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「竣工」の意味と使い方・「着工」「完工」「落成」との違い

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「竣工」の意味と使い方

竣工とは建造物などができあがることを示しめし、竣成とも言います。「竣」は「やめる」「とどまる」「終わる」という意味があり転じて「仕事を完了する」という意味も含みます。「工」は「たくみ」「仕事の上手な人」「品物を作る人」「仕事」という意味がありますが、ここでは「工事」という土木や建築などの仕事のことを指しています。

工事が完成した際に使われる言葉で、竣工は作業が全て終了したことを意味します。

船を作る際に使われる「竣工」

船を作ることを造船といいます。造船が完成した場合には竣工と言います。竣工は、工事や建築物とおなじ意味です。「竣工」前に「進水式」を行うため、「進水」が「船の完成」と考えがちですが、それは間違いです。

船を作る際にはまず陸上の船台などにて「起工」します。「起工」とは工事を始めることを意味します。水に浮かべられるようになるまでの工程は陸上で行われます。最近では、陸上にてブロックを組み上げるように作っていくため、この段階でほぼ船の形ができ上がっています。

船体ができたら、水に浮かべます。これが「進水」です。そして船を水に浮かべたまま「艤装」をします。レーダーをつけたり、内装工事を行うことです。「艤装」が終わって検査が済んだら「竣工」になります。「竣工」が済んで初めて「船」が完成します

船は水に浮くことが第一条件です。そのため、竣工の前に「進水式」をし、船を初めて水に触れさせる儀式を行います。この時同時に船に命名します。

マンション

家やマンションが完成した場合にも「竣工」を使います。マンションのパンフレットで「竣工予定日8月下旬」と書いてある場合がありますが、これは「マンションの完成予定は8月下旬です」と言っています。「マンションの工事が始まるのが8月下旬」という意味と間違える人も中にはいますが、「竣工」と「着工」は意味が違います。

また物件を探している時、「築年月」・「竣工日」と記載されているのが目に入るでしょう。これは両方同じ意味で書かれています。前者は中古物件などに多く記載され、後者は新築物件に記載されている場合が多いです。「竣工日」とはマンションや家が完成した日を表しています。

マンションが竣工された後には「竣工検査」「完了検査」が行われます。この二つに合格して初めて、マンションや家は施主に引き渡されます。「完了検査」は建築基準法で定められている検査で建物の敷地や構造に関する検査を行い、「竣工検査」は施工会社行う検査で図面どおりの設計になっているか、設備に不具合がないか調べる検査です。

「竣工」の意味の読み方

工事や作業が終わったことを意味する「竣工」ですが、なんと読むのでしょうか。

しゅんこう

「竣工」は「しゅんこう」と読みます。

「竣」は「やめる」「終わる」という意味があると前述しましたが、改めるという意味もあります。この時の成り立ちは、「人が地面に立つ」という意味のたつへんとすらりと高いという意味を持つ「夋」が音を表しています。

「工」は工事を表しています。この字は人が道具を持っている様子を表しています。「工」は「二」が天と地「|」が人を表し、人が天と地の間にあって規則正しく仕事することを表しています。または、上下二つの線を縦の棒が突き刺していることを示しているとも言われています。そのため、この字は「仕事の上手な人」という意味や「仕事」のことを表します。

この二つの漢字が組み合って「仕事が終わる」という意味の「竣工」という字ができました。

「竣工」との意味の違い

「竣工」は建築業界で使う言葉です。「竣工」の他にも建築に関わる言葉はたくさんあり、その中でも「着工」「完工」「落成」などはよく使われています。これらの言葉と「竣工」との意味の違いはなんでしょうか。

着工の意味は?

「着工」はその字のとおり、「工事に手をつけること」「工事に取り掛かること」を意味しています。起工も同じ意味で使われますが、ほとんど使用されることはありません。起工は大体大規模な工事を始める際に使用することが多い言葉です。また、造船の際には「着工」ではなく「起工」が使われます。着工は、家を新築する際やマンション、道路などを作る際によく用いられます。

竣工は工事が終わることですので、簡単に説明すると、「着工」は工事のスタート、「竣工」は工事の終わりということになります。

事前着工とは

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事前着工とは代金を支払う前(登記が購入者に渡る前)に、売買対象となっている土地に建築工事を着手したり造成工事に着手することを言います。これは建築基準法の違反行為に当たるため、事前着工が発覚した工事は差し止めになる危険性もあります。これを行なった業者は資格の剥奪などのペナルティがあります。

事前着工の定義は

・杭工事がない場合は、基礎の根切りに着手した時点
・杭基礎の場合は、本杭の工事に着手した時点
・地階がある場合は山留工事に着手した時点

となっておりますが、明確な言葉の定義がなく工事の実態からの判断となります。

完工の意味は?

