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所見の意味・書き方と例文6コ・意見/見解/結論との違い

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所見の意味

「所見」の意味は、簡単に言うと「何かを見た時の意見や判断」です。

特に医者や教師、弁護士、政治家などの専門職につく人が、自分の意見を述べる時に使われます。専門家が人や物や、起きている現象について深く吟味した上での意見というニュアンスが含まれます。

同時に、専門家として慎重な態度を相手に伝える効果もあり、「真実に近い」「その確率が高い」が決して断定はできない、と前置きをする役割も果たします。

【所見】
①見たところ。見た上での判断や見解。 「医師の-」
②意見。考え。 「専門家としての-を求める」

https://www.weblio.jp/content/%E6%89%80%E8%A6%8B

所見の書き方と例文

「所見」が使われるシーンとしては、教師が通知表に記載する「所見」が代表的なものの1つです。教師は生徒の普段の行動や様子を、実際に見聞きした事実をもとにしながら教育者としての判断や意見を述べます。それが教師が使う「所見」です。

強調性や運動会などとテーマを絞って項目別に書き、生徒を傷つけてしまうことがないよう配慮したり、励ますことができるような内容となります。具体的な例文をいくつかあげてみましょう。

例文1:協調性

グループ活動では、周りと相談しながら行動し、助け合うことで上手にやり遂げることができると実感していた様子でした。それ以降、自分から進んで他の生徒を手伝う姿がよく見られます。

印象深かったのは掃除の時間に思いバケツを2個も運ぼうとしていた友達を、素早く手伝ってくれたことです。協力し合いながら生活していこうとする気持ちが周りにもよく伝わっている様子で、みんなのお手本になってくれています。

例文2:運動会

運動会では、走るの苦手だからと50メートル走に出るのが嫌だと言っていましたが、本番ではニコニコ笑いながら友達と並んで順番を待っていました。結果は一番最後にゴールインしましたが、本人は楽しそうにしていました。

運動会は、順番を競い合うことよりも、仲間と一緒に取り組む、家族のみんなが一緒に集まることが楽しいのだと解釈していたようです。結果にとらわれずに、運動会を楽しもうという気持ちは素晴らしいことです。

例文3:思いやり

明るい性格で誰とでも、仲良く遊ぶことができます。一人でいる子を見つけると声をかけて仲間にいれようとする配慮ができます。友達が嬉しい時や悲しい時には、一緒になって喜んだり悲しんだりしています。

そんな積極的なコミュニケーション能力を見せる中でも、「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉を自然に使っているのをよく聞きます。お礼や謝罪の言葉は相手を思いやる気持ちがなければ、自然に出てこない言葉です。

例文4:おとなしい

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周りの生徒がおしゃべりに夢中になって騒いでいる時でも、おとなしい態度でいることが多いようです。自分から話しかけたりすることは少ないですが、かといって周りから孤立してしまうこともありません。

人の話を聞くのがとても上手です。話好きの友達からは、話しをいつも聞いてくれると好かれています。ちょっとした事件でみんながパニック状態に陥った時は、落ち着いた態度が周りに安心感を与えていると見ることができます。

例文5:期待しています

苦手だった数学のテストの点数が毎回少しずつ上がってきています。以前、予習復習を毎日しっかりするように注意したことを、きちんと聞いてくれていたようです。宿題を忘れることもなくなりました。

数学が得意な子に、質問をしたりと前向きに努力しています。授業中のおしゃべりも少なくなってきて、算数の時間はとくに集中するようになりました。今後の算数の成績は、きっと徐々に上がっていくだろうと期待しています。

例文6:クラブ活動

クラブ活動を始めてから、元気にあいさつをするようになり、お辞儀をしたりするようになりました。以前と比べて、積極的に周りとコミュニケーションをはかり、先輩や後輩など交流する仲間が増えています。

もともと友達が多く明るい性格でしたが、クラブ活動をすることでさらに磨きがかかったようで、周りから頼りにされています。クラブ活動は、先輩に対するマナーや、先生たちへの礼儀作法を学ぶ場所になっていると思いました。

