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「心身ともに」の意味|使う場面5コ・類語2コ|使えない場面の注意

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「心身ともに」の意味・漢字

普段から耳にしたり口にしたりすることの多い言葉でも、改めて意味や使い方を考えてみると、実は曖昧なまま使っているということがあります。あるいは文章で使用する際に、「漢字ではどう書けば良いんだろう」と悩むことも少なくありません。

この記事では、「心身ともに」という言葉について、正しい意味や使い方を考えて行きましょう。

「心身ともに」の意味

はじめに、言葉の意味を確認しましょう。「心身ともに」という言葉自体は難しいものではなく、同じ読みを持つ単語の組み合わせから作られています。漢字を習ってさえいれば、読み方やある程度の意味は誰にでも推測できます。

この言葉は、いろいろな場面で使うことができるので、意味を理解しておくことはとても重要です。「あらためて言われなくても分かっている」などと思わずに、耳を傾けてみましょう。

心も体も両方

「心身ともに」という言葉は、その文字が表しているように、「心も体も両方」という意味を表しています。「心」は「心理的なもの、精神的な部分」を表し、「身」は「身体的なもの、肉体的な部分」を表します。そして、「ともに」とは「共に」であり、「一緒に、両方とも」という意味を表しています。

心と体は連動するものであり、自分の身をもって自分の状態が実感できます。

「心身ともに」の漢字

「心身ともに」を漢字で書く場合、「心」が先にくるのか、「身」が先にくるのか、音だけでは判断できないということがあります。

「心」も「身」も、どちらも「シン」と読むことができるからです。言葉の意味を考えても、心と身体の両方を同じように指していることが、判断を難しくしています。いざ書こうとすると、どのような形が正しいのか迷う方も多いでしょう。また、「ともに」を漢字で書くか否かということも悩ましいところです。

心身、身心どちらも正しい

実は、「心身ともに」の「心身」については、順番の定めはありません。

すなわち、「心身ともに」と書いても「身心ともに」と書いても、特に問題がないということです。漢字の読み方も同じであり、言葉の意味としてもどちらが優先されるべきかを考慮する必要がないため、順不同となります。

ただし、より一般的に使われるのは「心身ともに」の方だと考えられます。もし指摘される場面があれば、そっと教えてあげると良いでしょう。

「共に」は間違いとする人もいる

「心身ともに」の「ともに」については、漢字表記は間違いだと考える人もいます。

「耳で聞く分には同じ言葉であっても、表記の違いで微妙に意味合いが異なるからです。

漢字表記の場合には「一緒、同じ」という意味を持つ一方、ひらがな表記の場合では「~と同時に」という意味になります。

「何かをするのと同時に、さらに何かをしたり何かが起こったりする」という意味に則って、「身心ともに」と表記するのが良いでしょう。

「心身ともに」を使う5つの場面

「心身ともに」とは、「心も体も両方ともに」という意味を表す言葉です。つまり、単に精神や身体の状態を説明するだけではなく、精神と身体、どちらにも共通している状態を説明したい場合に使う言葉となっています。

すなわち、精神と身体の状態が一致しない場合は、使うのに不向きな言葉だと言えます。

場面1:仕事が忙しい時

仕事に追われている時には「心身ともに疲れきっている」と表現することができます。

日々の生活で、一日の大半を占めるのは仕事です。時として、長時間の労働が強いられる場面も決して少なくはありません。仕事に向きあっていれば当然体力を消耗し、肉体的な疲労感を覚えます。

そして、責任感や焦燥感などのプレッシャーが伴う仕事では、精神的な疲労も膨らみ、知らず知らず蓄積されます。

身体の健康

仕事が忙しくなればなるほど、身体的な疲労感は大きくなります。もちろん、仕事に対する精神的な負荷は初めからあるものですが、それを除いても、肉体的な疲弊などによる健康状態が引き金となって、精神的に疲れていくことも大いに考えられます。

心と体は連動しているので、身体の健康状態が精神の健康に影響を及ぼすのは当然です。仕事が忙しい時に感じる心身の疲労は、身体の不調が大元になっていると考えても良いでしょう。

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場面2:ストレスがたまる

現代はストレスの時代だと言われています。受験に始まり、就職・転職活動、仕事、家庭、人間関係、金銭問題、病気、果ては介護など、人生には多くの試練が待ち構えています。しかし、人々の心の耐性は千差万別です。

繊細な心の人はストレスを感じやすく、限界までストレスを溜め込んで身体を壊してしまうこともあります。心身の関係が密接な、ストレスを表現する場合も「心身ともに疲れきっている」と言うことができるでしょう。

心の健康

心の不調は誰の目にも見えません。また、自覚しにくいものでもあります。そのために、他人に受け入れてもらえないという特徴があるので、心身ともに限界を越えても、なお鞭打ってしまう人が多いのが現実です。

このままの状態が続くと、心も体も影響し合うようにして弱っていきます。

睡眠障害や食欲不振、頭痛や胃痛など、さまざまな症状が出る前に誰かに相談するようにしましょう。

場面3:子供が大きくなる

子供の成長を言う場合にも、「心身ともに」という表現をすることができます。

「心身ともに」という言葉を聞くと、どちらかと言うとマイナスなイメージを持つ人も多いでしょうが、決してそれだけの用法ではないということを改めて確認しておきましょう。心と体がともに変化する状況は、実にさまざまなものがあります。

