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「リカバー」は取り戻すことや、回復するなどの意味で使われる言葉です。が、類似表現として「リカバリー」「リカバリング」などの言葉もあり、使い分けに戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この記事では「リカバー」の意味、使われる場面、そもそもどういう言葉であるのか、「リカバリー」「リカバリング」との違い、「リカバー」の例文などについて、多面的に見ていきます。
本記事を読めば、「リカバー」という言葉への理解が深まるでしょう。
「リカバー」そして「リカバリー」などの言葉に関心のある方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
「リカバー」の意味
「リカバー」のようなカタカナ用語は、英語やフランス語など外国語が語源です。「リカバー」は英語では「revcover」という動詞です。
「revcover」は、頭に「re」が最初についています。これは「再び」を表します。良いとは言えない状況や状態から、「再び」良い状況にする、正常な状態に回復するといった使われ方をします。
「リカバー」の使い方
ビジネスの場面
「リカバーする」
- 気力や体力を回復させる場面で「身体を休めて、体調をリカバーします」
- パソコンの不具合などで消失したデータを、復旧させる時に「データをリカバーします」
- 気力や体力を回復させる場面で「身体を休めて、体調をリカバーします」
「リカバーできる」
- 金銭的な損失を回復させる意味で「その損失は、リカバーできる見通しなの?」
- トラブルによる発送や生産の遅れを取り戻す場面で「10日程でリカバーできるはずです」
- パソコンなどで損傷したデータの回復が必要な時に「そのデータは、リカバーできる?」
ビジネス以外の場面
二つ例を見てみましょう。
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学校生活の場面
また学業に関し、以下のような使い方もあります。
- 下がってしまった試験の成績について、元のレベルを取り戻す意味で「次の試験ではリカバーする」
- 遅れている勉強の進み具合を取り戻す時に「勉強の遅れをリカバーする」
スポーツの場面
また、この「recover」の名詞形は「recovery」、つまり日本語では「リカバリー」です。ゴルフで「リカバリーショット」という、不利な状況からの回復を狙ってする打ち方を表す言葉があります。
よって「リカバー」という言葉が日本のスポーツの場面でよく使われても、不思議はないといえます。
具体的な使い方としては、以下のようなものがあります。
- サッカーやバスケットボールなどで、相手に取られてしまった点数を取り返す意味で「まだまだ、リカバーできるチャンスはある」
「リカバー」と「リカバリー」や「リカバリング」の違い
それぞれの違いは、もともとの英語での「品詞」にあります。
- 「リカバー」英語での「recover」は動作を表す「動詞」です。
- 「リカバリー」英語での「recovery」は物事を表す「名詞」です。
- 「リカバリング」英語での「recovering」はリカバーという動詞を名詞化した、「動名詞」です。
「リカバリー」や「リカバリング」の使い方
このようなコンピュータ関係での「リカバリー」とは、パソコンを出荷時の状態に戻すこと、初期化することを示します。動詞である「リカバー」ではなく、名詞の「リカバリー」が使われます。
また「リカバーする」と同じように、「リカバリーする」という使い方をする時もあります。
日本語では「テニスをする」のように、名詞に「~をする」を付けて動詞化する場合があります。「リカバリーする」は同じ用法です。
「リカバーする」は動詞リカバーに「~をする」を付け動詞に動詞を重ねた用法ですが、実際には「リカバリーする」と同じような使い方がされています。
「リカバリング」については、商品名称など、一般的にはあまり使われていません。
「リカバー」の例文
ここでは「リカバー」の例文について、いくつか挙げてみましょう。
「午後にはリカバーした」
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また最後の例文では破損したデータの回復に成功した時、このように伝える事ができるでしょう。
- 「朝は体調良くなかったんだけど、午後にはリカバーしたよ。」
- 「午前中に見つかったデータの破損については、午後にはリカバーしました。」
「気持ち的にリカバーできた?」
- 「あの失敗のせいでだいぶ落ち込んでいたみたいだけど、気持ち的にリカバーできた?」
「リカバー」の英語表現
「recover」
語源としては、「再び(re-)」取り戻すというものです。
「recover」には他動詞としての使い方、自動詞としての使い方があります。
他動詞は目的語を必要とします。そして主語である人や物から、対象である人や物など(目的語)に動作が向かうことを示します。他動詞としての「recover」の意味は、「何かを」正常な状態に戻す・回復する、取り戻すなどです。
他動詞として使われる例として、データ(目的物)を回復させる場合が挙げられます。
自動詞は、目的語は必要としません。主語である人やもの自体の動きを表します。自動詞としての「recover」の意味は、人や生き物「それ自身が」怪我や体調不良などから回復する、国などが災害から復旧するなどです。
自動詞として使われる例として、その人自身が元気になる場合が挙げられます。
まとめ
言葉とは、使われる地域や時代によって変化していく生き物です。
必要以上に由来や語源にこだわる必要はありませんが、基本に立ち戻って使い方を考えていけば、より言葉の幅を広げることができるでしょう。
この記事を参考に、「リカバー」という言葉に親しんでみてください。