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施策を「せさく」と読むのはなぜか・「せさく」と読む場合の意味

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施策の意味と使い方は?

「施策」とは、「しさく」と読み、世の出来事に対し政治家や役人が施すべき対策を実行したり、その対策や計画の意味です。「施策」には、「せさく」という慣用読みもあります。

【例文】
・景気対策のための施策のひとつです。
・過去の反省からこれまでの施策を見直します。
・新しい施策について検討を行います。

同音異義語の試作の意味と使い方は?

「試作」は、「しさく」と読み、本製品を作る前に、ためしに作ってみること、また、その作られたものの意味です。試作は、ほとんどの場合、量産工程の前に行われます。

「施策」とは同音異義語で、対策を実行する「施策」と、本製品を作る前に試しに作った「試作」の意味を取り違えるとトラブルになりかねないので間違えないように気をつけましょう。以下例文です。

【例文】
・新年度発売予定の試作品を作ります。
・試作段階でいくつかの問題点が見つかりました。
・試作品での評判は上々です。

同音異義語の思索の意味と使い方は?

「思索」は、「しさく」と読み順序だてて深く考えを進めることと、筋道を立てて深く考えることの意味です。

「施策」とは同音異義語で対策を実行する「施策」と考えるだけで実行しない「思索」の意味を取り違えるとトラブルになりかねないので間違えないように気をつけましょう。

【例文】
・明日の発表会について思索にふけました。
・昨日から体調が悪くて思索できる体調では、ありません。
・夜も更けてきたので静かに思索することにします。

施策を「せさく」と読むのはなぜか?

施策は、「しさく」と読むのが正しい読み方です。「せさく」は、慣用読みです。慣用読みとは、正式な読み方ではないですが、よく用いられる読み方です。

なぜ、「施策」を「せさく」と読むようになったかは、「しさく」には「試作」や「思索」など間違えやすい同音異義語があるので、それらと間違えないようにするために「せさく」という読み方をするようになりました。

また、役所などの行政では、以前から慣用的に「しさく」は使用せずに「せさく」を使用しています。

もともと「施」には「施工」など「せ」を使う熟語も多いのと「せこう」という呼び方が自然で違和感のない呼び方というのも慣用読みしやすい読み方といえます。

漢字の施策をせさくと読む意味

漢字の「施策」を「せさく」と読む意味は、同音異義語である「試作」や「思索」と区別して意味を取り違えないようにするためです。同音異義語の多い「しさく」と比較して「せさく」には、間違えやすい同音異義語はありません。

同音異義語と区別する読み方は、「私立」と「市立」を「しりつ」と読むところを、それぞれ「わたくしりつ」と「いちりつ」と読んだり、「化学」を「科学」と区別するために「かがく」と読むところを「ばけがく」と読んだりします。

また、ビジネス社会では、取引先や上司が「せさく」という呼び方をした場合に、話を合わせやすくするために「せさく」という場合もあります。

しさくとせさくの違いは?

「しさく」と「せさく」の違いは、まず、先頭の文字の「し」と「せ」の違いです。また、「しさく」が「試作」や「思索」など間違えやすい同音異義語が多いのに対して「せさく」には、間違えやすい同音異義語は、ありません。

どちらが正しいのか?

「しさく」と「せさく」正しい読み方はどちらでしょうか。正しい読み方は「しさく」のほうです。

NHKの平成24年10月「視聴者対応報告」によると、「施策」を「しさく」が正しいのに「せさく」と誤読していたとして視聴者からの指摘を受けて、NHKは、「せさく」は、誤りで「しさく」が正しい読み方だったとしています。

このことからも、正しい読み方は「しさく」ということがわかります。

せさくがよく使われるシーンは?

