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つつがなくの意味と使い方4例・注意点2つと類語・例文

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つつがなくとは

「つつがなく」という言葉を使ったことはありますか。あまり馴染みのないように見えて、唱歌「ふるさと」の歌詞に使われていたりします。「つつがなしや友がき」とは、「ふるさと」の一節です。また、手紙などにおいては「つつがなくお過ごし下さい」のように使われています。

これを身につけておけば改まった場面などに使える語彙が増え、役に立つことが大いにあるでしょう。ここでは「つつがなく」の意味や使い方をご紹介します。

つつがなくの意味

「つつがなく」とは、「病気や災難がなく、平穏無事である」ということを意味する言葉です。息災であることが強調され、さらに気品を感じさせる表現になります。たとえば「つつがなく過ごしております」というのは、「病気やけが、事故や厄災など、心配事はなく平穏に過ごしております」という意味を表します。

健康状態を尋ねられた時に「つつがなく」と返せば、「何事もありませんよ」ということを簡潔に伝えられるでしょう。

「つつが」を漢字で書くと

「つつが」を漢字に直すと、「恙」です。「恙」は病気や災難、憂いなどを意味し、「つつがなく」では「恙」が「ない」として、「何事もなく」という意味を表すことになります。

「恙」という言葉は「恙虫」や「つつがむし病」のように、害を表す名称にも使われています。「恙虫」とはダニ目ツツガムシ科のダニの総称であり、つつがむし病を引き起こす害虫です。「恙」という字がいかに害を及ぼすものか、想像に難くないでしょう。

つつがなくの語源

「恙」は古来より「病や差し障り」のことを表していました。「ない」は「無い」と書き、「恙」が「無い」ということで、「病気や差し障りが無い」という状態を「つつがなく」という慣用句で表すようになりました。

「恙」は「恙む(つつむ)」ともいい、「障む(つつむ)」と同義でした。「障む」とは差し障り、差し支えるなどの意味を表す言葉です。「勢いを失わす」「支障が出る」といった意味があることも覚えておきましょう。

つつがなくの使い方と注意点

「つつがなく」とは、「無事に過ごすこと」や「差し障りがないこと」を意味する言葉と確認しました。手紙の冒頭や文末において体を気遣う文面として使用するのが一般的でしょう。

「恙」は「病気や厄災」の意味ですので、縁起を担ぐ結婚式やお葬式などに使用するのは縁起の悪いこととして好ましくありません。結婚式やお葬式には「順調に進んだ」という意味の「滞りなく」を使った方が適切でしょう。

例文1:つつがなく過ごす

「つつがなく過ごす」とは、「病気やけが、事故や心配事など、あらゆる災難を避けて暮らしている」、あるいは「家内安全、平穏無事で穏やかに暮らしている」という意味の表現です。

息災であることを強調することができるため、手紙などにさりげなく書き入れても相手に安心感を与えることができるでしょう。相手を気遣うだけでなく、自分の状況を簡潔に報告することもコミュニケーションにおいては大切です。

例文2:つつがなく旅が終わる

「つつがなく旅が終わる」とは、「病気やけが、事故や心配事など、あらゆる災難を避けて旅を終えることができた」という意味の表現です。旅というものは、長く家を離れて他所を渡り歩く行動ですから、危険も多く予測不可能な事態もあり得るでしょう。待つ人にとっては心配が尽きないことです。

「つつがなく旅を終えた」という一報さえあれば、身を案じている人も安心して日々を送ることができるようになるでしょう。

例文3:行事がつつがなく終わった

「行事がつつがなく終わった」とは、「ある行事について、事故や心配事、参加者や関係者のけがもなく、無事に終わりを迎えることができた」という安堵の意味を表す表現です。

ただし、既に述べてあるように、冠婚葬祭など縁起を担ぐ行事に関しては好ましくない表現となりますので注意してください。「恙虫」のように、害悪を直接連想させる言葉であるため、状況によっては不適切と考えられる場合もあります。

例文4:つつがなく挨拶をする

「つつがなく挨拶をする」とは、「事故や心配事、トラブルや災難なく、スムーズに挨拶をこなす」という意味の表現です。この場合には、挨拶という行動に「差し障る何か」が無かったことを意味しています。災害というよりも、挨拶に関する失敗のないことを「つつがなく」と表していると考えて良いでしょう。単に順調であることを表すために「つつがなく」を使う例です。

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つつがなくを使うときの注意点

「つつがなく」とは、「病気やけが、事故など災厄のないこと」「平穏無事」であることを意味する言葉です。手紙などにおいて自らの状況を報告したり、相手の健康状態や生活状況を気遣うために使われる表現と確認しました。

冠婚葬祭などの場面で適さないことは上記のとおりですが、他にも注意すべき点はいくつか存在します。自分に対し、相手の立場がどうであるのか。そのことに着目してみましょう。

