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「行ってください」の意味と使い方
行ってくださいました
「ください」は「くださる」の命令形であり、「くださる」は「くれる」の尊敬語にあたります。「くれる」は相手が自分に何かを与えたことを表す言葉です。「行ってくださいました」は相手がそこへ行ったことによって自分が利益を得た時に使います。利益を得ていない場合は「行きました」「行かれました」などと言います。
行ってくださいます
「郵便局へは佐藤さんが行ってくださいます」と言う場合、佐藤さんは郵便局へ行くことを受け入れている必要があります。まだ許可を得ていない場合は「郵便局へは佐藤さんに行っていただきたいです」「行ってもらいたいのですがお手すきですか」などの伝え方をした方がいいです。
タクシー
「行ってください」の敬語
「くれる」が、相手が自分のために何かを与えることを意味する言葉なので、「行ってください」と言う場合は「自分のためにそこへ行って」を丁寧に伝えていることになります。
相手がそこへ行くことが自分の利益にならない場合は、「行きました」か「行く」の尊敬語である「行かれる」「お出でになる」「いらっしゃる」などを使うといいです。
「行ってください」と「おこなってください」の違い
「行ってください」は移動して欲しいという意味です。ただし、自分の方へ向かっての移動は「来て」になります。「おこなってください」は何かしらの動作や作業をして欲しいという意味です。
「おこなって」と読ませたいときは「行なって」と書くのが一般的です。
「行ってください」は上司に使っても大丈夫か?
「先に行ってください」上司に使って大丈夫か?
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誤用になることもある
相手が先に行く事がこちらにとっての利益にならないためです。文字どおりの意味でとらえれば「待たれたら嫌だ。先に行ってくれた方が助かる」ということになってしまいます。
「お待ちいただくのは心苦しいです」と伝え、どうするかは相手に判断をゆだねるか、「お待ちいただいていると思うと心苦しいので、どうか先に行ってください」など、先に行ってくれたら心苦しさが無くなるという利益を得るのだと、相手に伝わるような伝え方にしましょう。
「行ってください」をクッション言葉を使って丁寧に伝える
行っていただけますか
「郵便局へ行ってください」と言うよりも「郵便局に行っていただけますか」と言った方が同じ依頼でも丁寧に聞こえます。
行ってくれると嬉しいのですが
「郵便局へ行ってください」と言うよりも「郵便局に行ってくれると嬉しいのですが」「郵便局に行ってくれると助かります」というように伝えた方が、依頼をやわらかく丁寧に相手に伝えることができます。
差し支えなければ
もしよろしければ
「もしよろしければ郵便局へ行ってください」「もしよろしければ郵便局へ行っていただけますか」などの使い方をします。
「行ってください」は「行ってくれ」という命令後を尊敬語にした形です。尊敬語になっているとはいえ命令には違いないので、クッション言葉を使ってより丁寧な表現をした方がいい場面も多いです。
「行ってください」の尊敬語
「行く」の尊敬語は「行かれる」「いらっしゃる」などです。しかし「行かれる」は「ください」につなげると言いにくいのであまり使われません。「いらっしゃる」も「来る」「行く」「居る」のすべてに対応する言葉であるために使いにくいです。
行かれる
いらっしゃる
しかし、「そこにいてくれ」「来てくれ」「行ってくれ」は尊敬語にするとすべて「いらっしゃってください」になります。「いらっしゃって」は綺麗な言葉ですが、使うと混乱させがちなのであまり使われません。
タクシーで「駅へいらっしゃってください」と言うと、運転手は「駅へ行け」なのか「駅に来てくれ」なのか「駅に居て欲しい」なのか分からない可能性があります。「佐藤さん、郵便局へいらっしゃってください」と言うと、「行ってくれ」なのか、「居てくれ」なのか分からない可能性があります。
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お越しになる
お出でになる
しかし、「いらっしゃる」と同じで「来る」「居る」「行く」すべてを意味するため、使うと相手を混乱させがちです。
「田中さんもお出でになって下さい」というと、「来てくれ」なのか「居てくれ」なのか「行ってくれ」なのか前後の文脈から判断するしかありません。また、「お出でになる」はかなり改まった表現ですのでタクシーなどでは使いません。
「待たせるのも悪いので先に行って」と伝える時に「お待たせしては心苦しいですのでどうぞ先にお出でになってください」と言った場合、「お出でになる」を「行ってくれ」だと判断すれば問題ありませんが「来てくれ」として聞けば相手は混乱します。
「いらっしゃる」は来るの尊敬語なのか
「行ってください」をより丁寧に言いたい場合は「行っていただけますか」など質問の形にするのが良いです。
「先に行ってください」を「先にいらっしゃる」と言ってもOK?
同じ相手が何度もその敬語を使っている場合は「行ってくれ」と言っているのだと相手は判断してくれるでしょうが、「行かれてください」は語呂の悪さからあまり使われませんし、「いらっしゃってください」は「来る」「居る」の尊敬語として使われることの方が多いので「行って」と言っていると伝わらない可能性が高いです。
丁寧な表現にするには尊敬語や丁寧語を使うほかに、クッション言葉を使うという方法があります。「よろしければ」「もしよろしければ」を前につけたり疑問形にすることで依頼をやわらかく伝えることができます。「よろしければ先に行ってください」「先に行っていただけますか」などと言うと「行ってください」というより丁寧です。
「行ってください」を使いこなそう!
「行ってください」は「くれる」を丁寧に表現していますので、行くことがこちらの利益になるような場合に使います。同僚や同格の相手に使うには最適の表現です。タクシーで行き先を伝えたい時にも「行ってください」と言うのがいいです。