完工は、工事や作業が終わることを意味します。竣工とほぼ同じ意味と考えて間違いありません。ではなぜ、二つの言葉を分けて使用するのかを説明しますと、竣工の「竣」はやめること、終わることを意味しています。そのため「竣工」は工事が終了することを示しています。

完工も同じですが、「完」は「欠けたところがない」「全うする」「完全に果たす」という意味から「工事が完全に(全て)終わったこと」意味します。

このため、竣工はあくまで「作業や工事」が終わったことを示し、完工は「工事の準備から作業」が終わったことを示しています。終了は時間切れなどで途中でやめても「終了」と言いますが、「完了」は全てが完璧に終わった状態のことを表しています。

しかし建築業界では、「完工」は同音異句(「観光」や「慣行」など)が多いため、もっぱら「竣工」を使うことが多いです。

竣工と完工は同じ意味で使っても差し障りがありません。その時の状況によって使い分けてください。

落成の意味は?

「落成」とは土木建築の工事ができあがることを言います。工事が完成することを意味することから、「竣工」「完工」とも同じ意味で使われますが、前者二つは書き言葉、「落成」は話し言葉として使われることが多いです。

強いて意味の違いを挙げるならば「竣工」は工事そのもの(建築、土木ともに)が終了した際に使われ、「落成」は工事が終わり、建築物ができあがることを言います。感覚的には道路や鉄道ができあがることを「竣工」と言い、こちらは請け負った業者が使う言葉、家など建築物ができあがることを「落成」と言い、施主が使う言葉と使い分けます。

落成式・竣工式

工事が終わるとセレモニーが開催されることがあります。落成式と竣工式、どちらも同じ意味合いではありますが、目的が少し変わります。

落成式は、建主が建築物をできた記念に開催します。主に工事の関係者を招き、工事の労を労い、竣工を感謝するために行われます。記念に行われるものですので、祈祷などはなく、代わりに施主や施工者の挨拶があります。公の施設などの竣工の際によく行われます。

竣工式は、工事が無事に終わったことを神様に感謝するための儀式です。無事に終わったことを神様に感謝し、また作った建物が堅牢に末長く使われるよう、また繁栄するように神様に祈念します。このため竣工式は、神主を呼び、祈祷を授けてもらいます。竣工式の後には直会が行われる場合がほとんどです。

工事が終わるとセレモニーが開催されることがあります。落成式と竣工式、どちらも同じ意味合いではありますが目的が少し変わり、落成式は建主が建築物をできた記念に開催します。

主に工事の関係者を招き工事の労を労い、竣工を感謝するために行われます。記念に行われるものですので祈祷などはなく、代わりに施主や施工者の挨拶があります。公の施設などの竣工の際によく行われます。

竣工式は、工事が無事に終わったことを神様に感謝するための儀式です。無事に終わったことを神様に感謝し、また作った建物が堅牢に末長く使われるようまた繁栄するように神様に祈念します。このため竣工式は、神主を呼び祈祷を授けてもらいます。竣工式の後には直会が行われる場合がほとんどです。

竣工は建築作業や工事が終わったこと

竣工の意味を調べてきましたが、竣工は建物や工事が無事に終了した、できあがったことを表す言葉でした。建築業界に関わらず、専門の仕事では一般の人にはわかりづらい言葉が多々あります。

建築や工事業界の言葉は、不動産を購入する際、または借りる際に覚えておいても無駄にはならないことが多いです。わからないからと言って放置するより、辞書を紐解くなり、インターネットで検索したりしてその意味を調べることで知識も深まりますし、会話の幅も広がります。

建築や工事の言葉は、不動産を購入する際、または借りる際に覚えておいても無駄にはならない言葉です。

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