子供が大きくなることに関して、「心身ともに」変化する状況とはどのようなものでしょうか。

成長

人は、心も体も未熟な状態で生まれてきます。そして、長い年月をかけて身体は大きく安定したものへと育ち、それに伴って、感情や思考も少しずつ育まれていきます。

年月の経過によって、子供は「身も心も」大人へと変わっていきます。

このように、成長が目に見える子供に対しては、「心身ともに大きくなった」と表現することができます。

場面4:就職・転職

就職や転職をすることは、人生における大きな節目です。学生から社会人へと変わること、あるいは辛い職場から快適な職場へ移ることは、精神的な安定感と身体的な安定感を得ることにつながります。

ひとたび社会に出ると、時間のほとんどを費やすのが仕事であり、人生の大きな要素となっています。その仕事が変われば、それに従って心と体も変化していきます。

安定している

仕事が決まる、あるいはより良い環境の職場に移るということは精神の安定を生みます。仕事の安定は、将来設計の第一歩だからです。

仕事をするということは、毎日決められた時間に沿って行動することであり、自然と生活リズムが整ってきます。その結果、金銭面も安定し、経済面での漠然とした不安から逃れることができます。就職や転職に関しても、「心身ともに安定を得ている」と表現することができるでしょう。

場面5:試合前のアスリート

試合前のアスリートは、来たる試合に向けて日々鍛錬を積み重ねます。どんな種目でも、必ず体を使います。本番に最大限の能力を発揮するために体を鍛えるのは必須でしょう。

しかし、いくら体を鍛えても勝利に届かないことがあります。試合には勝敗がつきます。勝利を得るためには、身体だけではなく精神面でも強いアスリートに軍配が上がります。

そのため、試合前のアスリートは「心身ともに」鍛錬を重ねます。

鍛える

「鍛える」は、身体に対してのみ使われる言葉ではなく、精神面を言う場合にも使われます。たとえ肉体的なトレーニングで体を鍛えたとしても、鍛え上げられるのは体だけではありません。

継続してトレーニングを行う根気と、体が強くなることで得られる自信によって、精神も強くなっているからです。

また、苦手なことにあえて挑戦することで精神を鍛えることもできます。体と同様、心にも負荷を与えればその分強くなります。

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「心身ともに」の類語2コ

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「心身ともに」という言葉は、分かりやすく使いやすい表現のひとつです。しかし、日常生活で使うには、相手に堅い苦しい印象を与えてしまう可能性もあり、場合によっては使えないこともあります。より適切な表現をするために、類語も一緒に覚えておくとよいでしょう。

「心身ともに」とは、「心も体も両方」という意味の言葉でした。これと同じように使える言葉を、以下に2つご紹介します。

類語1:心も体も

「心も体も」とは、文字どおり「心と体が両方とも」という意味です。

精神と身体に共通して言える状態がある場合には、「心も体も○○だ」のように表現することもできます。

「心身ともに」とほぼ同じように使うことができますが、「心も体も」という表現の方が砕けた印象を与えます。日常会話にはこちらを使用する方が違和感が少ないでしょう。

類語2:肉体的にも精神的にも

「肉体的にも精神的にも」とは、これも文字どおりの意味で、「心も体も両方とも」同じ状況にあることを表す言葉です。たとえば、「仕事が忙しくて、肉体的にも精神的にもきつい」などのように使うことができます。

意味合いとしては「心身ともに」と同じですが、より強い印象を与えることができるでしょう。

「心身ともに」は使いやすい言葉

上記でも触れましたが、「心身ともに」という言葉は、さまざまな言葉と組み合わせて使用することができる、大変便利な言葉です。組み合わせる言葉や言い回し次第では、ビジネスシーンや公の場でも使用することができます。この機会に、「心身ともに」という言葉の意味や使い方はもちろん、さまざまな言い回しのバリエーションを増やしてください。表現の幅が広がります。

使えない場面にも注意

「心身ともに」とは便利な言葉ではありますが、心と体に共通する状態があればいつでも使えるというわけではありません。言葉のニュアンスや対象によっては不適切と捉えられることもありますので、注意が必要です。

「心身ともに成長しました」

上記では、成長に関して「心身ともに」変化したことを表現できることを記しました。

しかし、「心身ともに成長しました」とは、子供の成長に使うことはできても、自分に対しては使うことができません。また、上から目線に感じられやすい言葉であることを理解しておきましょう。成長の対象と、言葉のニュアンスに特に注意が必要です。

自分の成長には言えない

「心身ともに」とは、子供の成長を表現するためには使えても、自分の成長に対して使うことはできません。なぜなら、自分の成長を自分で評価することは難しいからです。とくに、精神的な成長に関しては、自己過信と受け止められる可能性が高いです。

人の成長というものは、他人に評価されてこそ認められます。自ら率先して「心身ともに」成長したというのは、違和感のある表現になります。

上から目線に注意

成長を評価できるのは、その人物よりも上の立場にある人間に限られます。親が子供の成長を実感するのは当然で、親は子を育てる立場ですから問題はありません。しかし、そうでない場合には「何様のつもりだ」と受け取られてしまう可能性が高いでしょう。

言葉を使う際には、状況やニュアンスまで深く考慮する必要があります。

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