「精査」の意味と使い方・類語・「照査」の意味の違い

「精査する」という言葉は、ビジネスで良く使われる言葉です。「精査」とは、どんな意味の言葉なのでしょうか。

「精査」とは、詳しく細かに調べるという意味の言葉です。相手に対して良く調べてくださいと言った意味でも使われますし、自分が良く調べさせていただきますといった意味でも使われます。

「精査」は、実際にどのような使われ方をするのか見ていきましょう。

「精査」には細かく調べるという意味があります。例えば、ビジネスなど提案などをしてもらった場合に、「内容を精査して、改めてご回答申し上げます」といった形で使います。これは、（提案していただいた）内容をしっかり細かい部分まで確認させていただいてから、お返事しますという意味で使われます。

「精査させていただきます」という言葉も、相手先から書類を受け取ったり、提案を受けた場合に、「内容を細かく確認（調べ）させていただきます」といった意味で使います。

逆に自分が書類を送ったり、提案させてもらった時に、相手の方に「精査させていただきます」と言われた場合は、「詳細を調べさせていただきます」と言われたという意味になります。

「精査願います」という言葉は、こちら側から相手の方に対して、詳しく調べて欲しい場合に使います。資料や書類などを送った場合に、内容の詳細をしっかり確認して欲しい場合に使うと良いでしょう。

下の項目で説明をしていますが、内容を細かく確認してお受け取りくださいという意味の言葉に「ご査収ください」という言葉があります。相手に確認して受け取って欲しいものを送る場合は、「ご査収くださいますようお願い申し上げます」といった使い方をすることがあります。

メールで添付する場合や、郵送などで送る場合、「ご査収」という言葉を使うこともありますが、内容を細かく確認して欲しい場合は、「精査願います」という言葉を使うこともできます。

「精査される」という言葉を使うときは、何かに対して細かく調べられる時に使います。例えば、「監査が入り、帳簿を精査されました」などのような使い方をします。自分が相手から細かく調べられたり、確認されたりする状況の時に使います。

今現在、詳しく調べている最中ですという時に「精査中」という言い方をすることがあります。現在、精査中なのでという言葉を言われた時には、内容をしっかり細かく確認している途中ですという意味になります。

また、相手の方に対して内容を確認して、回答をする場合があります。確認作業に時間がかかる場合、相手に対して何も返答をしない状態で何日もお待たせしてしまいますと、返事を待っている方は不安になることがあります。

確認作業に時間がかかる場合は、「現在、精査中ですので、今しばらくお時間をいただきますようお願い申し上げます」と言った形で途中経過の連絡をすることで、相手の方も安心して返事を待つことができます。

「精査」と同じように、ビジネスで使われる言葉に「査収」という言葉があります。「精査」と「査収」はどんな違いがあるのでしょうか。

「査収」という言葉にも、良く調べるという意味が含まれています。書類などを誰かに送る場合に、「ご査収くださいますようお願い申し上げます」といったフレーズが使われることがあります。

これは、「査収」という言葉には、良く調べてお受け取りくださいという意味があるからです。データや書類などを送る場合は、「ご査収ください」という言葉が使われることが多いのですが、「精査」という言葉を使うこともできます。

ビジネスでは書類などを送る場合、「ご査収くださいますようお願い申し上げます」というフレーズが良く使われますので、覚えておくと便利な言葉です。

調べるという意味の言葉に「調査」という言葉があります。「精査」と「調査」にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

「調査」の意味は、「事を明らかにするために調べること。またその内容」という意味があります。内容がはっきりしない事柄を調べることを調査すると言います。「精査」には、誤りなどがないか内容を細かく調べてくださいという意味があります。

より細かく調べる時には「精査」を使うと良いでしょう。

調べるという意味の言葉に「照査」という言葉があります。「照」の文字は照らし合わせるという意味があります。つまり、「照査」とは、何か基準になるものがあり、それと照らし合わせて、違いがないか調べると言う意味の言葉になります。

「精査」を使う場合は、基準や元になるものがない場合でも、細かく調べるという意味で使うことができます。

何か基準があって、それと照らし合わせて調べて欲しい時は「照査」を特に基準になるものがなく、細かく調べて欲しい場合は、「精査」を使うと良いでしょう。

「精査」は詳しく調べるという意味の言葉なので、「詳しく調べる」と言い換えることができます。他にも「精察」「検査」「チェック」「吟味」「検討」といった言葉が類語になります。

「精察」は、くわしく調べ考えることという意味の言葉です。内容を調べ、それについて考えるという意味で使う場合は、「精察」という言葉を使うと良いでしょう。

「吟味」は、理論・品質・内容・罪状などについて、詳しく調べ確かめることという意味の言葉です。「吟味」には、詳しく調べるという意味だけではなく、確かめるという意味もあります。

「精査」という言葉は、ビジネスでは使われることが多い言葉です。実際には、どのような使い方をするのか例文をご紹介します。

【例文】
・この件につきましては、精査の上、改めてご回答申し上げます。
・資料を同封いたしました。ご精査のほど、よろしくお願い申し上げます。

「精査」は、細かく確認するという意味の言葉ですが、ひととおり目を通すという意味の言葉に「通覧」という言葉があります。全体をざっと目を通すという意味の言葉なのですが、普段の生活ではあまり使われることがありません。

「この書類を通覧しておいてください」とは、この書類にひととおり目を通しておいてくださいという意味なので、使い方としては間違いではありません。しかし、「この書類にひととおり目を通しておいてください」という表現の方が一般的と言えます。

「精査」という言葉自体は失礼な言葉ではありませんので、この言葉を使うことには問題はありません。ただし、「精査」には、詳しく調べてくださいという意味がありますので、目上の方や取引先などに対して、「精査」という言葉を使う場合は、「精査願います」といった使い方は避けた方が良いでしょう。

調べるということを相手にお願いする言葉になりますので、「精査いただきますようお願い申し上げます」といった言い回しにして使う方が丁寧な印象になりますので、おすすめです。

「精査」「査収」といった言葉は、日常生活ではあまり使うことはありませんが、ビジネスでは良く使われる言葉です。言葉の意味が良くわからないときは、置き換えた言葉を使うこともできますが、あまり幼稚な表現をしてしまいますと、ビジネスではマイナスのイメージになることもあります。

意味もわからず使うことはおすすめできませんが、相手の方からメールや、ビジネス書類などで意味がわからない言葉があった場合は、その都度意味を調べるくせをつけることがおすすめです。

意味を理解して正しく使うことで、ビジネスマンとしてスマートな敬語表現を使うことができるようになるでしょう。