以上のように、教育者の立場で先生は自分の意見や考えを「所見」として、断定できないことを前提に述べることができます。

専門家の意見や考えは、多くの人達に大きな影響を与えてしまいがちです。ですから、事実に基づいた意見や考えであっても、相手に対して慎重で真摯な態度が要求されます。

そこで、「所見」をはじめとする、敬語の使い方を正しく学べる本をご紹介します。元NHKのアナウンサーがプロの敬語を教えてくれます。

「所見」の言い換え表現と違い

言葉はその人の人格を表すとも言われ、言葉の使い方1つで、相手に与える印象は大きく異なってしまいます。

専門家だからといって、必ずしも自分の意見が正しいという訳ではありません。自分の意見が相手を不愉快な思いをさせてしまうこともあります。

「所見」という言葉は、自分の意見や判断が与える印象を緩和する役割も果たしてくれるのです。「所見」の言い換え表現を学んで、敬語を正しく使いこなせるようになりましょう。

意見

新聞やニュースなどで、政治家が何かの出来事に対して自分の意見や考えを述べる時に「所見」として述べることができます。

「我が党の所見では、これからの消費税削減案をアピールすることが、選挙においても投票数を獲得できるポイントとみている。」など、何かの確証にそって、今後の展開を予想する時などに使われています。

「意見」として述べてしまうと個人的な主観が強くなってしまい、信憑性に欠ける印象を与えてしまいます。

見解

「所見」と「見解」も、意味がよく似ていますので、間違えて使われがちです。「見解」とは事実に対して、より個人的な意見が含まれるものになります。

例えると、医者は、患者が風邪をひいて咳が止まらない状態だと「所見」に記します。「見解」では、風邪からきている咳だと思うが肺炎を引き起こす可能性が高いかもしれないと書きます。

医者は根拠のない無責任な判断をすることを避けるため、「所見」と「見解」を使い分けて考えを述べます。

結論

「所見」の時点で断定できなかった考えを100%断定すること、それが「結論」です。

医者は患者を診断した時に、「所見」から自分の考えを「見解」として述べました。診断の過程を経ながら、最後に「結論」へと進展させていくことができます。患者は回復して咳も完全に収まり、肺炎の心配はない、と「結論」を出します。

医者が「結論」を出すまでには、多くの「所見」と「見解」が積み重ねられていると言えるでしょう。

建議

「建議」という言葉はその他の類似語に比べるとわかりやすいかと思います。「建議」とは意見や意志を申し立てるという意味になり、つまり何かを要求するための言葉です。

社員は本年度のボーナス減額について、売り上げが上がっているのに減額は納得できない、と社長に「建議」します。

「所見」は事実に基づいた判断や考えですが、「建議」は事実に対しての、批判的、または抗議的な意味がやや強くなります。

コメント

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似たような意味を持つ言葉でも、どの言葉を使うかで、人が受け取る印象は大きく変わってしまいます。相手との関係や、その場の状況に応じて適切な言葉を選んでいきたいものです。

「所見」という言葉には

①見聞きした真実に基づいている
②専門家やプロの判断
③断定はできないと仄めかす謙虚さ
④言葉の重みを尊重する態度

などが含まれています。

所見を正しく書こう

このように、「所見」という言葉は相手に対する真摯な態度を表し、「所見」として伝えられる考えや判断は、とても丁寧で相手を尊重する気持ちがこめられています。

話す相手や事柄によっては、たった一言の言葉が、取り返しのつかない結果になってしまうことも考えられます。

「所見」を正しく使い、あなたの人格や品性に磨きをかけていきましょう。そして、よりレベルの高いビジネスライフを送っていきましょう。

類語の使い方を正しく学ぼう

自分の職業や地位に応じて、責任のある慎重な態度を相手に伝えるためには、「所見」の役割を上手に使うことが必要です。

「意見」として述べてしまうと信憑性がなくなり、「見解」としての判断は独断と偏見にかたよってしまい、「建議」してしまえば不和のもとにもなりかねません。

その他の似たような役割を果たす言葉を知ることで、「所見」のもつ高尚なニュアンスをさらに身近に感じることができるでしょう。

「所感」の意味と使い方
「見解」の意味と使い方
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