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文化庁による平成15年度「国語に関する世論調査」によると、「施策」を「しさく」と「せさく」のどちらで読むことが多いかの調査結果では、「しさく」が67.1%で「せさく」が26.1%でした。

「せさく」がよく使われるシーンは、どういうシーンでしょうか。「施策」を「せさく」と読むのは、行政などで慣用的に使っているシーンが多く見られます。

行政など

役所などの行政では、かなり以前から慣用的に「施策」を「せさく」と読んで使用しています。日本では、その職場でしか通用しない慣用的な言葉があります。

他の慣用読みは?

「施策」の(せさく)以外にも、慣用読みの熟語は数多く存在します。中には、正しい読み方として定着していて、実際の正しい読み方はほとんど使用されていないものもあります。「輸入」や「捏造」は、慣用読みが正しい読み方として定着した代表例ともいえます。

輸入は?

輸入は、慣用読みは(ゆにゅう)ですが、正しい読み方は(しゅにゅう)です。こちらは、(ゆにゅう)の読み方をする人がほとんどで、(しゅにゅう)の読み方をする人はいまではほとんど聞きません。輸入の意味は、海外から資源やサービスを購入することです。

捏造は?

捏造は、慣用読みは(ねつぞう)ですが、正しい読み方は(でつぞう)です。こちらも(ねつぞう)の読み方をする人がほとんどで(でつぞう)の読み方をする人はほとんど聞きません。捏造の意味は、本当はない事をあるかのように偽って作り上げることです。

惨敗は?

惨敗は、慣用読みは、(ざんぱい)ですが、正しい読み方は(さんぱい)です。こちらも(ざんぱい)の読み方をする人がほとんどですが(さんぱい)の読み方をする人はたまにいます。惨敗の意味は、ひどい負け方をすることです。

堪能は?

堪能は、慣用読みは、(たんのう)ですが、正しい読み方は(かんのう)です。こちらも(たんのう)の読み方をする人がほとんどですが、(かんのう)の読み方をする人はたまにいます。堪能の意味は、深くその道に通じ、すぐれていることや満ち足りて満足していることです。

漏洩は?

漏洩は、慣用読みは、(ろうえい)ですが、正しい読み方は(ろうせつ)です。こちらも(ろうえい)の読み方をする人がほとんどですが(ろうせつ)の読み方をする人はたまにいます。堪能の意味は、秘密がもれること。または、秘密をもらすことです。

「早急に」は?

「早急に」は、慣用読みは、(そうきゅうに)ですが、正しい読み方は(さっきゅうに)です。こちらも、(そうきゅうに)の読み方をする人のほうが多いです。意味は、非常に急ぐことを表します。

施策の類義語は?

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「施策」の類義語には、「政策」や「方策」などがあります。

政策とは?

「政策」は「せいさく」と読みます。例えば政府などの行政機関が、行政執行するための方針を意味します。また、何かをするときの指針や手段となるものの意味もあります。

「政策」と「施策」の違いは、「政策」が何かをするときの指針や手段となるものに対して、「施策」は「政策」で考えたものを実行に移す際にとる策を指します。

方策とは?

「方策」は、「ほうさく」と読み、物事を達成するための手立て・はかりごとの意味です。

「施策」と「方策」の違いは、「施策」が行政レベルで施すべき対策を実行することに対して、「方策」は、個人やグループレベルでの対策を実行することを指します。

しさくとせさくを臨機応変に使い分けよう

「施策」は、現在は「しさく」が正しい読み方で「せさく」は、慣用読みの扱いになっています。今後も、このままずっと変わらずに続くのでしょうか。

日本語は、生きていて常に変化しています。今後、変わる可能性も念頭においておく必要があります。アンテナを張り情報を逃がさないようにしましょう。

現段階では、相手と場所によって使い分けるのが最善の選択といえるでしょう。つまり、一般の場では、「しさく」を用いて、役所などの行政などでは、「せさく」を用いるのが最善の選択です。

一般の場においても、「施策」を「せさく」と読む人がいても、否定したり訂正したりせずに相手に合わせて話すようにしましょう。

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