曲解の意味と類語・曲解する人の特徴7つ・曲解と歪曲の違い

ニュースなどで、アナウンサーやコメンテーターが「曲解」という言葉を使っていますが、その正しい意味を知っている人は少ないのではないでしょうか。

曲解とは、事実を捻じ曲げてとらえることを指した言葉です。

曲解について、詳しい意味や類語についてご紹介していきます。

「曲解」は「きょっかい」と読みます。

「曲解」は日常生活ではあまり耳慣れない言葉ですが、さまざまなシチュエーションでよく見られる言動です。まどろっこしい表現をするより「曲解」と一言で言い表した方が、かえってしっくりくるため覚えておくと便利です。

曲解の意味は、ある事柄や他人の振る舞いを素直に受け取らないで、わざとねじ曲げて解釈することです。

「曲」は「曲がる」や「歪む」などの意味の他に「偽る」「事実をまげる」「こじつける」「よこしま」「不正」などの意味があります。

曲解という言葉が意味を捻じ曲げて解釈するという意味だとわかると、使う場面もおのずとわかってきます。

事実を捻じ曲げて解釈するということは、現実を正しくとらえたり伝えたりできないということです。曲解する人には注意したほうがよいということがわかります。

曲解の意味がわかると、これまでに経験した「曲解あるある」が頭に浮かんでくる人も多いのではないでしょうか。曲解する人は物事を悪くとらえる特徴があるでしょう。

被害妄想もあり、自分が悪口の対象になっていると思い込むことも少なくありません。こちらがなにも言ってないのに攻撃をしかけてくることもあります。曲解する人は、独自の考えが強い傾向にあるといえるでしょう。

以下に、曲解する人の特徴について詳しくご紹介しましょう。

曲解する人の特徴に、人の話を聞かないことがあげられます。

曲解する人は物事を受け止める器を広げるためには、聞き上手になるといいでしょう。聞き上手になるために必要不可欠なのは、集中力と話の論点をつかんでまとめる要約力です。

注意力散漫な曲解する人は、相手が何を話したのか聞いていない可能性があります。5分でも人の話を集中して聞く習慣をつけることが大切です。そのために、毎日新聞を読んだりニュースを聞くことをします。

曲解する人は理想論ばかりを語りたがる傾向があります。しかしそれは、絵に描いた餅に終わってしまうことがほとんどで、努力して実現する気持ちはあまりないでしょう。

言うは易く行うは難しの言葉のとおり、どんな素晴らしい理想を並べても実行が伴わなければ机上の空論に終わってしまいます。自分が発した言葉に責任を持って取り組むことは、社会人として最低限のルールといえます。

口先だけの主張は周りからの信頼を失うことになるでしょう。

曲解する人はあらゆる場面において、こうでなければならないと決めつけている傾向があります。

また、1度決めたことは最後まで変えないという頑固な面があるため、物事を柔軟に考えることが難しいでしょう。世の中は日々進化し、それに合わせて人の考えや行動も変化しています。意志を貫くことは素晴らしいことですが、時に人の成長を阻む原因となってしまうこともあるでしょう。

曲解する人は、1つのことにこだわる傾向があり、物事を柔軟に考えることが苦手な可能性があります。

1つのことだけに固執してしまい、結果的に自分を縛ってしまいます。1度正しいと思い込むと容易に変えることができないため、状況の変化に対応しきれず暴走してしまうこともあるでしょう。

曲解する人は、言われた言葉を額面どおりに受け取る傾向が強いため、言葉の裏に隠された感情や思惑・冗談などを読み取る理解力に欠けている、とも考えられます。

このため、相手の発した軽い冗談でも真に受け、傷ついたり怒ったりすることがあります。誰もが冗談だと気づくような言葉でも冗談だと気づけないので、周りはハラハラしてしまうこともあるようです。

曲解する人は周りが見えず目先のことしか考えることができないので、せっかちだという特徴があります。

今さえ良ければそれでいいと思っていることもあるようで、いつの間にか仕事が山積して周りに迷惑をかけることも少なくないでしょう。人は失敗からいろいろなことを学びます。このタイプは「のど元過ぎれば熱さを忘れる」傾向が強いため、反省材料になっていないことも少なくありません。

曲解する人は世間の一般常識と異なる言動を取るという特徴も見られます。曲解する人は自我が強過ぎる傾向があるので、自分の考えに固執するあまり、自分の常識が一般常識だと認識している場合があります。

このため周りの空気が読めず、突拍子もない言動をして周りを驚かせることがあるでしょう。ごく稀に周りの人から指摘されることがありますが、強すぎる自我が邪魔をして、そのことを聞き入れることも少ないでしょう。

「世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか」は、世論調査と実際のデータを照らし合わせ、世論がいかにまちがった受けとめ方をしているかを探る1冊です。