目上の人/上司

「つつがなく」は、目上の人や上司に対し使うことが可能な言葉です。むしろ目上の人に手紙などを送るときには、積極的に「つつがなく」を使うと良いでしょう。

たとえば「つつがなくお過ごしでしょうか」とすれば、「問題なく平穏に過ごしておいででしょうか」といった意味の表現となります。また「つつがなくお過ごしください」とすれば、「今後の平穏無事な日々をお祈りします」といった意味を表現することができます。

同僚/同年代/年下

「つつがなく」とは、普段見聞きし慣れないように、少々かしこまった堅い表現と言えます。そのため、立場が同じ人間や下の者を相手とする場合には、適切とは言えないでしょう。堅い表現とは、真面目で誠実な印象を与えるものですが、逆に距離感を感じさせる表現でもあります。

相手との関係性や状況によって、砕けた表現を使うことが重要です。「無事に」「元気に」など馴染みのある表現と使い分けられるように心がけましょう。

正しい言葉の意味を知ろう

言葉には、改まった表現と砕けた表現の二種類が存在します。同じような意味でも、状況に合わせて表現を変えなければいけません。よりよい印象を相手に与えるためには、どちらの表現も多く身につけておく必要があります。

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つつがなくの類語と使い方

「つつがなく」とは、「病気やけが、事故や心配事など、災難のないこと」を意味する表現です。順調であることを表すために使われる表現ですが、不適切とされる場面もあるため、使用の際には注意が必要です。

「つつがなく」を使うことが望ましくない場合には、類似する言葉を代わりに使いましょう。類語とは意味の似た言葉を指しますが、それぞれに特有のニュアンスを持ち、異なった使い方ができます。

類語1:「滞りなく」の意味

「滞りなく」とは、「物事が順調に進むこと」を意味する表現です。「滞り」とは、「物事が途中で止まってしまったり、何らかの問題によってつっかえること」を表します。この「滞り」を「無い」と否定することによって、流れがスムーズであることを表現することができます。

「つつが」とは異なり、直接的な害を表さないのが特徴であり、冠婚葬祭など縁起を担ぐような場面においても使用することが可能です。

滞りなくの使い方

「滞りなく」とは、「物事が順調に進んでいる」か、あるいは「物事が計画どおり、問題なく完了した」場面において使うのが一般的です。業務の進捗報告や、企画・イベントの開催、終了の挨拶としてよく使われています。比較的かしこまった場面において使われ、日常会話ではほとんど日の目を見ないでしょう。

例文1「滞りなく進む」

「滞りなく進む」とは、「問題なく、当初の計画どおりに事が運んでいる」という意味の表現です。たとえば企画の準備など、進行状況を報告する必要のある場合に使われます。

・来月のイベントに関する準備は、滞りなく進んでいる。
・今回のプロジェクトに関しまして、企画・製作は滞りなく進んでおります。

以上のようにして、使われます。

例文2「滞りなく流れる」

「滞りなく流れる」とは、「つっかえることなく、順調に物事が進んでいる」という意味の表現です。何らかの物事に関する進行状況を表すこともあれば、単純に水の流れなどを表すことも考えられるでしょう。

・川の水は、滞りなく流れている。
・この度の計画は、滞りなく流れています。

以上のようにして、使うことができます。ただし進行状況に関しては、「進む」とした方が言葉の流れとしてはより自然でしょう。

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類語2:「支障なく」の意味

「支障なく」とは、「物事を進めるに当たって、妨げとなるものがない」、「特に問題なく」という意味の表現です。「支障」とは、「差し支え」や「差しさわり」のことを表す言葉であり、これを「無い」とすることで、「順調に事が運ぶ」ということを表します。

意味合いとしては、「つつがなく」と類似しますが、若干業務的な印象を与えるものと考えられます。業務や仕事に関する物事に使うのが適切でしょう。

例文1「プロジェクトが支障なく終わった」

「プロジェクトが支障なく終わった」とは、「あるプロジェクトの進行に当たって、差し支える問題もなく、無事に終了した」という意味の表現です。「滞りなく」に比べると、順調な流れよりも「妨げとなるもの」がないことに焦点を当てた表現と言えるでしょう。

「支障」とは「問題」を連想させる言葉であるため、やはり縁起を担ぐ場面においては「滞りなく」の方が無難と言えます。

つつがなくの意味を知り、日常会話で使う

いかがでしたか。「つつがなく」とは、病気や災厄に遭わず無事であることを表す言葉であり、上品さも備わっています。しかしながら、単語自体には良からぬ意味が込められているため、使用する場面には注意が必要です。

手紙などにおいては、簡潔に状況報告や気遣いを表現できるため、積極的に使うことをします。改まった表現でも、文面においては日常的な使用も好印象に繋がるでしょう。

意味を知っておくと便利な慣用句

「つつがなく」とは、「物事の順調なこと」を表す慣用句です。二つ以上の言葉の組み合わせで新たな意味を持つ慣用句は、言葉の特殊な用法とも言えます。単語を知っているだけでは読み取れない表現も多いでしょう。

知っている単語が使われていたとしても、慣用句となれば新しい言葉です。知っている素振りで恥をかくことのないように、使用頻度の高い慣用句はある程度身につけておきましょう。以下の記事も参考にしてみてください。

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