最初の情報に現れた特定の特徴を極端に重視しやすい意思決定プロセス

利用可能性(想起)ヒューリスティックの例

利用可能性ヒューリスティックは別名「想起ヒューリスティック」とも呼ばれています。要は、想起(過去に経験したことやそれに関する情報を思い起こすこと)しやすい情報や、簡単に入手できるような情報を優先して判断してしまうことです。

■最近世界で飛行機事故や、飛行機に関してあわや大惨事ということが多く報道されていたとします。すると、普通「最近飛行機は危ないから、電車かバスで行こう」と考える人が増えて、飛行機の利用者は激減する現象が起こります。

実際に、バスや電車が事故を起こす確率の方が高いにも関わらず、飛行機事故の報道が多いがゆえ、「飛行機=事故・危険」が想起しやすい状況になってしまいます。こういう現象が典型的な利用可能性(想起)ヒューリスティックです。

ワイドショーは利用可能性ヒューリスティックの蓄積装置

政治家のスキャンダルを活発に報道すると、政治に対して不信感を抱くようになり、支持率も下がって行きます。ワイドショーがいかに世論を作りやすいかというのは、利用可能性ヒューリスティックの影響です。

特に日本人はワイドショーなどの情報に流されやすい傾向があります。テレビやインターネットで簡単に入手できる情報であり、一度に数千万規模の人が取得できる情報でもあります。

ワイドショーやゴシップというのは、利用可能性ヒューリスティックにより世論を形成するために最適なツールといえます。

固着性ヒューリスティックの例

固着性ヒューリスティックは別名「アンカリング」とも呼ばれるヒューリスティックです。分かりずらいので、例を出してみます。

■同じ商品が、同じ値段で売られているとします。一方には「値下げ価格:12,000円」と表記しておきます。そしてもう一方には「定価45,000円→特別価格12,000円(限定3着)」と書かれているとします。

すると、実際は後者の「定価45,000円→特別価格12,000円(限定3着)」と書かれている方が売れやすくなるのが実態です。

このような事例で分かるように、固着性ヒューリスティックは価格のコントロールとしてマーケティングに生かされているのが典型的な例です。

ヒューリスティックの具体例からセキュリティーに生かす

ヒューリスティックが人間の思考にどう作用するのかお分かり頂けたかと思いますが、この作用をセキュリティーに生かしたものが、ヒューリスティック分析で、不正行為に使われるマルウェアを検知するために用いられています。

これまでは、ネット上のウイルスをアルゴリズムを解析することで検知していたものを、ヒューリスティック機能を使って更に不正なウェアをあぶり出せるようになりました。

これまでのマルウェアを「指名手配犯」とします。そこに、ヒューリスティック機能が加わると、これまでのマルウェアの定義だけでなく、マルウェアにありがちなコード・挙動・そして想起という観点から、過去のマルウェアに似ている、などという観点で分析して、未知のマルウェアの検出に役立っています。

要は「指名手配犯」と似たような行動を取っている、鼻の整形しているかもしれないけれど他は似ている、これまで使用して来た偽名の一つと一致する、などということを探し出して、「こいつは怪しい」とあぶり出す、ということをヒューリスティック機能が不正なマルウェアを検知するために行っています。

ヒューリスティック分析とセキュリティー

ヒューリスティック分析が欠かせない場面といえば、Webサイトのリニューアルを行う際の事前調査です。事前調査の方法は色々とありますが、なぜヒューリスティック分析が欠かせないのかというと、ユーザビリティ(使いやすさ)の評価の手法の一つだからです。

ユーザビリティ評価は、ユーザビリティの専門家が既に知り得ている経験則(ヒューリスティック)からWebのインターフェイスを評価して、サイトの課題を抽出します。その際に大変活用されています。

ヒューリスティック検知ってなに?

初回公開日:2017年11月14日

記載されている内容は2017年11月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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