マスコミやイメージが先行すると、事実と異なる認識が定義づけられることがあります。

政治の世界だけでなく、わたしたちの身の回りでもそれは起きうる現実です。事実を曲解せずに正しく認識できるよう、実際のデータを確認していくことが日々重要です。

曲解の類語に「ねつ造」「曲説」「曲筆」「恣意」「専横」「利己」「我田引水」「牽強付会」などがあります。

・曲説：事実を偽って説明すること
・曲筆：事実を偽って文章にすること
・専横(せんおう)：勝手気ままに振る舞うこと
・利己：自分の利益を追求し他を顧みない身勝手な考え
・我田引水（がでんいんすい）：自分の都合のいいように処理すること
・牽強付会(けんきょうふかい)：筋のとおらないことを無理やりこじつけること

曲解の類語である「こじつけ」とは、無理に関連づけたり、無理矢理理屈をつけたりすることです。

「こじつけ」の語源は、「故事付け」です。昔からのいわれやおとぎばなしなどに、いろいろなことを無理矢理関係づけるという意味です。

曲解の類語である「ねつ造」とは、事実でないことを実際にあったかのように意図的に仕立て上げることを意味しています。

ねつ造の捏は、粘土で形つくるという意味があります。本物ではないニセモノを、形だけつくってしまうことをあらわしています。ないことをあるようにつくるという意味もあります。

曲解の類語である「恣意(しい)」とは、勝手気ままな心や考えという意味です。

自分勝手な思いつきなどの意味がある恣意は、「民衆の勝手な恣意で暴動が起きる」など、硬い文章や言い回しによく使われています。

曲解の類語である「詭弁」とは、人を騙すために故意に間違ったことを正しいと思わせる弁論や議論という意味です。

詭弁とは主に説得を目的とした説明の際に、間違っているとわかっていることに正当性をもたせようとする弁術を指して使われます。

曲解という言葉には、故意に自分を有利に運ぶ意図が感じられます。曲解の使い方例も、曲解による誤解を解こうとする表現が多く見受けられます。

以下に曲解を使った例文を挙げておきます。

「議論は曲解を避け慎重に」という表現もよくされます。

議論はしばしば感情的になるおそれがあります。事実を捻じ曲げて解釈されないように、皆にわかりやすい共通の言葉で、正しい内容を伝え合うことが大切です。

・議論は曲解を避け慎重におこないましょう。

資料を曲解すると事実を見誤ることがあります。

資料に正しいことが記載されていても、自分なりの解釈をしてしまうと曲解するおそれがあります。資料の説明をよく読み解くことが大切です。

曲解する人は、日頃から自分本位な考えで行動したり判断したりしているがあるため、言動が偏っている傾向があります。このため他人の意見が受け入れられず、周りの新しい知識や技術を吸収して、自分の成長に繋げることができない傾向にあります。

「自分に都合よく曲解するな」とは、曲解する人に対する警告としてよく発せられる言葉です。

曲解する人は、度が過ぎるほどのポジティブ思考の持ち主である場合があります。相手の都合は考えず自分勝手な都合の良い解釈で物事を捉える傾向が強いため、周囲は振り回されてしまうでしょう。

このタイプは聞くことがあまり得意でなく、見当違いな解釈をしていることがあるため、論点にずれが生じていることが多くあるでしょう。

「安易な発言は曲解されやすい」とは、深く考えていない・心にもない発言は誤解を招くという意味です。

曲解する人は無責任な部分があるため、実現できないことでも平気で口にすることがあります。

曲解する人は相手の気持ちを考えられず、自分の価値観を押し付けてしまうことも珍しくありません。また、他人の考えが正しいと認められず、いつも自分が正しくて1番だとおもっていることがあります。そのため発言に責任をもたず、まわりを混乱させてしまうでしょう。

「歪曲(わいきょく)」とは、物事をわざとねじ曲げて伝えることです。

これに対して曲解は、物事をわざとねじ曲げて解釈する事です。どちらも事実をわざと曲げている点においては同じですが、歪曲はゆがめた事実を相手に伝え、曲解は相手から受け取った事実をゆがめて解釈しています。

つまり、ゆがめた解釈を伝える側と自分の中で解釈をゆがめると言った点が異なります。

「曲解」という言葉についてご紹介しましたが、ネガティブなイメージが強いと感じた人も多いのではないでしょうか。曲解は対立を生みやすいので注意が必要です。

曲解したりされたりしないために、日頃からコミュニケーション能力を鍛えて、人としての器を広げましょう。人の考えや物事を受け止めるには、さまざまな視点を持つことが大切です。

そのためにもさまざまな経験をとおして、自分の感情と向き合っていきましょう。

何かを考え判断する時、さまざまなシチュエーションを想定します。1つの選択肢は固定観念へと繋がり、自分で自分の可能性を狭めてしまいます。

考え方の選択肢を広げて、あらゆる可能性を考慮することをします。そうすることで、自分の出した答えに縛られることなく、柔軟な発想ができるようになれるでしょう。