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「かつ」の意味は?
かつ【且つ】
一
( 副 )
① 二つのことが同時にまたは相前後して行われることを表す。一方では。 「大いに飲み、-歌った」 「 -喰らい、-飲み、-語った」
② すぐに。かたはしから。次々に。 「咲くと見し間に-散りにけり/古今 春下」 「 -あらはるるをもかへりみず、口にまかせて言ひ散らすは/徒然 73」
③ わずかに。ちょっと。 「心をぞわりなきものと思ひぬる-見る人や恋しかるらむ/伊勢 128」
④ あらかじめ。前もって。 「 -聞き給ひてもあるらん/平家 11」
二
( 接続 )
〔漢文訓読に由来する語〕 二つの動作・状態が並行あるいは添加して行われることを表す。同時に。また。その上。 「学び、-遊ぶ」 「必要にして-十分な条件」 「行く先は遠いし、-時間もない」
同時を示す場合の「かつ」は、基本的には「~と~」のような意味です。例えば、「AかつB」のように表現すると、「AとB」という意味になります。これはAとBが同時に存在していることを示しています。
また、同時や並行でなくても、動作や状態が相前後して行われる場合、動作や状態が加わる場合など、同時に近い意味も含まれています。いずれの場合も、基本的には「~と~」という意味で考えることができます。
「かつ」の使い方は?
代表的な使い方は?
いずれの使い方も、「~と~」という意味が含まれています。「歌い、かつ踊る」であれば、「歌うことと踊ること」を示し、「よく学び、かつ、よく遊ぶ」であれば、「よく学ぶこととよく遊ぶこと」を示すことが可能です。このように、「かつ」の代表的な使い方は、複数のことが同時または相前後して行われていること、並行または添加して行われることを表します。
ビジネスでの使い方は?
また、求人情報で「かつ」が使用されることもあります。例えば、「以下の資格を取得しており、かつ3年以上の実務経験があること」という内容であれば、資格を持っていることと同時に、3年以上の実務経験があることが条件です。これは、資格があることと実務経験があることの両方が求められ、どちらか片方だけでは条件を満たさないことを表します。
「かつ」の意味の由来は?
「かつ」には「そのうえ」や「さらに」という意味があり、ここから、同時や並行を意味することにつながります。そして、この「そのうえ」や「さらに」という意味は「且」という漢字に由来しているそうです。
「且」は、もともと象形文字としては「まないた」の意味があります。これは台の上に食べ物を重ねる状態を示しています。つまり、ここから「そのうえ」という意味が生まれ、同時や並行、加わる状態を示す言葉となっています。
科目別の「かつ」の意味と使い方は?
古典
また、先ほど挙げた「かつ」の意味に古文で使用される意味が含まれています。もう一度見てみましょう。
かつ【且つ】
一
( 副 )
① 二つのことが同時にまたは相前後して行われることを表す。一方では。 「大いに飲み、-歌った」 「 -喰らい、-飲み、-語った」
② すぐに。かたはしから。次々に。 「咲くと見し間に-散りにけり/古今 春下」 「 -あらはるるをもかへりみず、口にまかせて言ひ散らすは/徒然 73」
③ わずかに。ちょっと。 「心をぞわりなきものと思ひぬる-見る人や恋しかるらむ/伊勢 128」
④ あらかじめ。前もって。 「 -聞き給ひてもあるらん/平家 11」
二
( 接続 )
〔漢文訓読に由来する語〕 二つの動作・状態が並行あるいは添加して行われることを表す。同時に。また。その上。 「学び、-遊ぶ」 「必要にして-十分な条件」 「行く先は遠いし、-時間もない」
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数学
数学での「かつ」は、集合の問題で見られるでしょう。「AかつB」は、AとBの共通部分を示しています。これは「Aであり、かつBである」ということで、AとBに共通している部分として、AとBで重なっている部分を示します。こちらも「かつ」の意味として、「AであることとBであること」となり、AとBのどちらか片方だけでは条件を満たさないことを意味していると言えるでしょう。
法律での「かつ」の意味と使い方は?
(地役権の時効取得)
第二八三条 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
この条文は、地役権という権利を時効によって得ることを意味しますが、そのためには「継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるもの」という地役権でなくてはなりません。
これは、「継続的に行使されること」と「外形上認識することができること」の両方が必要です。例えば、「継続的に行使はされていないが、外形上は認識できる」ような地役権は、時効によって取得できないということになります。このように、「かつ」は同時を示すものとして、どちらも必要となることを意味します。
「かつ」と「および」の違いは?
「および」とは?
および【及び】
一
( 接続 )
(名詞や名詞と同じ資格をもつ句に付く)並べて挙げる時用いる。並びに。かつ。…も…も。 「東京-大阪で開く」 「会館の運営-管理」 〔法令用語では、「及び」は小さな段階の語句を併合するのに用い、「ならびに」は大きな段階の語句の併合に用いる。漢文訓読に由来する語〕
二
( 名 )
およぶこと。とどく限り。 「これも心の-はいかでかおろかに侍らん/海人刈藻」
[句項目] 及びもつかない
「および」は、語句を並べて示す場合に使用される言葉です。「AおよびB」と表現すれば「AとB」という意味になり、「かつ」と同様に「~と~」という意味で使用することができます。しかし、「および」と「かつ」には違いが見られます。
「かつ」と「および」の違い
一方で、「かつ」の場合は、「よく学び、かつ、よく遊ぶ」といったように動詞で使用することができます。これらの例文の「かつ」を、そのまま「および」に変えることはできません。もし「および」を使用する場合は、「学習すること、および遊ぶこと」などの表現になります。こうすれば、「~すること」という名詞化された表現として使うことができます。
また、「知識および技能」という例を考えてみましょう。この「および」をそのまま「かつ」に変えると、おかしな表現になります。もし「かつ」を使用するのであれば、「知識があり、かつ、技能がある」といった表現になります。
具体例をもとに意味をおさえてみよう!
「かつ」は、日常生活やビジネスシーンでもしばしば使用される言葉です。意味や使い方をおさえ、ぜひ活かしてみてください。