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「心身ともに」の意味・漢字
この記事では、「心身ともに」という言葉について、正しい意味や使い方を考えて行きましょう。
「心身ともに」の意味
この言葉は、いろいろな場面で使うことができるので、意味を理解しておくことはとても重要です。「あらためて言われなくても分かっている」などと思わずに、耳を傾けてみましょう。
心も体も両方
心と体は連動するものであり、自分の身をもって自分の状態が実感できます。
「心身ともに」の漢字
「心」も「身」も、どちらも「シン」と読むことができるからです。言葉の意味を考えても、心と身体の両方を同じように指していることが、判断を難しくしています。いざ書こうとすると、どのような形が正しいのか迷う方も多いでしょう。また、「ともに」を漢字で書くか否かということも悩ましいところです。
心身、身心どちらも正しい
すなわち、「心身ともに」と書いても「身心ともに」と書いても、特に問題がないということです。漢字の読み方も同じであり、言葉の意味としてもどちらが優先されるべきかを考慮する必要がないため、順不同となります。
ただし、より一般的に使われるのは「心身ともに」の方だと考えられます。もし指摘される場面があれば、そっと教えてあげると良いでしょう。
「共に」は間違いとする人もいる
「耳で聞く分には同じ言葉であっても、表記の違いで微妙に意味合いが異なるからです。
漢字表記の場合には「一緒、同じ」という意味を持つ一方、ひらがな表記の場合では「~と同時に」という意味になります。
「何かをするのと同時に、さらに何かをしたり何かが起こったりする」という意味に則って、「身心ともに」と表記するのが良いでしょう。
「心身ともに」を使う5つの場面
すなわち、精神と身体の状態が一致しない場合は、使うのに不向きな言葉だと言えます。
場面1:仕事が忙しい時
日々の生活で、一日の大半を占めるのは仕事です。時として、長時間の労働が強いられる場面も決して少なくはありません。仕事に向きあっていれば当然体力を消耗し、肉体的な疲労感を覚えます。
そして、責任感や焦燥感などのプレッシャーが伴う仕事では、精神的な疲労も膨らみ、知らず知らず蓄積されます。
身体の健康
心と体は連動しているので、身体の健康状態が精神の健康に影響を及ぼすのは当然です。仕事が忙しい時に感じる心身の疲労は、身体の不調が大元になっていると考えても良いでしょう。
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場面2:ストレスがたまる
繊細な心の人はストレスを感じやすく、限界までストレスを溜め込んで身体を壊してしまうこともあります。心身の関係が密接な、ストレスを表現する場合も「心身ともに疲れきっている」と言うことができるでしょう。
心の健康
このままの状態が続くと、心も体も影響し合うようにして弱っていきます。
睡眠障害や食欲不振、頭痛や胃痛など、さまざまな症状が出る前に誰かに相談するようにしましょう。
場面3:子供が大きくなる
「心身ともに」という言葉を聞くと、どちらかと言うとマイナスなイメージを持つ人も多いでしょうが、決してそれだけの用法ではないということを改めて確認しておきましょう。心と体がともに変化する状況は、実にさまざまなものがあります。
子供が大きくなることに関して、「心身ともに」変化する状況とはどのようなものでしょうか。
成長
年月の経過によって、子供は「身も心も」大人へと変わっていきます。
このように、成長が目に見える子供に対しては、「心身ともに大きくなった」と表現することができます。
場面4:就職・転職
ひとたび社会に出ると、時間のほとんどを費やすのが仕事であり、人生の大きな要素となっています。その仕事が変われば、それに従って心と体も変化していきます。
安定している
仕事をするということは、毎日決められた時間に沿って行動することであり、自然と生活リズムが整ってきます。その結果、金銭面も安定し、経済面での漠然とした不安から逃れることができます。就職や転職に関しても、「心身ともに安定を得ている」と表現することができるでしょう。
場面5:試合前のアスリート
しかし、いくら体を鍛えても勝利に届かないことがあります。試合には勝敗がつきます。勝利を得るためには、身体だけではなく精神面でも強いアスリートに軍配が上がります。
そのため、試合前のアスリートは「心身ともに」鍛錬を重ねます。
鍛える
継続してトレーニングを行う根気と、体が強くなることで得られる自信によって、精神も強くなっているからです。
また、苦手なことにあえて挑戦することで精神を鍛えることもできます。体と同様、心にも負荷を与えればその分強くなります。
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「心身ともに」の類語2コ
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「心身ともに」とは、「心も体も両方」という意味の言葉でした。これと同じように使える言葉を、以下に2つご紹介します。
類語1:心も体も
精神と身体に共通して言える状態がある場合には、「心も体も○○だ」のように表現することもできます。
「心身ともに」とほぼ同じように使うことができますが、「心も体も」という表現の方が砕けた印象を与えます。日常会話にはこちらを使用する方が違和感が少ないでしょう。
類語2:肉体的にも精神的にも
意味合いとしては「心身ともに」と同じですが、より強い印象を与えることができるでしょう。
「心身ともに」は使いやすい言葉
使えない場面にも注意
「心身ともに成長しました」
しかし、「心身ともに成長しました」とは、子供の成長に使うことはできても、自分に対しては使うことができません。また、上から目線に感じられやすい言葉であることを理解しておきましょう。成長の対象と、言葉のニュアンスに特に注意が必要です。
自分の成長には言えない
人の成長というものは、他人に評価されてこそ認められます。自ら率先して「心身ともに」成長したというのは、違和感のある表現になります。
上から目線に注意
言葉を使う際には、状況やニュアンスまで深く考慮する必要があります。